密教 その世界観

日本において空海がそれをなした。
仏陀の根本仏教の第二次復 者としてこの空海の仏教復興も、鎌倉時代にいたって、ふたたび大乗仏教教団にとってかわられてした。歴史的にいうなら、これは仏教の後退である。なぜなら、r法華経」『無量寿届』とする在家仏教教団にとってかわられてしまったからである。以来、密教は傍流におしゃられ,
大衆部系の位置に甘んじたまま
今日にいたった。
それは重ねていうが、
決して仏陀の正統な仏教とはいえない。
修行法な欠落した
日本仏教の主流は鎌倉仏教であり、
現在、
典をよりどころにした仏教である。
仏陀の修行法を中心に編成された密教が、いまこそ出現しなければならある。
第三次仏教復興運動としての密教の登場を、叫んでいるのである。密教が仏教の主流になることが仏教史的にいっても正しいのである。


とはいえ、決して大乗仏教をいたずらに批難,しているのではない
唯一の欠点は修行法を欠落していることである。しかしそれは密教にある。密教の行法 ある。
仏教はとり入れればよいのである。そうしてそれはすでに上代において、賢明なる中観派、瑜伽
識派の大先輩たちがなしていることをひとびとは知らねばならない。
なわち、
法華経の教義に密教の修行法をとり入れて成ったのが『大日経』であり、胎蔵界
の法」である。
『華踜経』
の思想に密教の修行法をとり入れて成ったのが『金剛界」であり、「金剛界の法」
である。
たいへん大雑把ないいかただが、これは決して間逢いではないと確信する。
密教の法を中心に、大乗の教えがあまねく上全土にひろ ってゆくすがたこそ、仏陀説のまことのありかたであり、それが娑婆即浄土の実現である。