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なぎのあとさき

日記です。

LOFT

2006年10月11日 | 映画の話(ネタばれ)
近くの川にいつもいるシラサギちゃん。

よく見つけたな~っていう古びた洋館。
あの家に女ひとりで住むなんて、
まずありえないけど、
あんな洋館ではあんなことが起こってそう、
ってとこがリアル。
その洋館のたたずまい、
周りの緑、霧立ち上る湖はきれい。
怖い映画は苦手なので、
びくびくしっぱなしでかなり疲れたけど、
安達祐美がかわいいので助かった。
中谷美紀も、自然な表情がよかったし、
トヨエツは、シルエットが独特で、
ヒキの絵によくはまる。
男女が出会って、
ヒッチコックの映画みたいに、
二人で苦難を乗り越えるのか???と思いきや、
ずううううん、ということが繰り返されるので、
しまいには可笑しくなった。
キャッチコピーにラブストーリーなんて書いてあったけど、
むしろラブストーリーなんて幻想!という感じも。
黒沢氏の映画のキャッチコピーは、
ハンター×ハンターの次号予告くらいあてにできない。
説明不能。自分で見ないと。

溝口2本

2006年10月01日 | 映画の話(ネタばれ)
「雪夫人絵図」
夫人(小暮美千代)が持て余すホルモンが、
ストーリーを導いて、というか逸脱させて、
東京の不吉なまでに暗い空や
芦ノ湖の気のたちこめる景色は、
夫人のあり余るホルモンそのもののようで、
ぞくぞくするほど色っぽい。

「雨月物語」
光の白さがこんなに美しいのは、
影が黒いからで、
他の色を視覚は求めない。
モノクロのよさを、
ここまで活かした監督って他にいるのかな。
川を渡るシーン、怪しい女、
その女と過ごすシーンは特にうっとり。

祇園囃子

2006年09月15日 | 映画の話(ネタばれ)
ダーが夜中の3時すぎに帰ってきて、
忙しすぎて今日何も食べてない、とゆうので、
これからおにぎりを作って持たせようと思う。
鐘前だわ、雨だわ寒いわでテンションがどんどん下がり、
夜中一人でいたらつい世界の終わりの方まで行ってしまい、
今日の夜は寂しかった!と思わず泣くと、
ビーがぬうっと現われてダーと私の間に割って入り、
ふだんは自分から膝には来ないのに、
ダーの膝にデーンと上がって、
ダーの腕に顎をむりむり乗せて寝始めるのを見て、
なんだか泣くのがアホらしくなった。

次の日、夕方コハルと恵比寿で待ち合わせて、
みぞけん「祇園囃子」。
小暮美千代が、すばらしくいい女っぷりを見せてくれる。
着物姿、身のこなし、話し方、そして何より心の美しさ。
ラストの部屋のシーンで、
家族愛とも、友情とも違う栄子への想いにほろり。
祇園の町並、小道具や帯の柄までいい風情。
男どもは揃ってろくでもなかった。

映画の後は、カフェのテラスでしばらく余韻にひたる。
ぱらりと、枯葉が降ってきた。
コハルと私はごり押しのサンダルで出かけたけど、
街ゆく人はもう完全に秋の装い。
三茶で買い物して、砧公園を少し歩いて、
石畳の階段で一服。
秋の虫の声が、木の上から聞こえてくる。

夜、鯵の干物をテーブルに出すと、
ビーと殿が左右から顔を近づけてくるのを、
片手で制しながら食べる。
余ってたもやしと豚肉とニラを適当に炒めたおかずを、
ダーはやたら美味しそうに食べていた。

2006年09月12日 | 映画の話(ネタばれ)
夜中、すごい雷、大雨。
雷が光るとモンチは、
窓の外の空を見上げていた。
ビーや殿も、雷の音がすると、はっと外を見る。

私も鐘前のせいか低気圧のせいか、
歯の付け根がうずうずしてイライラして眠れず、
「トーク・トゥ・ハー」を見る。
映画館とかの街の建物や、
部屋、病院の中まで、
色とりどりで鮮やかできれい。
闘牛、変な劇、カエターノの歌(ククルクトゥ~)。
主人公の、禿の男の人が素敵。
闘牛士もバレリーナも看護婦も美人。
見ていたら奥歯のうずうずもイライラもおさまった。

