クエン酸とはレモンなどの柑橘類や酢などに含まれる、爽快感のある酸味成分のことです。実は、このクエン酸は私たちの身体のエネルギー生成や疲労回復に重要な働きをしているのです。学校で習った栄養素では「炭水化物、タンパク質、脂肪はエネルギー源となる栄養素」と教えられたハズです。では、どのようにしてエネルギーに変わるのでしょうか。
まず、これらの栄養素が身体に取り込まれますと、様々な過程を経て分解されアセチルCoA(活性酢酸)という物質になります(図1)。これとオキサロ酢酸が結合するとクエン酸になります。このクエン酸はこの後、7種類の酸に姿を変えて再びクエン酸に戻る、というプロセスを繰り返します。この循環を「クエン酸サイクル」と言い、この中で作り出されるのが体内の細胞が活動するエネルギーとなる「ATP(アデノシン3リン酸)」という物質なのです。