ラルフの日記

お星様になったゴールデンのラルフと昨年お空にいってしまったピレのルーク☆
そして現在、3代目のピレ、エルモの毎日です☆

ー 敦 ー 山月記・名人伝 を観る

2015年06月16日 15時19分20秒 | 萬斎
6月14日(日) 
萬斎さまと野村一門が演ずる「敦~山月記・名人伝~」をいつものYちゃん、うにまいすさんと
観に行ってきました。

中島 敦の「山月記」と「名人伝」、うにまいすさんは高校の国語の授業でやったとの
ことでしたが、私はうーーーーーん、やったかもしれない、でも覚えてない~・笑 


数年前の再演のあと、(今回で再々演)萬斎さまが中島敦のことを熱く語っていたので
その時に原作は読んだのだけれど、ほとんど内容を忘れていて、お芝居を観ながらところどころ
「あ、そうそう。このあとこうなるんだよね。」という感じで思い出しながら観ていました。
そして思い出したことがもうひとつ、前回この3人で藪原の再演を観に行ったとき、
Yちゃんとうにまいすさんの隣の席に座ったご婦人に舞台終わりにふたりが話しかけられたのですが、
「敦・・・」をそれは熱く語られ、
Yちゃんとうにまいすさんはなかなか席を離れられなかったということがありました・笑

念願の「-敦-山月記・名人伝」観ることができて本当によかった!
内容は書くと長くなっちゃいそうなので書きませんが
面白そうと思っていた以上に面白かった
うにまいすさん、良いお席(前から2列目!)を取っていただいてありがとうございました

それにしても、いつ見てもステキな萬斎さまですが・・今回もとってもステキだったな~

やっぱり目と心の保養は大事だわ~











こまつ座  藪原検校 を観る。

2015年03月13日 18時02分18秒 | 萬斎
3月11日(水)、今年初の萬斎観劇は世田谷パブリックシアターにて「藪原検校」(再演)を観てきました。
今回もご一緒したのはゴル仲間であって萬斎好きのユキちゃんとうにまいすさん

2012年6月の初演のときももちろん観ていますが、今回は萬斎さま演じる「杉の市」以外の俳優陣は全員変わり、
2回目なのでストーリーも登場人物の心情もよくわかって
面白く観ることができました。

メインキャストでは杉の市の最初の師匠の妻で杉の市をおいかける「お市」に中越典子さん。

語り手役の盲太夫に山西 惇さん、とテレビドラマでもよく見かける俳優女優さんたち。

内容は長いしちょっとアレなので・笑。
そして今回も萬斎さまの「早物語」は圧巻!
多少アレンジも入っていましたが、あの長い長い台詞をよく覚えられるものです。さすが萬斎さま
前回もあったけど、語り手役(前回は浅野和之さん)とギターの千葉さんのおにぎりタイムは相変わらず面白かった~

それにしても藪原検校ではチケット運があるらしく、初演も今回も最前列
去年は舞台も狂言も、どうもいい席が取れなかったけど今年は幸先いいぞー





萬斎杉の市はピカレスクだけど、いちばんの腹黒ワルは塙 保己市?  と思う 



藪原検校」作   井上ひさし
      主催  こまつ座


公演が終わってから、いつもなら3人で盛り上がるのだけど、この日は残念ながらうにまいすさんが参加できず、
でもせっかくだからユキちゃんと横須賀で盛り上がってから帰宅しました




うにまいすさん、次回は盛り上がりましょうね

マクベス (@世田谷 シアタートラム)を観る

2014年07月04日 22時45分28秒 | 萬斎
6月24日

世田谷シアタートラムで萬斎さま主演・演出「マクベス」を観てきました。

2010年の初演から2013年、そして今回と3回目の公演となる萬斎マクベス。
実は昨年もチケットはとっていたのですが、公演前日に闘病中だったラルフの容態が悪化して、
一緒に行くことになっていたうにまいすさん、Yukiちゃんに相談したところ、やはりゴル飼いのふたりは
「今回はやめよう、ラルフのそばにいてあげて」と即答してくれたのです。

そして今年、再演があるとわかり、再び3人分チケットをとると、席はバラバラだったけど、最前列と
2列目の舞台ど真ん中という奇跡。
(もっといい服着て行くんだった・(^^;)
きっとラルフがいい席を取ってくれたんだと勝手に思い込む私なのでした(^^;


さて念願の萬斎マクベス、シェイクスピアの三大悲劇のマクベスですが、
舞台上の登場人物は削りに削ってたったの5人。


マクベス     萬斎様
マクベス夫人   秋山 菜津子

魔女 1     高田 恵篤
魔女 2     福士 惠二
魔女 3     小林 桂太


萬斎さまの舞台ではお馴染みの俳優さんたちです。


うにまいすさんとYukiちゃんのお言葉に甘えまして(笑)藪原・・・に続き、またもや最前列で目をハートに
しながら前のめりのワタクシ。
たぶん前の方の席の女性は皆同じ状態なので萬斎さまも変な視線を感じながらの開演と
思われますが・・・(笑)
私の隣の席のお嬢さんなんて最前列なのにオペラグラス使用してましたわ(^^;)
和のテイストを所々に盛り込んだ演出は狂言師である萬斎さまならでは。
舞台冒頭の月の影のような丸いスクリーンに浮かび上がったサムライ(のような)マクベス、
(衣装も裃と袴をアレンジしたようなもので足元はパープルのエナメルっぽい足袋)
スクリーンを突き破って登場!キレっキレの立ち回りもとにかくカッコイイ!の一言でした。

