バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

バスの前に現れた男の子

2011年07月01日 23時46分43秒 | バス運転士
ところどころで大型車同士のすれ違いが難しい道を通る路線を走っていた。その途中にあるバス停を発車したところで、道路左側を走っている男の子を発見した。チラチラとこちらを振り返っていたけれど、バスに乗る雰囲気ではなかったので普通に追い越した。

が、すぐに赤信号に止められて、彼に追い付かれてしまった。その後、信号が青に変わり、私のバスと彼は同時にスタートしたのだが… ちょうど対向車(普通車)が来たので、私は一時停止する一歩手前くらいまで減速… すると、なぜか彼も減速したのである。

対向車をやり過ごし、私のバスは再び加速… それに合わせて彼も加速して、バスのすぐ左前方を走りだした。そして私は再び追い越そうとしたのだが、彼はまっすぐ走ってくれず左右にフラフラ… 電柱があれば壁側ではなく車道側へ飛び出してきたりして… 一瞬「体当たりするつもりか!?」と思うくらい迫ってきたこともあった。

結局、私は彼が怖くて追い越せないまま、次のバス停に到着した。乗降客扱いをしている間、彼は“定位置”であるバスのすぐ左前方に立って、こちらをジッと見ていた。そして、バスが動き出すと彼も走り出し… 私のバスがその先の交差点を右折するまで、ずぅ~っと左前方を走り続けたのであった。フラフラ&チラチラしながら…

彼は「この道路は、おいらの縄張りだ! おいらの前を走るんじゃね~!」とでも言いたかったのか? あるいは… 彼は座敷わらしだったりして!? ならば、きっといいことあるぞぉ~。ハハハ…