雷が遠ざかり、雨が止み、
夜が明ける頃には空は晴れ、
薄い青の空が、山吹色の朝焼けに染まった。
猫たちもよく眠れなかったらしく、
次の日は晩御飯タイムも忘れて、
みんなよく眠っていた。
ビーはムームーいびきをかいて。

日曜日

2006年09月12日 | 映画の話(ネタばれ)
虫の多い季節、
網戸にはりついて虫を見るモンチ。

河原に出ると、まだ小虫が多い。
ダーが一匹パチンとやると、
さらにいっぱい寄ってきた。
花火の時に刈り取られた雑草は、
もう私の背より高く茂って、
ススキの穂が顔を出さんとしていた。
中州は葛に覆われるなか、
背の高い黄色の花が咲いている。

川では小さい魚がぴんぴん跳ねていて、
小虫を食べてるらしい。
釣り人の話だと、モロコ。
鴨たちは石の上でうずくまって休んでいた。
快晴で、西の空に雲が少し。夕焼けを眺めて、
本屋でワンピ、スタバでアイスホワイトモカ、
地下で晩ご飯買って帰る。

ヴェンダース「アメリカの友人」
額縁職人の主人公が、
不治の病につけこまれて、
ギャングに仕事をさせられる、
やるせない話。
ニコラス・レイ、サミュエル・フラーの、
怪しい爺さんぶりも味わい深い。
パリのメトロのシーンも面白かったけど、
ミュンヘンの電車でも、
あー、何やってんのこの人!
ってとこで現れるデニス・ホッパーかっこいい。
車が海へ行くシーン、よかった。

マッチ・ポイント

2006年09月09日 | 映画の話(ネタばれ)
チャリをとばして郵便局まで行ったけど、
支払いは間に合わず。閉めるの早すぎ。

コハルが来る途中に見たという、
サルスベリをわざわざ見に行ってみると、
生産緑地に白のサルスベリが何本か植えてあった。
樹形も花つきもいい。
今年咲き出すのが遅かったサルスベリは、今が満開。
夕暮れの空をバックに咲く白い花は、
触るとふわふわ。
ピンクの大木もあった。

恵比寿に移動、
アフタヌーンティーであわただしくお茶して、
ウッディ・アレン「マッチ・ポイント」。
テンポよく楽しめる、いい映画だった。
イギリスの上流社会が奏でる鼻持ちならない空気が、
スカーレット・ヨハンソンの登場とともに一変。
期待してた以上に。
全編通して流れるオペラが、
主人公の男の心にかぶって凄い。
後半はドキドキもんで面白かった。
主人公の男、セレブ娘と結婚した時点で興ざめ。

ガーデンシネマの喫煙所が、
なくなってしまうらしい。
オープン以来愛用してた場所なのに。
ナンセンス。

外に出ると、ウエンスティンホテルの上に満月。
曇っていたので見れそうもないと思ってた中秋の名月が、
雲の隙間からちょうど出てきたところだった。
側にいた外国人、「prity cool!」

雄三と健二

2006年09月01日 | 映画の話(ネタばれ)
「女は二度生まれる」
CSで川島雄三の特集をやっている。
当たり外れのある監督みたいだけど、
この映画は、文句なしに楽しかった。

はじめの方、
路地裏でアイスを買うあたりのシーンは、
夏っぽくていい。
神社で男をつけたり、
寿司屋で板をナンパしたり、
映画館で高校生を連れ去ったり、
見事な手腕、軽快で楽しくっていい。
でも、相手を決めずに恋愛に生きるのは、
実は一人で生きていくことと同じで、
ときどきたった一人、
人生と向き合うことになる。
そんなときも、悲愴的にはならずに、
むしろ過去なんかさっさと人にあげちゃって、
一人でたたずむ終わりのシーンは、
粋で晴れやかで開放的でよかった。

「赤線地帯」
今年は溝口生誕50年。
CSの次はBSでも特集が始まった。

にしても、日本にしてもヨーロッパにしても、
娼婦の映画って多い。
折り返しの後はあまり見る気がしないけど、
鐘後はすんなり見ることができる。

同じ家にいて、それぞれの哀しみを背負っていても、
生き方は一人一人全然違う女たち。
一人の女が家を出て行くとき、
餞別をわたすシーンでは、
プレゼントにそれぞれの生き方が出てて面白い。