マクベス夫人の秋山菜津子さんの衣装は上下白の襟元は着物を意識したような体にフィットしたデザインのドレス。
秋山さんのキャリアを考えたら、失礼ながらそこそこのご年齢ですが、年齢不詳のナイスバディw
夫マクベスに野望を抱かせ、発破をかける強さや、その反面、取り返しのつかない罪の意識に苛まれて
夢遊病になってふらふらと彷徨い歩く弱い心も持つマクベス夫人は説得力があって、
やはりこの人が適役だな~、と演劇素人の私でも思うのでした。



そしてマクベス夫妻にあるときは助言や予言をするが、その言葉に翻弄されるマクベス夫妻を嘲笑う3人の魔女。

この魔女役3人が、魔女を演じないときはバンクォーやマクダフといったマクベスと夫人以外のほとんどの役を演じて、
しかも舞台小物の移動や装置の切り替えという黒子的な役割まで息を切らしながら舞台場を走り回り
あまりの忙しさにアドリブが入ってちょっと笑ってしまう場面もあったり、まぁまぁ、この人数でやってるから
しょうがないよね、的な小さなツッコミ所はあったり。
でも台詞の構成や舞台全体の言葉一つ一つがわかりやすく
、(3月のドンキが個人的にちょっとアレだったので)あっという間だったけれど
とても楽しめた1時間30分でした。






さて、ステキ萬斎の余韻をひっぱりつつ、観劇のあとはいつもの女子会

この日は三軒茶屋にある「瀬戸内バル」。
瀬戸内産の食材を使ったイタリアンはどれも美味しくて、ついつい今回もワイン飲みすぎてしまいました






ほかにもたくさん食べたはずなんだけど・・・酔って写真取り忘れました・・・(^^;


そしてこの日は、なんと うにまいすさんのお誕生日
Happy birthday~

         
         熟女3人でささやかにお祝い

ステキ萬斎観て、美味しいイタリアン&ワイン、楽しい女子会 充実の一日でした

うにまいすさん、Yukiちゃん、ありがとうございました。
またぜひ行きましょう~!!
チケット争奪戦、がんばるよ~

神なき国の騎士ーあるいは、何がドン・キホーテにそうさせたのか?  を観た

2014年03月14日 21時51分29秒 | 萬斎
3月12日(水)

ゴル友であって萬斎好き繋がりのうにまいすさん、Yukiちゃんのいつものメンバーで
萬斎さま演出・主演の舞台、「神なき国の騎士-あるいは、何がドン・キホーテにそうさせたのか?」を
観てきました。
場所は萬斎さまが芸術監督を務める世田谷パブリックシアター。

感想から先に言ってしまうと、大好きな萬斎さまの舞台だけれど、けれど、けれど・・・
釈然としないというか、言わんとすることはわかるけど、なんだかモヤ~っとした気分で終わってしまった。
テーマは途中から3.11だとわかったけれど、どうしてもこのモヤっと感を払拭したくて
翌日にパンフレットを隅から隅まで読むと、萬斎さまと初めて組んだ
この作品の作者の川村毅さんの作り出した文字の羅列を奥行きのある舞台で表現することが
出演している役者さんたち、演出の萬斎さままでも難しいと感じているようなことが書いてあった。
いくら萬斎好きでも私のような演劇素人では、きっと1回2回観ただけではわからないんだろうけれど、
一昨日の舞台を思い出しながらパンフレットを、隅々まで読んでいたら
舞台の中で「わかりやすい世界へわかりにくい冒険をする、その中で風車を敵だー!っと立ち向かい
風車の大きな羽にぶっ飛ばされるドン・キホーテ」と
劇中のドン・キホーテさながらに演出家としてこの作品に立ち向かう萬斎さまが何だかかぶる。

あくまで個人の感想ですけど、とどのつまり、萬斎さまとこの作品、あまり合ってないんじゃないかとか・・・。
                        (あくまでファン目線ですけどね)
あとはドン・キホーテの原作をしっかり読んでいる人ってあまり多くないんじゃないかとも思うし。
                       (私だけか?)(^^;

それから舞台中の演出で強力なライトと、頭が痛くなるほどの爆音が使われることを劇場側も
開演前の注意事項としてアナウンスしてほしかった。
あの演出で血圧急上昇して具合が悪くなる人がいるかもしれない(^^;
いつもはもう一回観たいと思う萬斎舞台だけれど、今回はもういいや。って感じでした。




この日の舞台は開演が19:00だったので帰りに食事をしながらゆっくり~、ができないので
集合時間を早くして遅めのランチ、もちろんビールも飲みながら、
昨年の11月に愛犬が急死してしまったYukiちゃんとその少し後、大きな手術を頑張って乗り越えたのに
誰もが想像だにしていなかった、猫のまいすくんを亡くされたうにまいすさん、
そして私の3人でいろいろなことを話して、泣いたり笑ったり、少しずつ心を楽にして、
久しぶりに3人で会って楽しい時間を過ごすことができました。

