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なぎのあとさき

日記です。

最近みた映画、本、マンガなど

2006年04月17日 | 映画の話(ネタばれ)





殿ちん、おもしろフェイス

「都会のアリス」
優しいダメ人間の主人公、
30歳、いまだモラトリアム。自分大好き。
(記者なのに写真ばかり撮ってる)
女の子との関わり方が自然でいい感じ。
急に消えてもちゃんと探してくれる彼を、
アリスは信用する。
ムスッとして、
アリスの写真を撮ってあげるわけでもない。
でも、一緒の写真を撮るところ、よかった。
主人公、口元が板尾さんチック。
女たらしの彼に、
おもちろくない顔をするアリス、
写真を見返して微笑むアリス、かわいい。

とりのなん子「とりぱん」
季節を感じる視線が自分と一緒だったり、
自分では気が付かなかったことだったりで、
少しずつ読むあいだ、至福の一冊。
鳥ってそれぞれ変わったクセがあって面白い。

最近読み返した「もうひとつの季節」の中で、
「若さ」には「不満・緊張・焦燥」がつきものと
書いてあったのが少し気になっていた。

それ以来なんとなく「若さ」が
自分の中でテーマになっているらしく、
本は夏目漱石「三四郎」を読み始めた。
上京したての若い三四郎。
上京したての頃を思い出して、みずみずしい気持ちに。

「ラストデイズ」を見たとき、
死への衝動にいまひとつ実感がわかないのが、
「若さ」をなくしたせいかな、と思ったけど、
いま思うと実感はいらない、
風景みたいな映画だった。

「都会のアリス」を見てて、
若いって、自分大好きってこと?
と思い、「不満・緊張・焦燥」も、
そこからくる自意識の一部と思った。

そんなものない方が、気楽で超楽で極楽。
けど、それを失うことは、
オヤジまたはオバハンへの第一歩かも…

「若さ」を失いたくないと思ったら、
どうすれば?
「とりぱん」を読んでいて、
あ~、マンガが書きたい、
と思った気持ちは「不満・緊張・焦燥」をはらんでいる。


ラストデイズ

2006年04月13日 | 映画の話(ネタばれ)

11日は夜に大雨。
12日、どこに植えたかわからなくなっていた、
ユリの球根がついに芽を出した。
何も植えずにあけておいた
ベスポジに出てきてくれて嬉しい。
駅に向かう道には、
昨日までなかったタンポポが、
そこら中に咲き乱れていた。
夜になると、
ビルの明かりが霞むほどの湿気、19℃。
今週ぐずぐず雨が降ったり止んだりしてるのは、
菜種梅雨というらしく、
たしかに菜の花があちこちに咲き出した。
空には、久しぶりの月が出た。
満月チョイ手前の丸い月。

そんななか、シネマライズ渋谷へ。

『ラストデイズ』
悲しい映画だった。
若さゆえの救いのなさが悲しい。
心の通う友達も、恋人もいなくて、
一人だけ世界から浮いてる感じ。
緑や湖があんなにきれいなのに、
それすらも救いにならないのが、
悲しい。
なんとなく、自分の失った若さを
目の当たりにしてるようで、
それも悲しい気分にさせた。

一人セッションの音は悲痛だった。
(正直ブレイクはカートには似てる気がしなくて、
カートとは関係ないガス・ヴァン作品、
音楽はソニック・ユースと開き直って観た)

帰り、ファンゴーでハンバーグを頼んだけど、
食べ切れなかった。
Cの話もろくに聴こえないくらい、
悲しさの余韻は続いた。


第5次指輪ブーム

2006年04月13日 | 映画の話(ネタばれ)
「二つの塔」~「王の帰還」special edition。
地名や国名を思い出す頃には、
中つ国の住人に。

「二つの塔」
ヘルム峡谷の戦いは何度見てもすごい。
ガンダルフの登場は、わかっててもワクワク。
エントがアイゼンガルドをおとすところは、
何度見ても最高に爽快。
エントかっこいい。
モクモクのけんちゃん(?)の木と、
顔が似てるような…。
ナズグルが出てくるところもどきどき。
終わりのサムとフロドの会話は、
セリフをほとんど覚えてるのに涙。

「王の帰還」
序盤、フロドはおかしくなってるし、
デネソールはバカすぎるし、
黒い雲が空を覆い始めるし、
いまにも世界が終わりそうな暗さ。
フロドをつかまえたオーク達が、
内輪モメでいなくなっちゃうとこが、
おかしかった。
オークをやっつけたかったら、
ちょっといい鎧を一枚、
ポーンと投げればいいのでは?