男は女を食いもんにするやつ、
依存するやつ、いいなりになるやつなど、
ろくなのが出てこない。

最初にかかるテーマ曲がなんかすごい。
恐怖に近い不安をかきたてるようで、
この映画にぴったりの音。

昔ユーロスペースで、
お昼ごはんを食べながら観た記憶がある。

ゲームの規則

2006年08月04日 | 映画の話(ネタばれ)
ゲウムは7月の半ばに一斉に咲いた。
長梅雨にも負けず、葉っぱは元気そうで、丈夫。

ジャン・ルノワールの「ゲームの規則」を見る。
出てくる誰もが恋のことしか考えていない、
楽しい映画。
見てるあいだも、見終わった後も、
なんだかにやにや笑いがとまらなかった。

ミツバチのささやき

2006年07月25日 | 映画の話(ネタばれ)
銀座にお出かけ。
帝国ホテル前の駐車場に車をとめて、
シャンテへ。
電話で、「駐車場がなくて申し訳ありませんが、
その分リニューアルに力を入れていますので」
といってたそうだけど、
4階に行くと何も変わったところはなかった。

外に出て噴水前で一服して、
お水を買って映画館へ。
電話で、「空いております」といってたそうだけど、
最前列までほぼ満席。

「ミツバチのささやき」
見たのは十年以上前。
印象的なシーンはよく覚えてたけど、
もう一度しっかり見ることができて幸せ。

暗い部屋で、
女の子が床に座ってるシーンや、
廃墟の中のシーンは、
本当に暗いから、
家のテレビでなく、
映画館で見れてよかった。

鳥肌のたつシーンが多くて、
好きなシーンをあげればきりがない。
ラストは、百先生風にいえば「総毛立った」。

前に見たときはそれほど印象に残らなかった、
アナのママも今回は印象的だった。
アナがいなくなったところで、
ビーの家出を思い出した。

電車が走ってくるシーンや、
イザベルが倒れてるシーン、
黒猫とふざけるイザベルのシーンの、
不吉なまでのドキドキ感。
生と死、乾いた藁、風、血。
どくキノコ、フランケンシュタイン。

見終わった後は会話もできず、
しばらく呆けていた。

最近録画で観た映画

2006年07月21日 | 映画の話(ネタばれ)
ポンヌフの恋人(2回目)

パリの美しい部分も、醜い部分も見ることができる。

過剰な娯楽や、情報がないところでは、
こんな研ぎ澄まされた恋愛、
恋人との会話ができるのかも。

HDDレコーダーだのCATVだのパソコンだの、
いろいろあって退屈しない生活からは、
なかなかあんな動きも言葉も出てこない。
そういうモノがない生活も、悪くないのだ。

アレックスが「仕事」してるシーン、
メトロを走りまわってセロ弾きを追っ払うシーン、
ポスターを焼くシーンはやっぱりかっこいい。
夢に導かれて、ミシェルが戻ってくるのもなんかいい。

ストレンジャー・ザン・パラダイス(何気に初めて)

ギャンブラーのパータレぶりが、
俗世間に少しだけ気分を呼び戻した。
主人公の親友がなんかよかった。
4人で映画観てるときの、楽しそうな顔とか。

回路(2回目)

変な動きが面白くて、
もっと何度も同じようなシーンがあったような気がしたけど、
同じ演出は1度しかやっていない。
麻生さん演じるヒロインみたいに、
自分と他人を区別しないで生きていきたいもの。

猛暑の朝イチ、
ひやりとさせてくれる映画だ。

トリコロール 青の愛(初めて)

愛とは寛大で、許すもの。
愛と、孤独な美しい魂を持つ彼女自身が、
芸術家であることは間違いない。

パリに行ったとき、外から眺めるだけだったアパルトマンや、
ピガールのシテ通りのいかがわしいお店の、
内側を見ることができた。

Roots Rock Reggae

2006年06月17日 | 映画の話(ネタばれ)
雨の渋谷、シアターNへ。
もとユーロスペースで、
館内は何も変わっていない。
最前列で見る。

ジャメイカを感じる54分、
ボーッとしていてあっとゆうま。
リー・ペリーの機材さばきは神業。

字幕で見る歌詞は、
暗くて重い。
けれど、聴こえてくる音楽は、
美しくて、気持ちがいい。

見終わってから、
「観た事あったね」
「うん」
「うちにDVDあるよ」

broken flowers

2006年06月05日 | 映画の話(ネタばれ)
(まだ5月の日記)

雨の土曜日、
109でチケットを買ってシネマライズ、
と渋谷ど真ん中コース。
雨でも人だらけ、
空気はほんのりドブ臭い。
でもジャームッシュのためなら!