今度はすっきり、からりと笑える狂言会、行きましょうね~




うちのロシナンテ今日も元気です。

第61回 野村狂言座@宝生能楽堂 を観る

2013年01月11日 00時00分00秒 | 萬斎
例によって 長いです

1月10日木曜日、水道橋にある宝生能楽堂へ毎年定期的に行われている野村狂言座を観に行ってきました。
実はさまざまな事情で行く予定ではなかった狂言座、当然チケットも取っていなかったのですが
やはり狂言が好きで私よりずっと前から狂言観賞されていた日頃からお世話になっている知り合いの方が
予定が重なり行けなくなってしまったからとチケットを譲ってくださったのでした。

そんなわけで急遽うにまいすさんを誘って今年初めての狂言観賞、しかも最前列

年初めは地方公演が多いので東京での公演もこれが初めてということで、
演目もお正月に絡めた祝言性の濃い内容のものでした。


まずは狂言座では初めての解説を仰せつかった、と普段狂言を演じている姿からは想像できないくらい
緊張されていた深田さんの解説。
あれだけ場数を踏まれている方でも解説となると緊張されるんですねぇ(^^;


素囃子 「男 舞」


狂言

「鍋 八 撥」(なべやつばち)

■鍋 売   高野 和憲
■羯鼓売り  中村 修一
■目 代   竹山 悠樹

あらすじ

所の目代が新しく市場を立てるので、一番乗りした者を、その市場の代表(市司いちのつかさ)とする高札を出した。
市場の代表になると、当然商品を一番良い場所に置くことが出来るほか、万蔵公事(税金)が免除がされるという。 

夜明け前、まず羯鼓売りが現れて一の店に着くがまだ朝までには時間があるのでそこで一眠りしていると、
一足遅れた浅鍋売りがやってくる。

浅鍋売りは 「ややっ!!先を越された!」と悔しがるが都合のいい事に相手は眠りこけている。
抜き足差し足忍び足で一番乗りのふりをして羯鼓売りの前に陣取って眠り始める。

一番乗りをした羯鼓売りは目を覚まして自分こそが一番である、と諍いになる。
そこで目代が現れ仲裁に入るも、お互い一歩も譲らない。

それでは、と目代は二人が勝負をして勝っている方に市司にしようと提案。

「では棒を振って見せましょう。」と羯鼓売りが羯鼓を括りつけていた棒を勇ましく振る
次は鍋売り。・・といわれても棒がない。
「棒を貸してくだされ」とお願いするも、「自分の持ち物でせい」と言われ已む無く「浅鍋」を振り回す。
次は羯鼓売りが羯鼓を打ちながら舞う。
撥のない鍋売りが、羯鼓を借りようとしてもやはり「自分の持ち物でせい」と言われ、
仕方なく「浅鍋」を胴に括りつけて舞おうとする。
そうしてわざと意地悪をする羯鼓売りに悔しさ隠せない鍋売りだが、スマートな羯鼓売りの芸を盗み見ながら
それを真似る浅鍋売のぎこちない動きに大笑い
最後は身軽な鞨鼓売りが囃子に合わせて身軽に水車返り(側転)をしながら舞い興じるが
負けじと鍋売りも真似をしてみるが、どうもイケてない。
そのうち胴に括りつけた浅鍋が自分の下敷きになってしまってとうとう割ってしまうが「数が増えてめでたい」と終わる。

高野さんの鍋売の動きがどうにもどんくさくて、でも愛嬌があって、ほんとに面白かった
羯鼓売りの中村君、本当に水車のようにくるんくるんと回りながら幕に入っていきました。お見事~



「素 袍 落」(すおうおとし)

■太郎冠者  石田 幸雄
■主     内藤 連
■伯  父  野村 万作

あらすじ

突然伊勢参宮を思い立った主人は、召使いの太郎冠者に、かねてからその約束をしていた伯父に知らせるように言い付けます。
急なことだったので、伯父はこの度は参宮を断ることにするが供をする太郎冠者を察して
好きな酒をたっぷり飲ませてやります。
次第にいい気分になっていく太郎冠者、自分に優しくしてくれる伯父を褒めちぎり、
逆に主人の悪口を言って、意見をしてくれるように頼みます。
伯父は餞別に素袍をやろうとしますが、太郎冠者は主人から土産の心配をしなくてはならなくなるから、
餞別を貰わぬようにと言われていました。
伯父は、伊勢についてからそっと出して着て自分の名代として参詣してくれればいいのだと言い含め、
太郎冠者は喜んで、伯父やその家族に土産を約束し、素袍をもらって帰ります。

あまりに太郎冠者の帰りが遅いので様子を見に来た主人は、すっかり飲み過ぎて千鳥足で戻って来る太郎冠者を見つけます。
いいご機嫌で謡を謡っているうちに、素袍を落としてしまう太郎冠者。
拾った主人は懲らしめのため隠してしまいます。そうとは知らず、太郎冠者は必死になって素袍を探します。

何年か前に初めて私が観た狂言が素袍落だったのですが、今の方がより笑えて楽しめました~。
太郎冠者の酔っ払いっぷりが「あ~、こういう人居るいる!」と言いたくなる、
まぁ、いつの世も酔っぱらいは同じだったんだなぁ、ということですかね(^^;


さて最後の演目「業平餅」でいよいよ萬斎さま登場です。

「業平餅」(なりひらもち)

