暑さ寒さも彼岸まで。この2~3日の間に本当に涼しくなってきました。
お彼岸の入り、台風15号が猛威を振るった21日・水曜日。
横浜は神奈川芸術劇場に人間国宝野村万作、萬斎さまの三番叟を観に行ってきました。
「翁」という儀礼曲のなかで狂言方が舞うのが三番叟。
古典芸能の中で神事としても最も重い曲として扱われる神聖な古曲であり
その源は天照大神の天岩戸伝説の頃まで遡ると言われている。
いわば日本の古典芸能の真髄、究極の舞とも言えるのです。(一部参考文より抜粋)
予定より10分遅れの19:10、万作さんの三番叟が始まりました。
緊張で静まり返った会場。観客は皆息を止めてるんじゃないかと思うほどです。
舞台奥に伸びる橋掛かりから、先頭に面箱を持った「千歳」の深田さん、
続いて万作さん、囃子方、地謡の順に一列に入り、
あまりの静粛さで歩を進めるたびに千歳と翁の衣のすれる音が聞こえてくるほどです。
舞台上は上手に千歳、下手に三番叟、正面に囃し方、後方に地謡の配置。
背景には今回この公演をコラボをしている写真家の杉本博司さんの作品である
影絵のような松林の写真、普段の舞台の松羽目とはまた違った趣です。
笛が始り、浅葱色に鶴の絵柄の装束を纏った深田さんの「千歳」はそれは力強く、
すでに三番叟踏んでいるんじゃないかと思ってしまうほどすごい迫力。
そして薄緑地に若松柄の装束を纏われた万作さん、なんというか以前観た萬斎さまの
三番叟のイメージとはまた違い、老練の流れるようなしなやかな舞。
傘寿を迎えられるとは思えぬ動きと声、烏跳びも跳ぶ!いゃ~、すごいの一言です。
でも揉の段から鈴の段に変わる時はさすがに息が上がって苦しそうな息遣いが客席まで
聞こえてきて、ちょっと心配になってしまいました。
そして大鼓 亀井忠雄さん(人間国宝)との間合いというのでしょうか、
音と動きの連動の素晴らしさ、どう表現してよいのか・・・
勉強不足経験不足ボキャブラ不足の私には悲しいかな「流石です。」
という言葉しかでてきません。すみません
第一部が終わり、20分間の休憩
そしていよいよ萬斎さまの三番叟!
背景はがらりと変わり、舞台の天井から木の根のような(高麗人参かと思った(^^;)
雷(いかずち)が染め抜かれた幔幕が下げられていました。
萬斎さまも幔幕と合わせた濃紺地に雷が染め抜かれた装束。
なんだかいつもと違ったハードな雰囲気でしたが、まぁ、どんな柄物を召されても素敵なのです
プログラムには「橋掛之舞」と「子宝」と書かれており、「千歳」(高野和憲さん)
の舞は無くいきなり揉の段から入りました。
(太鼓は万作さんの時の亀井忠雄さんの息子さんで広忠さん・
舞と大鼓、親子競演ですね)
萬斎さまの舞は力強くメリハリがあり、美しい。
足拍子を踏む音は振動となって伝わってくるような迫力。
そして萬斎さまのそれに合わせて上から吊るされた幔幕の雷が光る仕掛けが
なされており、ちょっとびっくりしました。
迫力の揉の段、種を蒔き、大地を踏みしめ五穀豊穣を願う意味があるという
鈴の段が終り、再び張り詰めた緊張感が会場に漂います。
面と鈴を面箱に戻すところで、面を外す時に頭の後ろで
結ばれた紐を解く萬斎さまの手があまりにも白くて綺麗で、
思わずうっとり見入ってしまいました。
面と鈴が面箱に戻されると登場の時と同じ順に橋掛かりの奥に一同戻って行き、
これにて終了。
(もう終り?、という印象)
一日に二回も、しかも野村家最強の三番叟を見られる機会などそうそう無く、
まさに劇場は「パワースポット」状態?
そのお陰か21:00過ぎ、劇場の外に出るとまだ風は強かったけれど雨も止み、
帰りの電車も通常運行されていて
午後から出かけたにもかかわらず雨にも濡れず、電車の遅れも無く、
席も思ったより舞台に近く、萬斎さまに見つめられ(妄想)、
帰りの電車もちゃっかり座れて無事帰途に着いたのでした。
一緒に行った友人の、初めて観た三番叟の感想は「すごいフラメンコを観た後の感動と似ている。」とのことで
確かに世界の歴史ある舞踏に通ずるものがあるのかもしれません。
私はというと、萬斎さまの美しくも迫力の三番叟で、脳内が満足しすぎてしまったのか
信じられないことに次の日の夕方までお腹が減らない!