特典ディスクもきっちり編集されていて面白い。
見るたびに、完全版を揃えようと思う…。

特典ディスクに出てたメガネのオヤジを、
ダーが「ファラミアだよ」
といいはるのがおかしかった。

溝口健二「噂の女」

2006年03月30日 | 映画の話(ネタばれ)
和服姿でぱたぱたと立ち回る絹代さん。
着物独特の身のこなしが美しい。
和服でも、こんな風に柔らかく、
軽やかに、動けるものなのね。

男に夢を語りながら歩く絹代さんもきれいだし、
男の正体を知って睨みつける久我さんもきれい。
でも一番ハッとしたのは、ラスト近くで、
向かい合って話す絹代さんと久賀芳子。
恋なんてものは、
母娘の愛の前では、一瞬で紙屑になる。

しかしあの男。
お金を渡した絹代も悪いけど、
サクッと受け取って持って行くんだから、
ただの悪人だ。
女たらしの風上にも置けん。

ま、それであの大阪オヤジとの縁は残る。
やらしーし、しょーもないけど、
威勢がよくて、頼りになって、
絹代さんの身体も気づかって、
実はかっこいい。

そして人生は続く、なラストが良かった。
太夫さんの肩の白さがエロかった。

山椒大夫~驟雨

2006年03月22日 | 映画の話(ネタばれ)
溝口「山椒大夫」。
男女の話かと思ったら全然違った。
平安時代、人が知性を持つ前の、
痛~い話。
美しい自然の中で、
人間だけが恐ろしく醜い。
ただ、子を思う母、母を思う子供たち、
兄妹の愛だけがきらきら。
その後で、成瀬「驟雨」。
知性を持つ前にくらべて、
人間はずっと軽く生きられるようになった?
この映画の原さん、ほんとすごい。
何もいわなくても表情だけで、
気持ちがたっぷりと伝わってくる。
それでいて、すごく綺麗。
夫婦のやりとりがリアルすぎて笑っちゃうほど。
最後のシーンは、何度見てもいい。好き。

誰もいない日曜の午後、
美味しいお茶を淹れて、
日本映画の名作を見るのって、
すごく幸せな感じ。
居眠りからさめた猫が来るたびに、
HDDを一時停止して猫に構いながら、
日が暮れてきたことに気づいて、
窓の外、夕焼け空を見上げる。

成瀬巳喜男「乱れる」

2006年02月27日 | 映画の話(ネタばれ)
【物語】
旦那が戦死した後、旦那の実家の酒屋を、
18年かけて再建した秀子さん。
ところがスーパーマーケットの台頭で、
お客が減っていく。
小姑の感じが悪くて肩身の狭い状況の秀子さんの、
味方になってくれるのは、旦那の弟・加山雄三。

【感想】
十年以上前に見たきりで、内容は忘れていた。
ただ、タイトルどおり、
秀子さんが「乱れる」映画なのは覚えていた。
何が乱れるんだっけ? 
普通に考えて、貞淑な未亡人である秀子さんが、
禁断の恋に乱れるんだっけ、
と思いながら見てたけど、
そんな昼ドラみたいな生易しい「乱れる」ではない。
ラスト10分たらずのところで、
何気ないシーンから突然冷水を浴びるような恐怖。
変なBGMが不安をさらに盛り上げる。
(え~?)と思ってる最高潮のところで「終」
(がび~~ん!)
確かに、これ以上ないくらい、
秀子さんは乱れていたし、
見てるこっちの心も乱れた…。
「ひどい話!」「うん…」
でも、人生はそういうもの。
生易しいもんじゃない。