■在原 業平   萬斎さま
■傘持ち     万作さん
■餅  屋    深田 博治
■沓持ち     月崎 晴夫

その他大勢

あらすじ

在原業平が、和歌山にある玉津島詣に行く途中、休憩した餅屋でもちをすすめられる。
しかし業平は金の持ち合わせがない。というより浮世離れしているのでそもそもお金を払って
何かをするという意識がない。
餅屋に「餅を食べたければお足(代金)を・・・」と言われて自分の足を見せて
そうではなくて料足のことだと言われるとさらにさらに自分の両足をみせてしまったり
世間知らずを通り越してちょっとイタイ人なんですがこれを萬斎さまが演じるとお茶目でチャーミングに
なってしまうんですよ、これがまた

そんな業平様ですがそこはかの有名な平安の歌人、金の代わりに和歌を詠むと言い、
小野小町の雨乞いの和歌を読んで餅のいわれを語る。
しかし主はそれでは餅は食わせないと言う。
そこで今度は餅づくしの和歌をうたう。
(もう、餅が食べたくて食べたくて仕方ない(笑))
ところが亭主は男がかの在原業平だと知るや、娘を都で奉公させたいと言い出して、
娘をつれてくるといって引っ込む。その隙に餅を盗み食いした業平は餅を喉につまらせてしまう。
餅を喉につっかえて恥を晒した業平だが、若い娘がでてくると生来の女好きが顔を出して
妻にしようかなどと言い出す。
そこで餅屋も一応娘の顔を確認したほうがよいのでは(父親まで!)、というが業平は「見ずともわかる」と
女好きのお調子者全開。
ところが娘の顔を見てみるとかなり・・・いやとんでもなく残念なわけで。
その時の萬斎業平の表情がおかしくておかしくて、でも狂言だからおもしろいけど
現代ならかなりひどいセクハラですよ(^^;
そこであわてて傘持ちに「たしか嫁を探していただろう」と押し付けようとするが、傘持ちも顔を見てびっくり仰天。
「すでに知人に紹介された人がいて祝言の約束の盃も交わしたので無理!」と逃げ腰。
でも娘は「業平さまぁ~~~。」と言いながら業平と傘持ちを追いかけ、二人は逃げる。


業平餅、前から観たかったんです。
舞台には業平様の他、大勢のお供が登場しますがお正月らしく萬斎さまの装束もお供の装束もとても煌びやか
美しい萬斎さまがより一層美しく輝いて見えました

今年初の狂言会、「笑う門には福来たる今年もたくさん萬斎さま見て
たくさん笑いがあるといいな~


















萬斎 in セルリアンタワー 12 を観る。

2012年12月08日 20時44分45秒 | 萬斎
12月6日      注:文章長いでーす。狂言ネタでーす

今年も行ってきました、萬斎inセルリアンタワー

今回は狂言観賞初めてのべっちさんをお誘いして、いつもよりちょっとオサレしてクリスマスイルミネーション輝く12月の渋谷へ

会場のセルリアンに着いてみれば、こじゃれた妙齢の奥様お姉様たちがロビー内にあるカフェで開場までくつろいでいたりするわけですが
今年は映画「のぼうの城」で萬斎さまテレビに出まくっていた効果なのか10代~20代の若い女性小娘のみなさん百萬年早いですわよの姿も多く見受けられました。


萬斎inセルリアンタワーといえば、上演前に萬斎さまの狂言解説とゆる~いトークがあり、
質問コーナーもあったりするわけですが曲の解説途中にこの夏上演された「藪原検校」の話がでて「男が女を弄ぶ、」という言い方をするけど
その逆の場合は女が男を「拐かす(かどわかす)」って言いますよねぇ?
って、お客に逆質問してましたけどそれは「誑かす(たぶらかす)」じゃね?との指摘が見所のあちらこちらから聞こえていたのが笑っちゃいました
「拐かす」って「誘拐」ですよねぇ?
萬斎さま誑かして拐したくなりました

こんな感じでセルリアンタワーの公演ではけっこう観客と近い感じでお話される萬斎さま。
前日に1泊4日というハードスケジュール、マレーシア、クアラルンプールでの公演から帰って来たばかりでねー、とか。

まぁ大体は今年1年こんなことがあったとか(そんなこと知ってるよ)、どこそこの公演でこんな面白いことがあったとか(その公演行ったわよ)、
来年のスケジュールをこっそり教えてくれたりだとか(来年も追いかけるわよ~)←ほとんどストーカー

それからテレビ出演が多かった中ある番組で、牡蠣がお好きということで築地のオイスターバーで白ワイン片手に美味しそう~な牡蠣を召し上がりながら
映画の宣伝されてましたが、実はお腹いっぱいなのにけっこう強引に牡蠣を食べさせられてちょっと拷問みたいだったとか・・・。
なんかねぇ、あんまり食べなさそうですもんね、萬斎さま。シャンパンのみで生きていそう

そんなような内容で相変わらずの萬斎ワールド、あっという間の30分。
そして「狂言は観客もインスピレーションを働かせながら前のめり気味で観てください。」とも仰っていたので
今回前の方の席が取れなかったので(6列目)言われたとおりの前のめりで、背筋は真っ直ぐ(シャキーン)。
萬斎さまからは2列目くらいのインプレッションだったんじゃないかって感じの前のめりで解説の30分、ガン見してました(←甚だ迷惑)





