・ようさん
嵐山町では、ふるくからようさんがさかんでした。山の斜面や平地を利用してくわ畑がたくさんあります。ようさんは、のうかにとっては大切な収入源で、かいこをかっている家もたくさんあります。
かいこは普通、春、夏、初秋、晩秋と四回にわたってはきたてを行います。中には五回、六回とはきたてる家もあります。
かいこは、はきたててから、やく一ヶ月でまゆをつくります。短い期間ですが、くわとり、くわくれなど大へんなしごと量です。おこあげが、おわってから、一週間くらいで完全なまゆをつくります。のうかでできたまゆは、ようさんのうきょうをつうじて製糸工場にまとめてうられます。しごとのあい間を利用しておこなう、くわ畑の手入も大切なしごとです。こうしたふだんの努力があって立派なまゆがつくられてくるのです。
表:まゆ代金の比較(昭和50年度)(1975)
まゆ代金(100万円) 養蚕戸数 平均まゆ代金
1.七郷 307 333 92万1000
2.八和田 275 363 75万7000
3.宮前 269 332 81万0000
4.菅谷 217 275 78万9000
5.福田 193 307 61万9000
6.野本 187 366 51万0000
7.高坂 169 225 75万1000
8.唐子 165 195 84万6000
9.亀井 106 176 60万2000
10.大岡 100 168 59万5000
嵐山町社会科研究部『わたしたちの町 らんざん』(1977年3月) 6頁~7頁