最初の方、加山が「俺の天職は無職」とかいって、
ふらふら遊んでるのを見て、
ダー「いいなぁ~」私「私と同じ考え方」

「僕のニューヨークライフ」

2006年01月24日 | 映画の話(ネタばれ)

楽しくて軽くて、いい感じ。
ウッディ・アレンの映画はいつもそうだけど、今回は特にいい感じ!
もう一度見たい。
笑いどころも多くて、
見た後の「ちょっと幸せ感」もいつも以上のような気がする。
邦題に「ニューヨーク」とあるけど、
描かれる人々の人生は、東京にいる私や私の周りの人々と、
なんら変わらない。
C「深沢七郎を読んでるときみたいな」ヤーマン感。
クリスティーナ・リッチの役どころは、
もう一人の自分を見てるような感じ。
なかなか社会的には受け入れられない立ち位置だけど、
素直に楽しく生きている。
社会性を放棄して、やりたいようにやってる身にとって、
こんな映画を見ると、心からホッとする。
私だけじゃないんだなぁ~、と。
C「あたしたちは、クリスティーナ・リッチの皮をかぶったウッディ・アレンってことだよ」
ウッディ・アレンの出てるシーンは、ずっと笑いっぱなし。
ロンドンに行っても、こんな映画を撮り続けてね、オイサン。


タケシズ

2005年11月27日 | 映画の話(ネタばれ)



ビー、こっちむいて



ふん

11月26日、土曜、晴れ。

ミセスアイリスクロウを植え付け。
そろそろ植える隙間がなくなって来た。
でも、庭を見渡して、来年の春に咲く花を想像するにつけても、
黄色の花が一つ欲しいところ…。

朝ご飯はポテトグラタン、コーヒー。
のんびりしてから、4時頃家を出る。
家の前のハナミズキが真っ赤で、某高校の桜も赤くて、
綺麗に紅葉していた。
上野毛自然公園の中を歩く。
ここは常緑樹が多いのか、木は青々してたけど、
上の公園は、大きい桜の木が見事に紅葉。

ダーと渋谷へ。ローダでナイトリペア、ロフトでスケジュール帳、
ダーが「10分だけ」というのでHMVで軽く試聴してからシネパレスへ。
ロビーが広くて好き。映画が始まる前にポップコーン食べきる。
前の回が終わって出てきたパンクな男二人連れが、
すごく腑に落ちない顔してるのが気になった。

『TAKESHI'S』 inシネパレス。
変な映画だった。すごく変。
現実と白昼夢の境がない。割合は白昼夢が98%くらい?
で、最後のほうはちょっと長いと思った。
岸本かよこがコンビニに来るシーン、
大杉漣が「200万でどう?」「あたしにも…」のシーンとか面白かった。
白昼夢といっても、出てくる人が皆生々しい。生っぽい。生きてる感じ。
寺島なんか死んでるのに生きてるし。
オーディションのシーン、ラーメン屋のシーンも面白かった。
タクシーの運転手になるとこで、「ああリンチっぽいなー」と思った。
リンチならかわい子ちゃんが歌を歌うけど、タケシズでは美輪さんが歌う。
美輪さんが浮いてないんだから、化け物じみた映画だ。
その夢はどっちの武の夢なのか、
二人目の武は存在するのかどうかもよくわからないけど、
どっちでもよくて、誰もが同じような夢を見てる、それはいいことだと思う。

今シーズン初のゴールドラッシュ。300頼んで私の方が先に食べ終わる。
ダーは帰ってしばらくすると、ビーと二人で「小腹減ったなー」と話し合っていた。


ミステリートレイン

2005年11月27日 | 映画の話(ネタばれ)





11月25日、金曜、晴れ。

起きると私の枕にビーがいて、
私の寝るスペースはベッドの端10センチくらいに。
掛け布団の上の、私とダーの間の溝にモンチが伸びて寝ていて、
殿は足元で寝ていた。

朝、庭仕事に続いて和室でお茶しながら
テレビの録画予約をするのが日課に。
その間必ず殿が来て膝に上がる。

お昼はタラコスパ。
深沢七郎「生きているのはひまつぶし」読了。
注が多くて読むところが少なかった。
随筆でもときどき文章がリズミカルになって、
深七は吟遊詩人みたいな人だ。自然を愛して、自然に生きた人。