さて、この日の番組一曲目は 「磁  石」

すっぱ    石田 幸雄

田舎者    中村 修一

宿 屋    内藤 蓮

  後見   高野 和憲


あらすじ

遠江の国の田舎者が都へ行く途中で、見物をしているとすっぱが田舎者に近づいてきて、自分が都を
案内してやるという。田舎者は丸め込まれて宿屋まで連れて行かれる。
すっぱは宿屋の主人と人身売買の話をまとめるが、それを田舎者は一部始終聞いてしまい
翌朝、田舎者は先回りをして宿の主人を騙して金を受け取って逃げる。
それに気がついたすっぱは、宿屋の主人に刀を借りて田舎者を追いかけ、
田舎者を捉えて刀を振り上げると田舎者は、咄嗟に大口を開けて刀を飲もうとする。
苦し紛れの田舎者はその場の危機を逃れようと、なんでも自分は、「磁石の精」であると田舎者は言い出す。
すっぱが刀を鞘におさめると目を回して倒れてしまい、慌てたすっぱは、田舎者のそばに刀を置いて、
なんとか治してやろうとするが、田舎者は刀を奪って逃げていく。


「すっぱ」というのは悪戯者や詐欺師のことで演じるは「Mr狂言」石田さん。
石田さんの周りには観ている自分がインスピレーションを働かせなくても周りの景色や季節や時間帯までもが見えてくるようです。
すごい存在感、と思えば出番がないときのそこに居ながら存在感を消す、その切り替えは狂言師のなかでもスゴイ!と思います。
田舎者役の中村修一くんに宿屋の内藤くん、ちょっと前までは幼さが残る顔立ちでしたがお二人共立派な?イケメンくんになりました。
しかも中村くん謡もお上手。声も萬斎さまにちょっと似てるし、先が楽しみですなぁ。
面白かった~

それにしても「磁石の精」ってすごい発想
どんな思いつきだよっ。とつっこみいれたくなります



さて、15分の休憩を挟んで次はいよいよ萬斎さま登場

「鈍 太 郎」

鈍太郎   萬斎さま

下京の妻  深田 博治

上京の妻  高野 和憲

  後見  内藤 蓮


あらすじ

三年ぶりに西国から戻った鈍太郎は早速下京の妻(正妻)と上京の妻(愛人)のもとを訪ねるが
三年の間手紙の一つも書いていなかったので下京の妻に戸を開けてくれと言っても三年も音信不通であった鈍太郎が今更
帰ってくるはずもないといって戸を開けようとしない。
そればかりか三年の留守を待ちかねて、既に棒使いを夫に持ったといって鈍太郎を追い返してしまう。
怒った鈍太郎は、上京の愛人は心が優しいから、といって上京の愛人を訪ねるが、上京の女も
さては近所の若い衆が自分をからっかっていると言ってやはり戸を開けてくれず、
こちらもすでに長刀使いを夫に持ったので、夫に追い払わせるぞと怒って取り合わない。
予想もしていなかった女たちの対応にすっかり怒ってふてくされた鈍太郎。
女二人に捨てられて行くところもなく、どうしようもないので出家して諸国行脚にでてやると言い出した。
ところが下京の妻も上京の妻も追い返した男が本当の鈍太郎ではと思い直し、二人は互いを訪ね、道で行き会う。
どうやら本物の鈍太郎だったらしく、しかも出家しようとしていると聞いて二人は慌てて
道で待ち伏せして鈍太郎を見つけ、出家をしないでほしいと必死に説得するがすっかりへそを曲げた
鈍太郎はなかなか承知しない。
しかし二人の女の説得に、鈍太郎は互いに喧嘩をするなとかひと月を前半は愛人、後半は正妻のもとに行くだのと
色々注文をつける。
今だったら「何勝手なこと言ってんだ、このチャラ男!」と言われそうな条件なのに女たちは条件を飲み鈍太郎の言いなりになる。
挙げ句に女たちに手車をさせその上に乗り、お囃子をさせて得意満面にかえっていく鈍太郎。 

この曲、萬斎さまの母上はお嫌いな曲だとか。
確かに正妻と愛人が協力し合って出家しようとした男を思いとどまらせたり、その上こんな条件つけるって昔の女性はずいぶんと寛容だったんでしょうか(^^;

最後にに幕内に入って行く時は本当に女二人(って実際は萬斎さまより体格の良い男二人ですが)の手車に乗って萬斎神輿状態なわけですが
その時のお囃子が

鈍「こ~れはだ~れが 手~ぐるまっ

女たち「ど~ん太郎ど~の の 手~ぐるまっ」 

これをけっこうしつこく謡うんですが、その時の鈍太郎の動きとか女たちの「微妙~・・・」とも感じ取れる表情が
本当に面白くて笑いすぎて涙目になりました




狂言観賞初めてのべっちさんも楽しんでいただけたようでよかった~ヽ(;▽;)ノ  



今年最後の狂言鑑賞(萬斎鑑賞ともいふ)、もカラッと笑えて楽しゅうございました~

来年もたくさん行けるといいな~
えぇ、ワタクシ萬斎マニアですが なにか?












