この事件は，セルなど直接撮影方式で現在とはまるで違うものでした。
デジタル化して，問題になった技術面が改善されましたが向上した分，３Ｄのような視覚拡大や目まぐるしい動きなど，見る手が逆に疲労し易くなっています。
そのため，これは温故知新の志で改めて書き出しました！現在，アニメ部門では世界一の日本ですがデジタル・３Ｄ全盛のご時世にも関わらずほぼ手造り日本アニメ・・・そして，このポケモンに映像作品の本質と姿勢を強く感じられます・・・見る手に真っ正面からテーマをぶつけ誠意を見せる・・・
１９９７，１２，１７－
日経紙
●〔「ポケモン」ＴＶ見て異常〕の，続き
『専門家「光過敏性」と関連：
アニメ番組「ポケットモンスター」を見た子供が次々病院に運ばれた事態について，専門家からは「光過敏性」や体内時計の異変との関連を指摘する声が出ている。
国立療養所静岡東病院の清野・名誉院長は，「症状からすると，光過敏性かと考えられる。感受性の強い年齢的に，１秒間に１５～２０回の周期で点滅する強烈な光刺激を受けると，症状の出る可能性のある子もいる。本来，この刺激を受けると目を背けるなどするのだが，人気番組という事で子供達が凝視してしまったのだろう」と話す。
一方，鈴木・日本工業大学教授（電気電子工学）は，「チカチカと画面が点滅する事によって，人間の体内時計を狂わせた可能性がある」という。
「画面が１秒間に８回前後点滅して，脳波とほぼ同じ周波数を発信すると，体内時計の発信器が刺激され，時計が狂ってしまう。大人より子供の方が感受性が強く，症状を起こす例が多い」
不二・大阪大医学部眼科講師（神経眼科）によると，ＴＶゲームや立体映像が発作を引き起こす可能性は以前から指摘され，光刺激によって，脳が異常に興奮する素因を持った子供に症状が現れたという。
「画面を見て驚いてパニックに陥ると，体内の二酸化炭素が減少。代わりに酸素が多くなり，発作などを起こしたと考えられる」と指摘している。
≪ＴＶゲームでも問題に≫
ＴＶ画面など外界からの強い光の刺激により発作が誘発される「光過敏性」は，以前からＴＶゲームで指摘されており，数年前に社会問題化したが，医学的にはＴＶゲームとの因果関係ははっきりしていない。９３年，英国でＴＶゲームで遊んでいた子供が発作を起こし死亡した例が報道されるなど，欧米各国でＴＶゲームによる症状が相次いで報告された。国内でも当時，同様の症例が出ていた』
●〔（夕刊）１３０人越す子供入院〕
『「ポケモン」被害，６５１人が病院：
ＴＶアニメ「ポケットモンスター」を見た子供達の体に異常が発生した問題で，１７日午前までに病院に運ばれた子供は自治省消防庁のまとめで３０都道府県の６５１人に上った。入院した子供も１３０人を超えた。録画したビデオや夜のニュース番組を見て，子供が症状などを起こす例も出たという。テレビ東京は同日午前，編成担当の幹部らによる緊急会議を開催。同日中にも，医師や法律から外部専門家も含めた調査チームを設置し，原因を調べる事を決めた－
郵政省は１７日午後，テレビ東京側から事情聴取する。厚生省も同日，被害の実態調査に乗り出した。入院した子供が１３０人を上回っている事を重視し，個別の症例を詳しく調査，医学的な検討もする。
警察庁も同日，情報収集を全国の警察本部に指示。警察庁はこれを受け，実態把握を開始，テレビ東京の関係者から事情を聴いており，業務上過失傷害の疑いがあるかどうか検討する。
東京都消防庁などの調べによると，東京都内で１７日午前までに病院に運ばれたのは７１人で，内１３人が入院した。また大阪府のまとめによると，同府ないでは大阪市で１４人が病院に運ばれたのを始め計７６人が搬送（はんそう）され，１５人が入院。
搬送患者が多かったのは神奈川県７７人／埼玉県７０人／愛知県６０人／千葉県４４人／北海道３７人／福岡県３３人など。
また，４人が運ばれた東大医学部付属病院（東京都文京区）によると，搬入（はんにゅう）時にはいずれも症状はおさまっていたが，症状を抑える薬を渡し，後日，脳波検査を受ける指示したという。
秋田テレビ（本社・秋田市）は１７日，アニメ「ポケットモンスター」の放映を当分の間中止する事を明らかにした。同局はテレビ東京より２週間遅れで同番組を放映している。１８日放映分から中止する。
「ポケモン」番組製作小学館プロが実務：
テレビ東京によると，ポケットモンスターは同社の映画部と関連会社，アニメ製作会社「小学館プロダクション」（東京都千代田区）の３社が共同製作している。この内主に製作に携わっているのは同社映画部と小学館プロで
，中でも企画やセル画製作を含めた実務は小学館プロのスタッフが主に担当しているという。
今回問題となった場面についても，主に小学館プロ側が製作を担当。完成後，テレビ東京のプロデューサーが内容をチェックした上で「問題ない」と判断，放送したという。
小中４５人欠席 都教育庁が調査：
ＴＶアニメ番組「ポケットモンスター」を見ていて気分が悪くなった小中高生が都内にどれ位いるか明らかにするため，東京都教育庁が１７日午前，都内の小中高校など約２３００の公立学校で始業時の出欠状況を調査した所，番組の影響とみられる欠席者は午後０時半現在，中学生１人／小学４４人の計４５人だった。
－続く