ジャームッシュ「ミステリートレイン」。
すっと映画に引き込まれるのは、映画の中の時間の流れが、
自分の生活の時間の流れとよく似てるからだと思う。
ラジオで「ブルー・ムーン」が流れるシーンは3つともよかった。
すごくいい歌。その歌に負けないいいシーン。
一つめは、愛し合う二人の青春18きっぷというか、
どことなく漂う「今だけ」感が、なんとなく切なくてよかった。
長瀬のかっこつけた感じ、工藤由貴のちょっと高いテンションも、絶妙にちょうどよくて。
ホテルのカウンターのブラダ二人のやりとりも面白い。
二つめ、主役の女の人はいい女。綺麗でかっこいい。
ポーターが鏡で帽子をチェックするシーンがよかった。
三つめ、ジャームッシュの常連さん揃い踏み。


銀河ヒッチハイク・ガイド補足

2005年10月27日 | 映画の話(ネタばれ)



10月26日、水曜、雨。

折り返しの日。昼過ぎに雨が降って冷え込み、
下腹がビシビシ痛む。暖かいときはマイルドだったのに。
会社でも何もやる気なし。
ネットでバラの育て方を見て過ごす。
お腹だけは減るのでお昼はアサイのジュース、キノコのパスタ。

ヲタの甘木さんが「銀河ヒッチハイク・ガイド」の
ブックレットを貸してくれたので読む。
これは原作を知らないと、話についていけないのも仕方ない。
「究極の問い」で話がややこしくなって、
映画だけでは高次元種族の話がよくわからなかった
(ボブ・ディランで誤魔化されたような)
惑星を製造する映像とか、ハーマ・カヴーラの姿とか、
無限不可能性ドライヴとか、
マーヴィンが価値観転換銃でヴォゴン人たちをやっつけるとことか面白かった。
宇宙、物理学はダーの得意分野だから、
一緒に見たらいろいろ解説してもらえたのにナ~。公開短かすぎ。

○「銀河大百科事典」で〝愛〟について「様々なホルモンが患者の身体の中で作られることに起因する、衰弱していく心身症であり、それは無意識または自分ではコントロールできない」

会社にCが迎えに来て、日本橋三越の呉服売り場につきあい、
Cは割烹着を買う。会話も昭和枯れススキ、外は雨、腹は痛む。
Cんちに寄ってだらだら。
モユが黒目を点にして虫みたいな顔をしていた。
ジムは素通りし、三茶東急で炭水化物中心に食材を買い、
ボエムで蟹とアボガドのサラダ、カルボナーラ、アールグレイ。
新人ボーイに「シフォンケーキあります?」と聞くと
デザートメニューを見ながら
「シフォンケーキってどんなケーキですか?」と逆に聞かれた。
天然ぽくてかわいかったけど、後で上の人に怒られていた。

家に帰るとダーもいて、猫3匹とたらたら、
お茶飲んで、テレビ見て。寒いときはこれが一番。


銀河ヒッチハイク・ガイド

2005年10月24日 | 映画の話(ネタばれ)



10月21日、金曜、晴れ。

部には私と雑誌班の人しかいなくてのんびり。
ネウロのサイト(ネウヤコで検索)を回ってすごす。
帰り、初代に誘われ鰻イクラ丼。

「銀河ヒッチハイク・ガイド」inヴァージンシネマ。
変な映画で面白かった。最初のイルカの歌のシーンは感動的。笑える!
展開が速くて話がよくわからないけどOKな映画だった。
B級っぽいノリなのにお金かかってそうで、
ちょい役のマルコビッチはやっぱりかっこよかった。
量子力学の話も面白かった。よくわからないけど。
後で出てくる主人公の家の庭が、
イギリスらしくバラがいっぱい咲いていてかわいかった。