鎌倉で萬斎

2012年12月05日 20時35分52秒 | 萬斎
11月16日、長谷にある鎌倉能舞台で「県民のための能を知る会」を観てきました。

昨年も同じ能舞台に行ったのですが、どちらかといえばお能がメインな会で狂言は一曲。
なのに何故に毎年指定席取ってまでいくかというと。

何処の舞台よりも近くで萬斎さまが観られるから。
今回も萬斎さまに目を逸らされるくらいガン見してきました
去年も書きましたが、鎌倉能舞台って少しこぶりなんですよ。
見所(けんしょ)も二〇〇名くらいでいっぱいだし、最前列と二列目は座布団席ですが舞台までほんと、近いんです。

で、今回も正面二列目のほぼ真ん中席ゲット、手を伸ばせば萬斎さまに触れちゃうんじゃないかってくらい近いです。
おさわり厳禁ですけど



今回の曲ですがお能は「天鼓」

物語としては天才少年楽人「天鼓」が天から降ってきた鼓を差し出せとの勅命に背き、殺されてしまい、
それきり鼓は鳴らなくなってしまったのを天鼓の父親が参上して鼓を打ったところすばらしい音が鳴り
それに感動した帝が天鼓を処刑した場所で盛大な音楽葬で弔うと天鼓の亡霊が現れて喜びの舞を舞って
夜明けとともに消えてゆく、という内容なのですがどうも「能」って亡霊がよく出てきてなんとなく暗いイメージがあるし・・・
動きもあまりないのでたいてい寝てしまいます(^^;
寝ないように我慢はしてるんですが、毎回、二列目真ん中あたりでがっつり居眠りこいてますzzz




さてこの日の狂言、演目は 「栗 焼」

太郎冠者  萬斎さま

主     岡 聡史

後見    村井 一之

あらすじ
主人が太郎冠者に叔父から四十個の栗が届いたが、と相談すると太郎冠者は、
「しじゅう(始終)末代まで仲良く」ってことではないかと判ずる。主は大いに喜んで、
客に栗を振舞うので栗を焼くように命じる。
台所で太郎冠者は栗を焼き始めるがあまりに栗がうまそうである。
客に味を尋ねられて答えられないと困ると言い訳をして、ひとつ食べてみるとあまりに旨い。
止まらなくなってまたひとつ、またひとつと食べるうちに全部食べきってしまう。
全部食べてしまったので、主人に竈の神夫婦と三十四人の公達に栗を上げてしまったと嘘を吐く。
それでは数があわないので、残りの四つを主人は太郎冠者にもってこいという。
太郎冠者はひとつは虫食いで、三つは逃げ栗、追い栗、灰まみれにしてしまったと答えて
嘘がバレて主人に叱られる。

栗を焼いて一つ手に取ったときの太郎冠者の「あちあちあちあちあちあちーーーーーっ!!」というお約束のリアクションが
萬斎さまがするともう、チャーミングなことこのうえないわけですよ
栗焼は初めて観た演目でしたが、おもしろかった~
萬斎さま今日もステキだった~
えぇ、もぅほっといてください。ワタクシ萬斎マニアですから。




12月も行っちゃうよ


のぼうの城 を観る

2012年12月05日 20時04分31秒 | 萬斎
日にちが前後してしまいますが、11月6日、萬斎さま主演の「のぼうの城」を観てきました。

以前からこのブログを見てくださっている方は思い出していただけるかと思いますが、ワタクシ、萬斎好きが高じて
この映画のエキストラに申し込み、友人のYちゃんとはるばる山梨県まで行って撮影に参加してまいりました((笑))
銀幕デビューなワタクシたち、映画の最後の方にチラッと映っていたような、いないような(^^;

そんなわけで、萬斎さまと共演なワケですよ(←勘違い)

まだ上演中なので詳しくは書きませんが、2時間半の上映時間でしたが終わると「もう終わり?」と感じるくらい、
飽きさせない内容です。
しかも実話で後味良い終わり方です。
あと2回は観ようと思っています。

まだ観ていない方は是非っ。

「もう見たよ」という方はもう一回、是非っ。



当初は2011年秋公開予定でした




のぼう様大好きな農民のみなさま
この中のどこかにワタクシとYちゃんが居ます

狂言 ござる乃座 47th を観る@ 国立能楽堂

2012年10月25日 14時33分53秒 | 萬斎
こんにちは。急に寒くなって秋めいてきましたね

映画の公開が近いので近頃テレビでも萬斎さまの露出が多くてヒジョーに嬉しいです。
昨年から今年にかけてのホンダのCM以来です。

萬斎さまにオススメされたので車をステップワゴンに変えました
萬斎マニアラルママです。

すいません、狂言ネタ続きで


10月24日、「ござる乃座 47th」を観てきました。
今回はいつもの楽しいメンバーヽ(・∀・)ノうにまいすさんとYちゃんヽ(・∀・)ノ

場所は国立能楽堂、いつものように開場の2時間前に千駄ヶ谷駅で待ち合わせ、
そして3月の時にも行ったGoodMOrningCafeで軽く?食事をしながらたのしいおしゃべり

前回私は「ヘルシーバーガー」をオーダー、今回はアボカドバーガーにしてみました。

例によって軽食とは言えないボリューム(笑)
見上げるちびちびう~に~ちゃん


うにまいすさんとYちゃんはまたもやコラーゲンカレー

カレーの海に飛び込んでいいですか?byう~に~

そして最初からオーダーするつもりだった食後のケーキセット

食べたかったフルーツタルトもくるみ入りのミルクレープも売り切れ
仕方ないのでうにまいすさんと私はキャラメルソースがけのシフォンケーキ、Yちゃんはモンブラン
どちらもおいしゅうございました~
食事&ティータイムでは近頃の萬斎さまネタやら犬話で盛り上がり、あっというまに午後6時。開場は6時15分。
歩いてすぐの能楽堂へ

