今日の勤務には、某地区巡回バスが含まれていた。昼食タイムを挟んで4回だけ走ったのだが… 夏休みだから? 孫が遊びに来ているのか? それとも、ただ暑いから? 理由は分からないが、乗客も交通量も少なく… 「もう世間はお盆休みに入っているのか!?」と錯覚するほどであった。
だから、場合によっては10分以上も遅れることがあるバスなのに、今日は4回ともスイスイと時間通りに走れてしまい… 途中の某バス停では20秒ほど早くなってしまったので、時間調整停車をしていた。
その間、私は左後方、左前方、右前方、右後方… と、サーチライトのように辺りを何度も見回していたが、猫の子一匹歩いていなかったので、私は「きっと誰も来ないだろうなぁ~」と思っていた。
発車時刻になり、私は周囲を見回しながら前扉を閉め… と、その時! 一人のお爺さんが走ってくる姿が左ミラーに映ったのである。私は「えっ!? どこから? まさか上から??? お盆も近いし…」などとアホなことを考えながら再び扉を開けて、そのお爺さんを乗せた。
約3分後、某駅停で乗降客扱いを終えて発車… たった今バスを降りたばかりの3人が、バス停から10mほど先の横断歩道を渡ろうとしたので、私はゆっくりとバスを止めて、彼らが渡って行くのを目で追っていた。
すると、視界の左側に何やら動くモノが入ってきた。それは、前扉の外で「乗せてくれない? お願い!」とでも言っているようなお爺さんだった。一瞬、私は迷ったけれど、お爺さんの顔を見て… 扉を開けた。
バスを発車させると、車内からお爺さん2人の会話が聞こえてきた。どうやら、さっきのお爺さんと今のお爺さんが顔見知りだったようで… 「今日はバス早いな」「人が少にゃ~で早くなるんだわ」「いつもは3~4分は遅れて来るのになぁ~」等々…
あまり「早い」「早い」と言われると、私が定刻よりも早く走っているみたいじゃないですかぁ~ 人聞きが悪… いぃ? まさか私のバスだけ、時計が(運転士と同じように)狂っていて、ホントに早発してたりして… あぁ、だから乗客が少なかったのか! ハハハ…(おいおい、知らない人が聞いたら、ホントだと思われるぞ!)
追伸 そのお爺さん2人は、乗る時も降りる時も、とても丁寧にお礼を言ってくれて… 私も嬉しくなりました。