Iと中目で軽く飲む。
最後に会ったときの印象が悪かったから一度会っておきたかったのと、
いい男と美味い酒が飲みたかったので。
でもつまんなかった。
Iはいい男とゆうより、イヤミな奴に磨きがかかっていた。
仕事で行った海外の話、新居のパーティの話とか、
聞き流してたけど、「オレってどうよ」な話しぶり。
仕事の話なんかされても、興味ないから。
私が花を育てたり、鎌倉行ったり、猫と遊んだりしてるというと、
「枯れてるよ!」
まぁ前からそんな奴だったけど。
ポジティブでナルシストで自意識過剰で鼻持ちならない。
長いこと友達だったからこれからも友達でいようと思ってたけど、
もう結構。一生会わなくてよし。
でもIは何をどう勘違いしたのか、
「またすぐ会おう」というので、雪子ちゃんばりに「ふん」といっておいた。
私が「秋はなんとなく寂しい」といったので、勘違いしたらしい。
自然のVibesを解さない人に、私のVibesがわかるわけないか。

ダーが真のいい男であることを再確認。
こんなことで確認されたかないだろーけど。


チョコファク

2005年10月19日 | 映画の話(ネタばれ)



10月16日、日曜、曇り。

パッとしない天気つづく。朝ご飯は鯵の開き、葱たっぷり卵焼き、
ご飯、若布と油揚げの味噌汁。緑茶、コーヒーなど次々淹れる。
「天才ファミリーカンパニー」を読んでだらだら。おやじくさい話だけど面白い。

4時頃家を出て渋谷へ。久々にダーとデート。渋谷ってのがアレだけど。
アニエスのチェックスカート、編み上げブーツ、白ニットパーカでお出かけ。
ダーも仕事では着ないアニエスのシャツ。
映画館で整理券をもらってから、HMVでいろいろ試聴。
ボーズ・オブ・カナダの新譜がよかったけど、
「いいんだけど、何枚もいらないってゆうか」で二人して何も買わなかった。
さくらや、ビックカメラをはしごして、HDD&DVDレコーダーをついに購入。
ワーイ! これでもうDVDを買わなくてすむ! 
引きこもりシーズンを前に強い味方ができた。
夢吟坊でかきあげうどん。渋谷っぽくなくて落ち着く。
気が付くとハンターの話。
すぐ横のアフタヌーンティーでマドラーを買って、本屋にも少し寄る。
映画は前売りは売り切れてたけど、最終回は1300円で、
今日は無駄のない感じで渋谷を歩き、雨も降りそうで降らなくてよかった。

渋谷シネパレスで、ティム・バートン「チャーリーとチョコレート工場の秘密」。
面白かった! ウンパルンパの歌も絵もノリノリ。
ウンパルンパがいちいち面白かった。顔とか服とか。
街や工場は、原作のいい部分がそのまま映像になって、
ストーリーは原作よりさらに〝いい話〟になっていた。
ジョニデはやっぱりかわいい。
今回も疎外された人の役で、ときどき言葉につまったりするとこがかわいい。
「一番ジョニデがかわいかったシーンってどこ?」
ダ「靴みがきのシーン」 

終わってまっすぐ帰る。家出たときは低気圧で頭痛がしてたけど、
映画の後で治っていた。
夜「天才ファミリーカンパニー」読破。


カット~火垂るの墓

2005年08月15日 | 映画の話(ネタばれ)



モンチはタワーに飽くことなく遊んでくれる



猛暑続くなか、表参道へ。
涼しいヘアサロンでカット、カラー。
美容師さんたちに夏休みのことをきくと、
皆1泊で実家に帰ったという話。
担当の甘木さんは、実家の後金沢の
現代?美術館に行き、
そこは行くだけでも面白くて1日遊べるそう。
終わって外に出ると雨。セットがだいなし。
一度家に帰り、猫のトイレ掃除とご飯。それから三茶へ。