デジタル化して，問題になった技術面が改善されましたが向上した分，３Ｄのような視覚拡大や目まぐるしい動きなど，見る手が逆に疲労し易くなっています。
そのため，これは温故知新の志で改めて書き出しました！現在，アニメ部門では世界一の日本ですがデジタル・３Ｄ全盛のご時世にも関わらずほぼ手造り日本アニメ・・・そして，このポケモンに映像作品の本質と姿勢を強く感じられます・・・見る手に真っ正面からテーマをぶつけ誠意を見せる・・・
１９９７，１２，１７－
日経紙
●〔「ポケモン」ＴＶ見て異常〕の，続き
『専門家「光過敏性」と関連：
アニメ番組「ポケットモンスター」を見た子供が次々病院に運ばれた事態について，専門家からは「光過敏性」や体内時計の異変との関連を指摘する声が出ている。
国立療養所静岡東病院の清野・名誉院長は，「症状からすると，光過敏性かと考えられる。感受性の強い年齢的に，１秒間に１５～２０回の周期で点滅する強烈な光刺激を受けると，症状の出る可能性のある子もいる。本来，この刺激を受けると目を背けるなどするのだが，人気番組という事で子供達が凝視してしまったのだろう」と話す。
一方，鈴木・日本工業大学教授（電気電子工学）は，「チカチカと画面が点滅する事によって，人間の体内時計を狂わせた可能性がある」という。
「画面が１秒間に８回前後点滅して，脳波とほぼ同じ周波数を発信すると，体内時計の発信器が刺激され，時計が狂ってしまう。大人より子供の方が感受性が強く，症状を起こす例が多い」
不二・大阪大医学部眼科講師（神経眼科）によると，ＴＶゲームや立体映像が発作を引き起こす可能性は以前から指摘され，光刺激によって，脳が異常に興奮する素因を持った子供に症状が現れたという。
「画面を見て驚いてパニックに陥ると，体内の二酸化炭素が減少。代わりに酸素が多くなり，発作などを起こしたと考えられる」と指摘している。
≪ＴＶゲームでも問題に≫
ＴＶ画面など外界からの強い光の刺激により発作が誘発される「光過敏性」は，以前からＴＶゲームで指摘されており，数年前に社会問題化したが，医学的にはＴＶゲームとの因果関係ははっきりしていない。９３年，英国でＴＶゲームで遊んでいた子供が発作を起こし死亡した例が報道されるなど，欧米各国でＴＶゲームによる症状が相次いで報告された。国内でも当時，同様の症例が出ていた』
●〔（夕刊）１３０人越す子供入院〕
『「ポケモン」被害，６５１人が病院：
ＴＶアニメ「ポケットモンスター」を見た子供達の体に異常が発生した問題で，１７日午前までに病院に運ばれた子供は自治省消防庁のまとめで３０都道府県の６５１人に上った。入院した子供も１３０人を超えた。録画したビデオや夜のニュース番組を見て，子供が症状などを起こす例も出たという。テレビ東京は同日午前，編成担当の幹部らによる緊急会議を開催。同日中にも，医師や法律から外部専門家も含めた調査チームを設置し，原因を調べる事を決めた－
郵政省は１７日午後，テレビ東京側から事情聴取する。厚生省も同日，被害の実態調査に乗り出した。入院した子供が１３０人を上回っている事を重視し，個別の症例を詳しく調査，医学的な検討もする。
警察庁も同日，情報収集を全国の警察本部に指示。警察庁はこれを受け，実態把握を開始，テレビ東京の関係者から事情を聴いており，業務上過失傷害の疑いがあるかどうか検討する。
東京都消防庁などの調べによると，東京都内で１７日午前までに病院に運ばれたのは７１人で，内１３人が入院した。また大阪府のまとめによると，同府ないでは大阪市で１４人が病院に運ばれたのを始め計７６人が搬送（はんそう）され，１５人が入院。
搬送患者が多かったのは神奈川県７７人／埼玉県７０人／愛知県６０人／千葉県４４人／北海道３７人／福岡県３３人など。
また，４人が運ばれた東大医学部付属病院（東京都文京区）によると，搬入（はんにゅう）時にはいずれも症状はおさまっていたが，症状を抑える薬を渡し，後日，脳波検査を受ける指示したという。
秋田テレビ（本社・秋田市）は１７日，アニメ「ポケットモンスター」の放映を当分の間中止する事を明らかにした。同局はテレビ東京より２週間遅れで同番組を放映している。１８日放映分から中止する。
「ポケモン」番組製作小学館プロが実務：
テレビ東京によると，ポケットモンスターは同社の映画部と関連会社，アニメ製作会社「小学館プロダクション」（東京都千代田区）の３社が共同製作している。この内主に製作に携わっているのは同社映画部と小学館プロで
，中でも企画やセル画製作を含めた実務は小学館プロのスタッフが主に担当しているという。
今回問題となった場面についても，主に小学館プロ側が製作を担当。完成後，テレビ東京のプロデューサーが内容をチェックした上で「問題ない」と判断，放送したという。
小中４５人欠席 都教育庁が調査：
ＴＶアニメ番組「ポケットモンスター」を見ていて気分が悪くなった小中高生が都内にどれ位いるか明らかにするため，東京都教育庁が１７日午前，都内の小中高校など約２３００の公立学校で始業時の出欠状況を調査した所，番組の影響とみられる欠席者は午後０時半現在，中学生１人／小学４４人の計４５人だった。
－続く
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