今回はめったに上演されない大曲「花子」(はなご)を萬斎さまが演じられるということで超・超・楽しみにしていました。

「花子」(はなご)--あらすじ--

夫  野村 萬斎
妻  野村 万作   太郎冠者  三宅 右近

後見 石田 幸雄  深田 博治


洛外(都の外)に住む男が、以前、美濃の国[今の岐阜県南部]・野上の宿(のがみのしゅく)でなじみになった
遊女・花子(はなご)が都に上ってきて手紙をくれたので、妻の目を盗んで会いに行こうとします。
男は妻に、最近夢見が悪いので諸国の寺々にお参りに出かけたい、妻がどれくらいの期間かと尋ねると「十二~三年」という。
しかし妻はそんなに離れていることは耐えられないというと、「ではせめて三年」と答える夫。
また妻がそれも嫌だというと夫は「それではせめて持仏堂に籠もって一晩座禅する」と言い、
決して邪魔しに来てはいけないと禁じます。そこで妻に怪しまれましたがそんなことには気づかず浮かれる男。
妻が覗きに来たときの対策に、衣(きぬ)をかぶせた太郎冠者を身代わりにして花子のもとに出かけます。
結局、真相を知った妻は激怒し、今度は自分が衣をかぶり、夫の帰りを待ち受けます。
そうとは知らず、夢見心地で帰ってきた男は、座っているのが太郎冠者だと思い込んで、
花子と過ごした夜の一部始終を語って聞かせます。
ところが衣を取ると妻が出てきて仰天し、(この時の夫(萬斎さま)のリアクションが超ウケた)
怒り狂う妻に追いかけられ、男は逃げまどいます。

最初は男の味方のように振舞っていた太郎冠者が妻に見つかるとあっさり男を裏切り妻のいいなりになってしまうところや
男と太郎冠者が妻を怖がって裏では「山の神」と呼んでバレたらやばいだろうなぁ、と思いつつもそれでもどうにかこうにか言い訳をつくり
別の女性のもとに一晩だけでもと行ってしまうという嫉妬深い妻を持つ男の浮気話を描いた狂言です。
70分の大曲ですがそんな時間を感じさせない小気味よい狂言でした。
また大曲だけあって?夫の萬斎さまの装束も前半は上が輝く橙色、下が白の組み合わせ、後半は上下白でいつもの肩衣とは違う
豪華な感じで「ほんとに綺麗」としか言い様がありませんでしたよ

今回、席は脇正面の3列目、いままで正面席しかとったことがなかったので萬斎さまの横顔しか見えないんじゃないかと思っていたら
意外にも能舞台の上をまんべんなく移動、萬斎さまの立ち位置が舞台の橋掛かり寄りだったのでより近くで萬斎さまを見ることができて
正面席よりいいじゃん!と喜ぶワタクシ達でした。


さて続いての曲は 「茸」(くさびら)-- あらすじ

山伏  野村 遼太
何某  石田 幸雄 
茸   高野 和憲  深田博治 月崎晴夫 竹山悠樹  野村裕基  ほか4名

後見  野村 萬斎


ある男の家に得体の知れない大きな茸(くさびら)(きのこ)が生えて、取っても取っても一夜のうちに元のように生えて気味が悪いので、
男は法力の強い山伏を訪ねて祈祷(きとう)を頼みます。
山伏は男の家へやってきて、おもむろに祈祷を始めますが、茸は消えるどころか、祈れば祈るほどどんどん数を増していき、
動き回っては山伏や男にとりつき、いたずらをしたりします。
疲れ果てた山伏が、最後の気力を振り絞って祈ると、鬼茸が襲いかかってきたので、山伏はたまらず逃げ出してしまいます。


この狂言は言葉もわかりやすいし内容もシンプルで茸たちのシュールな動きや遼太くん演じる山伏が祈祷をするときの「ぼろ~ん、ぼろ~ん」という
セリフにも動きにも「あははは」と笑ってしまう楽しい曲です
最後もなんだかわさわさキノコたちが出てきてコントっぽい終わり方(笑)

曲の途中の茸たちが沢山出てきて、何某と山伏を囲んでしまう動きのところで、姫の着物と面をつけた一番小さな「姫茸」を
萬斎さまの息子さんの裕基くんが演じていたのですが、茸が動き回って止まったところで着物の裾がちょっとめくれてしまいました。
それをずっと後ろから厳しいぃ~視線で見つめていた後見の萬斎さま。
おもむろに立ち上がり、その視線のまま一直線に裕基くん、もとい姫茸のもとへ行き、着物の裾をぴしぴしっと音が聞こえそうな勢いで直していました。
萬斎さま、裕基くんが出ている曲で後見をされているときはいつも厳しい視線ですね~(そりゃそーだ。)
見ている方も「終わったらパパに叱られるんだろうなぁ」と思いつつ、厳しい表情で後見にいた萬斎さまがあまりにもステキすぎて
帰り際、Yちゃんに「私もあの顔で叱られたい・・・」と言ったら
Y「このド変態がっ」って、えぇ、いいんですよ、ド変態と言われても
だってワタクシ、 萬斎マニアですから。