仕事帰りのダーと、現地で待ち合わせ。
開演前、ロビーでゆっくり煙草吸いながら、
こんなとき私とダーは、
ほかのどのカップルより
ペラペラよくしゃべっている。
何を話してたのか全く覚えてないけど。

broken flowers

なーんにもないんだけど、
リアリティーがあって、
おかしくて笑って、
ちょっとサスペンスで、
いくつかのシーンと温かさが心に残る、
これはもう、好きな映画。

動物と話せるようになった女性の家の猫が、
すっごく可愛かった。
目を細めて、客を見る顔が、
かちこそう!

すれ違う他人が、
なんとなく怪しい、
という目線も面白かった。

女優はみなぴったりの役で魅力的。
ビル・マーレーも「盛りをすぎた女たらし」役がぴったり。
皆、ずっとそこで生きてるようなリアリティー。
ビルの見る夢が、リアリティーをさらに濃くする。

サントラ欲しいな、と思う映画は久しぶり。
ビルが部屋で一人で聞いてるオペラもよかったし、
相棒が作ったCDのアフリカ音楽も、よかった。

生けたばかりのバラの花はきれいで、
花びらがぼたぼたと散ったバラの花もきれい。

帰り、駅前のビルの上で軽くごはん。
鯛のカルパッチョ、サーモンとホタテのタルタル、
もずくとハマグリのスープ、美味しい。
駅に向かう傘の群れは、
いつまでも途切れない。

ウォレスとグルミット

2006年05月09日 | 映画の話(ネタばれ)





GW、私は4日から、
ダーは3日から休み。
3日は仕事の後で、
散髪帰りのダーと待ちあわせて、
文琳で中華のコース。
薄着で行ったので帰り道は寒かった。

4日は渋谷へ。
裏渋谷でささっと用事を済ませるつもりが、
渋谷ド真ん中の109で前売りを買い、
明治通りの映画館に行くと上映館が違っていて、
結局は明治通り~文化村までぐるっと歩き、
渋谷をほぼ1周。不本意にも。

でも、気候が最高にいいのと、
ズッカワンピにnewサンダルのおかげで、
渋谷散歩も楽しかった。

喉が渇いてシネアミューズのカフェでお茶。
整理券をもらって外に出るつもりが、
カフェの居心地が思いのほかよくて、
開演までのんびりアイスティ。

「ウォレスとグルミット」は、
まるでスター・ウォーズな、
めくるめく高速CGアクション。
グルミットがかっこいいシーンが
多くてよかった。かちこくて犬の鏡。
大事に育てた野菜を…のシーンは涙もの。
ウォレスはますますダメ夫だったけど、
グルミットを我を忘れて助けるとこはよかった。
ウォレス化したウサギの、まぬけ面がおかしかった。
最後の方、展開がかなりいいかげん。
楽しかったからいいけどね。

チーズホリデーで、
ロボットがスキーを想像したり、
月をチーズみたいに食べちゃったり、みたいな、
CGに頼らない手作りならではのトキメキが、
なかったような気もするけど。

ぷるぷるふるえるウサギたちは、
モンチっぽかった。

帰り、電気屋で、ついに液晶テレビ購入。


「ヒストリー・オブ・バイオレンス」

2006年04月30日 | 映画の話(ネタばれ)

Cが半月遅れでやっと鐘が鳴り、
久々に足並みが揃った。
新宿で仕事を終えて、明るいうちに品川へ。
二人揃ってがらんごろん大音響だけど、
こんな日こそ、クローネンバーグ。

面白かった! ゾクゾクしっぱなし。
役者一人ひとりが見どころ満載で、
特に悪役の悪そうな感じ、エド・ハリスの「ジョーイ」
銃撃・アクションとも洗練されててよし。
単純明快なストーリーで愛が描かれる。
階段でのセックスは、稀に見るセクシーさ。
トムと息子のつながりも自然な感じ。
見たくないような暴力は一切なし、
ラストはほんのりいいシーンで、
見終えた後は爽快感。

最初から血ドバァーなシーンがあったけど、
鐘中なので血が身近で、
見ている間は鐘がむしろ心地いいくらいで、
絶妙なコラボレーション。
見終わると再び、二人して大音響。

エンドロールが終わって振り返ると、
お客さんはほかに3組くらいだけ、
皆暴力とは縁遠い穏やかな表情。
映画でかっこいいバイオレンスを見てる人は、
世間のチンケな暴力から縁遠い人だと思う。