という普段の私にはありえない状態に
「萬斎ダイエット」・・・いけるかも
それにしても・・・やっぱり萬斎さまは素敵すぎる・・・来月も楽しみだな~
お彼岸の入り、台風15号が猛威を振るった21日・水曜日。
横浜は神奈川芸術劇場に人間国宝野村万作、萬斎さまの三番叟を観に行ってきました。
「翁」という儀礼曲のなかで狂言方が舞うのが三番叟。
古典芸能の中で神事としても最も重い曲として扱われる神聖な古曲であり
その源は天照大神の天岩戸伝説の頃まで遡ると言われている。
いわば日本の古典芸能の真髄、究極の舞とも言えるのです。(一部参考文より抜粋)
予定より10分遅れの19:10、万作さんの三番叟が始まりました。
緊張で静まり返った会場。観客は皆息を止めてるんじゃないかと思うほどです。
舞台奥に伸びる橋掛かりから、先頭に面箱を持った「千歳」の深田さん、
続いて万作さん、囃子方、地謡の順に一列に入り、
あまりの静粛さで歩を進めるたびに千歳と翁の衣のすれる音が聞こえてくるほどです。
舞台上は上手に千歳、下手に三番叟、正面に囃し方、後方に地謡の配置。
背景には今回この公演をコラボをしている写真家の杉本博司さんの作品である
影絵のような松林の写真、普段の舞台の松羽目とはまた違った趣です。
笛が始り、浅葱色に鶴の絵柄の装束を纏った深田さんの「千歳」はそれは力強く、
すでに三番叟踏んでいるんじゃないかと思ってしまうほどすごい迫力。
そして薄緑地に若松柄の装束を纏われた万作さん、なんというか以前観た萬斎さまの
三番叟のイメージとはまた違い、老練の流れるようなしなやかな舞。
傘寿を迎えられるとは思えぬ動きと声、烏跳びも跳ぶ!いゃ~、すごいの一言です。
でも揉の段から鈴の段に変わる時はさすがに息が上がって苦しそうな息遣いが客席まで
聞こえてきて、ちょっと心配になってしまいました。
そして大鼓 亀井忠雄さん(人間国宝)との間合いというのでしょうか、
音と動きの連動の素晴らしさ、どう表現してよいのか・・・
勉強不足経験不足ボキャブラ不足の私には悲しいかな「流石です。」
という言葉しかでてきません。すみません
第一部が終わり、20分間の休憩
そしていよいよ萬斎さまの三番叟!
背景はがらりと変わり、舞台の天井から木の根のような(高麗人参かと思った(^^;)
雷(いかずち)が染め抜かれた幔幕が下げられていました。
萬斎さまも幔幕と合わせた濃紺地に雷が染め抜かれた装束。
なんだかいつもと違ったハードな雰囲気でしたが、まぁ、どんな柄物を召されても素敵なのです
プログラムには「橋掛之舞」と「子宝」と書かれており、「千歳」(高野和憲さん)
の舞は無くいきなり揉の段から入りました。
(太鼓は万作さんの時の亀井忠雄さんの息子さんで広忠さん・
舞と大鼓、親子競演ですね)
萬斎さまの舞は力強くメリハリがあり、美しい。
足拍子を踏む音は振動となって伝わってくるような迫力。
そして萬斎さまのそれに合わせて上から吊るされた幔幕の雷が光る仕掛けが
なされており、ちょっとびっくりしました。
迫力の揉の段、種を蒔き、大地を踏みしめ五穀豊穣を願う意味があるという
鈴の段が終り、再び張り詰めた緊張感が会場に漂います。
面と鈴を面箱に戻すところで、面を外す時に頭の後ろで
結ばれた紐を解く萬斎さまの手があまりにも白くて綺麗で、
思わずうっとり見入ってしまいました。
面と鈴が面箱に戻されると登場の時と同じ順に橋掛かりの奥に一同戻って行き、
これにて終了。
(もう終り?、という印象)
一日に二回も、しかも野村家最強の三番叟を見られる機会などそうそう無く、
まさに劇場は「パワースポット」状態?
そのお陰か21:00過ぎ、劇場の外に出るとまだ風は強かったけれど雨も止み、
帰りの電車も通常運行されていて
午後から出かけたにもかかわらず雨にも濡れず、電車の遅れも無く、
席も思ったより舞台に近く、萬斎さまに見つめられ(妄想)、
帰りの電車もちゃっかり座れて無事帰途に着いたのでした。
一緒に行った友人の、初めて観た三番叟の感想は「すごいフラメンコを観た後の感動と似ている。」とのことで
確かに世界の歴史ある舞踏に通ずるものがあるのかもしれません。
私はというと、萬斎さまの美しくも迫力の三番叟で、脳内が満足しすぎてしまったのか
信じられないことに次の日の夕方までお腹が減らない!
という普段の私にはありえない状態に
「萬斎ダイエット」・・・いけるかも
それにしても・・・やっぱり萬斎さまは素敵すぎる・・・来月も楽しみだな~