「火垂るの墓」
ドロップの缶に入れた水を、
兄ちゃんにもすすめるセツ子と、
全部飲んでいいよという兄ちゃん。
暑い夜、寝てるセツ子を抱きしめようとするシーンも切ない。
ラストの、誰もいなくなった二人の家を写す
(小津っぽい)シーンで(BGMまで小津っぽい、
この兄妹がだいたい「お早よう」の兄弟とカブる)、
二人が生き生きと生きた夏の日々を思い出す。
食べかけのスイカ、卵のお粥。
そのシーンが終わった後も、二人の姿がいつまでも残り、
DVDを消してから大泣き。
日本が戦争をやめてよかった。
罪の無い子供が、
計り知れない重い哀しみを背負ったまま、
ただ衰弱して死んでいく。
いまだに戦争を止めない国があるのは悲しくて、涙が止まらない。
ブッシュはこの映画を見たことあるのかな。

【百先生「東京焼盡」、その年の8月18日の日記より】
何しろ済んだことは仕方がない。「出なおし遣りなおし新規まきなおし」非常な苦難に遭って新しい日本の芽が新しく出てくるに違いない。濡れて行く旅人の間からはるる野路の村雨で、もうお天気はよくなるだろう。


クリント・イーストウッド『ミリオンダラーベイビー』

2005年07月06日 | 映画の話(ネタばれ)
人を愛すること、人をわかろうと努力することを、
真っ向から描いた映画。打ちのめされる。
物語の前半は、誰にでも起こりうる奇跡を描いたエンターテインメント。
すべてにリアリティをつきつめていて、無駄は一つもない。
フランキー(イーストウッド)と
スクラップ(モーガン・フリーマン)のやりとりに笑っちゃったり。
一見仲のよさそうな二人だけど、
スクラップがマギー(ヒラリー・スワンク)をお茶に誘うシーンで、
二人の男の果てしない孤独に気づかされる。
「あたしにはこれが楽しいの」というマギーが、
フランキーがくれた名前「モ・クシュラ」の声援を受けてタイトル戦に挑み、
勝っても負けてもそこで感動して終わるはずだった。

けれど、「感動」といういつも使う言葉では足りない、
真実の感動が、その先にある。
他人の痛みを本当に感じることはできないけれど、
その痛みをわかろうと努めることは、本当に痛い。
それは愛することにほかならない。

フランクは、恐ろしい選択を迫られる。
もし実行すれば、
「深淵に落ちて、永遠に自分を見失うだろう」と神父にいわれる。
それでも彼は実行する。
マギーの生き様を守るために。
その先の自分は、マギーが教えてくれた。
「これが終わったら、
あなたはどこかでレモンパイを食べながら本を読んでる」。
フランクがマギーをわかろうとしたように、
マギーもフランクのことをわかろうとしていたのだ。

モ・クシュラの意味を明かすシーン、
キスシーン、ラストのコーヒー屋のシーン、
思い出しただけで涙。一生忘れないと思う。

イエイツを読み、レモンパイが好きな、
ボクシングトレーナーのイーストウッドは、
ダメな部分がありつつも、
己の生き様があってかっこいい。
誰も撮りたくないような、
誰も観たくないような、
観てて苦しくなる映画を撮り続けてるのもかっこいい。
70歳にして、最初から最後まで血まみれ、
汗まみれの映画を撮り、
観てる人を涙まみれにするイーストウッドはかっこいい。
音楽も自分で作っちゃってかっこいい。
イーストウッドは、
今世紀最高にかっこいいといっても過言ではない。
ヒラリー・スワンクは、
濃いおじさん二人にひけをとらない存在感。
モーガン・フリーマンの演技もすごく自然で、
あのジムにずっと前から住んでる人意外の何者にも見えない。

心臓をつかまれて揺さぶられるような、
こんなに痛いラブストーリーは、
武の『Doll』以来かな。
帰りにクイーンアリスのレモンパイを買って帰り、
家に帰って食べてる間、映画を思い出して上の空。

コーヒー&シガレッツ

2005年05月26日 | 映画の話(ネタばれ)

雨雲はどこかに消え、晴れて爽やかな風が吹く水曜日。
Tちゃんと千歳烏山駅で待ち合わせ、取材は5時に終わってNR。
携帯を忘れたので駅の公衆電話でアポとりつつ、M駅へ。