そんなことで、今回もとっても楽しい狂言会&プチ女子会?でした


来月も行っちゃうもんね







野村万作 萬斎 狂言の現在2012 を観る。

2012年10月25日 12時40分44秒 | 萬斎
ラルフの誕生日の記事と日にちが前後してしまうのですが。

こんにちは。萬斎さまの公演は、毎回前の方の席でガン見。
萬斎マニアラルママです。

例によって長いので興味のない方はスル~しちゃってOK牧場



9月某日、横浜関内ホールにて「野村万作 萬斎 狂言の現在2012」を観てきました。

この日の曲は「蚊相撲」「千切木」小舞「景清」

まずはレクチャートークで紋付姿の萬斎さま登場


夏の「藪原・・・」の五分刈りからちょっと髪も伸びて短髪の萬斎さまもいい感じ。
曲の解説を一通りされて、後半はこの秋予定の一年遅れでようやく公開の映画「のぼうの城」の宣伝をされていました(笑)
11月2日公開です
もちろん観ますとも、何度も観ます。
だって私も共演者(←妄想)ですから(笑)
約30分のステキトークがおわり、まずは「蚊相撲」



「蚊相撲」--あらすじ

大名    石田 幸雄
太郎冠者  高野 和憲    蚊の精  深田 博治

後見    中村 修一 

最近の都では相撲が大した人気なので、大名は相撲取りを雇うことにした。
そこで太郎冠者に命じて、探しに行かせる。
太郎冠者がいいつけどおりに、海路に通じる大通りで人を待っていると、そこに蚊の精が
通りかかる。
蚊の精は都へいって人の血を吸おうと思っていた。そんな蚊の精の思惑も知らぬ
太郎冠者は奉公したいというのを聞いて喜んで、連れて帰る。
早速相撲の腕試しをしようということになって、大名が組合ってみると
どうにもふらふらしてしまう。太郎冠者に介抱される内に、蚊の精だと気づく。
そこで大名が、蚊を団扇で仰いで弄ぶうちに自分も血を吸われて蚊の精に倒されてしまう。


この曲は大名が「やっとな!」という掛け声とともに大きな団扇で蚊を仰ぐ場面がN○Kの子供番組で放映されたりしていますね。
狂言ってこういった「蚊の精」とか「蛸の精」とか「鮒の精」といった動植物や虫の精なんかが登場したりして
けっこうファンタジーな世界観もあったりします。

部分的には見たことあったけど、狂言で全部観たのは初めてでした。
蚊の精のコミカルな動きや大名石田さんの間の取り方が絶妙で、面白かった~



休憩を挟んで万作さんの小舞「景清」です。

地謡  内藤 蓮    野村萬斎   石田幸雄   高野和憲


この舞は能の「景清」後場で景清が語る屋島の合戦で敵方の三保谷四郎と力比べのしころ引きをした武勇談を狂言小舞にしたもので
万作さんの舞は御年80歳にしての軽やかな動き!なんか頭の位置がぜんぜん揺れなくて平行移動しているようでなんとも
すごいとしか言い様がありません。


続いて「千切木」ちぎりき --あらすじ 

太郎   野村 萬斎
当屋   深田 博治
太郎冠者 月崎 晴夫

立衆   中村 修一  破石 澄元  内藤 蓮  加藤 聡   
女    高野 和憲

後見   野村 万作


当屋(連歌の世話人)はある日、太郎冠者を呼び出して、連歌の仲間たちを呼んでこいと言いつける。
しかし、近所の嫌われ者太郎だけは座がしらけるので呼ぶなという。
やがて連歌仲間たちが集まってくる。
そこへ やってきた太郎は、自分だけ呼ばれないのは間違いに違いないといって無理に集まりに
参加してくるが、掛け軸のかけ方が良くないとか生け花がよろしくないといって座をしらけさせる。
怒った連歌仲間たちは太郎を打ち倒してさんざんに踏みつける。
踏みつけられた太郎のところへ、太郎の妻がやってきて、さんざんに踏みつけられて悔しくないのか、
太刀と棒を持って仕返しにいけという。
妻に行ってくれと太郎はいうが、女にいけとは何事だといって妻は取り合わない。
渋々に妻も一緒にいってくれといって、二人で仲間たちの家へ行くが、みんなめんどくさがって居留守を使い出てこない。
けんかにならずに内心ほっとした太郎は、妙に気が大きくなり謡いながら意気揚々と妻に勇ましさを誇示する。
妻もその姿に満足して、太郎を愛しいと言って背負って去っていく。


「千切木」も初めて観た曲ですが、ここでの太郎みたいな空気読めないチックな人、いるいる~・笑 と思いながら
観てました。
居留守を使う立衆とか太郎より強い妻と太郎のやり取りとかすごく面白くて会場からはけっこうどどっと笑いが出ていました。
(狂言に出てくる女性は「わわしい」と表現される元気があって、やかましくて内面がパワフルな女性が多いです)



今年の夏もいつまでも暑くて、なんだかだるい~って感じでしたが、
そんな夏の終わり、秋の始まりにからりと笑える楽しい狂言会でした


来月は「ござる乃座 47th」



今日のラル☆ルー  「おやつ待ちでござる