スタバのテラスでコーヒー(ショートドリップ)&シガレッツ。
水曜日はレディースデーで映画1000円の日なので、
何か見ようということに。
時間があったのでCんちに寄り、今週の内Pビデオ。
今週は月曜日にあいのりの後で内Pを見、
火曜日にダーがビデオに撮った内Pを見てたので一緒に見、
さらに水曜日にCんちで内Pのビデオを見させられ、
月~水と同じ内Pを見てる、部分的にだけど。
大竹が三村の車で汁気のある麺類を食べたり、
爪を切ったりしたら、三村はどんな反応を見せるか? 
というドッキリ企画で、
三村は全く気にしないでエロ本読んでたり、つきあいでつっこんだり。
この企画での二人の仲良しぶりが、私とCそっくりだと思ってたら、
Cもそう思いながら見てたらしい。
「あんたって三村に似てるもんね~」と、軽く流すつもりでいうと、
「あ? それ言ったね? じゃあいわせてもらうけど、
あんた大竹に似てるよね。車の乗り方そっくりじゃん」
と細かく検証し出した。
「もういいよ! さまぁ~ず好きだけど、似てなくていいから」
「じゃあ、あいのり見る?」「いや、いい」

できるだけ近寄りたくない渋谷にまたしても行き、
シネセゾンのレイトショー。

ジム・ジャームッシュ『コーヒー&シガレッツ

カフェでおしゃべりしながら、コーヒー飲んで、タバコを吸う11本の短編。
モノクロ。11本、すべて面白くて、最高。
ベニーニ。いいなぁ。このダメかげん。
歯医者くらい黙って行けよ、おっさん。
双子。息がぴったりで微笑ましい。
ブシェミのうざい店員ぶりも最高。ブシェミ声高! コーヒーまずそう。
トム・ウェイツのゴリラっぷり。イギーが乙女に見えた。
トム・ウェイツがタバコを吸い出したシーンは
あんまりおかしくて「ンーフ」と笑ってしまった。
イタリアンレストランで、老人二人とバカ息子。
コーヒーとタバコの至福のひとときは、誰にでも平等にある時間。
コーヒーとタバコじゃ身体に悪いけどね。
男ばかりの3本の短編の後で、一人でお茶する女が出てくる。
ルネ・フレンチという女優で、ものすごく綺麗。
鼻から煙出してても、とてつもなく綺麗。
よくいるボーイとのやりとりも綺麗、最高。
「NO PLOBLEM」というブラダ二人の短編は、
眼鏡のブラダがかっこいい。いい顔。Everything is alright.
ケイト・ブランシェットの2役はすごい演技力。
わかってても同じ人に見えない。
ケイト本人役の隙のないセレブっぷり、嫌味なほどに。
研究者カップルも面白かった。何だあの機械。
クーガーのやらしい感じは有田っぽいものがあった。
そしてウータン・クランのブラダ2人、超~イケテル。
ビル・マーレーも超笑える。
最後の短編は、佇まいだけで泣けてきて、
エンドロールで涙が止まらない。最高。
コーヒー最高、タバコ最高、ジャームッシュ最高。
「僕は時間によって変化するよりもむしろ、
変わらないことの方を考える」と監督がいうとおり、
どの短編も、いつもどこかにありそうな、カフェの風景。
一人でも、二人でも、コーヒーと煙草の至福のひとときを、
これからもずっと、お婆さんになっても楽しみたいな。

俳優たちがおいしそうにタバコを吸うので
観てたらタバコを吸いたくなり、
映画の後ロビーでさっそくタバコを吸おうとしたらライターがない。
Cも車に置いてきたというので、誰かに火を借りようとしたけれど、
タバコを吸ってる人が見当たらない。
ちょっと待ってると、ギャルなお姉ちゃんが
タバコに火をつけたので借りる。
爪もライターもラメギラギラ、一人で観てたのかな。

帰り道は映画のシーン一つ一つをつぶさに思い出しながら帰った。
十六夜の大きな月が出ていた。
天文年鑑によると、今の月は「最近」らしい。