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鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

二次創作ー宇宙戦艦ヤマトrebornー第十三話

2020-01-21 05:37:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn

第十三話


偽りのサーシャとの白兵戦、バラン星沖での戦いで多くの犠牲者を出し、希望の艦(ふね)であるヤマトも失った古代は、スターシャに救いの手に差しのべられ、スターシャの宇宙船(ふね)ゴッド・ウイングで惑星イスカンダルを目指す事と成った。

あれから80日が経過した_。

ゴッド・ウイングは大マゼラン銀河外縁部に到達した。
古代はゴッド・ウイングに乗船してから少しずつ、森雪と過ごす時間が長く成って行った。
スターシャの思惑はここにあった。
二人が仲良く成り、愛を育む。それが狙いなのだ。
だから、古代だけを乗せ、イスカンダルへゆくと云ったのである。
イスカンダル到着後、大した妨害や障害がなければ、あと160日後には地球へ到達する。
人類滅亡まで50日を残し、救う事が出来る日程だ。

「あと2日もすればイスカンダルよ。」どこか懐かしさを浮かべるが、すぐに済まし顔を見せるスターシャ。
そのスターシャは、話はじめた。

「私の母、スターシャに成りすます者。"ビーメラ星人"。
彼女の暮らしていたビーメラ星は120年に一度、星を統治する代表者が選ばれるの。
成りすましのビーメラの女王アシュラは交代を拒み、女王の座を譲らなかった。
それに反発した民は、アシュラに対し、「法と秩序を守れ!」と詰め寄ったの。
アシュラは話し合いも拒み、任期が数日、ある事を盾に詰め寄った民を拘束、裁判も無しに処刑した。
それをきっかけに「暴挙を許すな!」と、ビーメラ星の各地区で暴動が発生、やがて内戦と発展したわ。
そのお陰で、ビーメラ星の大気は汚染され、植物は枯れ、大地は腐敗していった_。

ビーメラの文明は滅びの路を歩みはじめたわ。
そんなある日、アシュラは「私を女王と認め、私に従えば嘗(かつ)てのような豊かな暮らしを再び、与える!」と。言い放ったの。
アシュラには考えがあったわ。
それは私の母から「レナトゥース・エネルギー・エレメント」を譲り受ける事。
レナトゥース・エネルギー・エレメントを譲り受ければ、生き延びた民の前で"奇跡"を起こすと称し、汚染された大気と腐敗した大地を"浄化"させようとね。
でも、その目論みは叶わなかった。
私の母が「私欲の為には譲れない。」と。

「ならば、奪うまで!」とアシュラは刃(やいば)を母に向け、暗殺、偽りのスターシャを名乗り、成りすました。
母は殺害を察知し、私にレナトゥース・エネルギー・エレメントを託し、脱出させてたの。

「それからは雪や古代さんが知っている通りよ。」

「……このまま放っておいても、やがてイスカンダルは滅びる…。」
「でも、彼女、アシュラが造り出したデスラー=ガミラスが残っている限り、この宇宙は侵略され続ける…。」
「それを阻止する為に古代さん。貴方はイスカンダルへ、いえ、ガミラスへ赴くのでしょ!?」

「だから、私は古代さん。貴方に手を貸す事にしたのよ。」



「ありがとう。…でも、スターシャさん。貴女は俺をイスカンダルへ下ろしたら、立ち去ってくれ。」
「雪を地球へ送り届けて欲しい。」
「貴女は手を血で汚してはいけない。」

その言葉にスターシャは古代の目を見つめるだけで、無言だった_。




「…あの宇宙船(ふね)戻って来たのか。」
「まぁ。戻って来たところで、最早、お前の返り咲く場所など無いのだよ。」
「お前の始末は、"あの"スターシャに任せ、私は見物させて貰う。」
「遅かれ早かれ、イスカンダルはイスカンダルではなくなり、ガミラス即ち、我がデスラーの惑星(ほし)と成るのだからな。」




「ん!?」
「あの小娘。戻って来たか。」
「ワタシがくたばったとでも思ったか?」
「まぁ。いい。」
「どちらにしても、あの小娘は必要だからな。」

偽りのスターシャ=アシュラは、もう以前のスターシャに成り済ました面影もなかった。
自身が造り出したデスラーに惑星(ほし)の半分を与えた事が、仇に成っていたのだ。
A.Iによる大気浄化制御衛星によって、浄化された大気をイスカンダル側は、維持してはいるものの、毒素を含んだウィルスまでは、全てを浄化出来ずであった。
その事は、じわりじわりと侵食されたアシュラには、感じ取れなかったのだ。
眼は常に充血し、透き通るような白い肌、金色に輝く長い髪も失い、毒素に侵食された肌は青紫化していた。
ビーメラ星人としての面影もなく…神話に登場する悪魔ような容姿に変わり果てていた。




第十四話へ
つづく。


使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。「ACE COMBAT」等などの拾い画を使用しています。
石津嵐氏小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。

二次創作ー宇宙戦艦ヤマトrebornー第十二話

2020-01-19 21:47:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn

第十二話


逃げてゆく黒衣の人物を目で追いながら、古代はインカムで第一艦橋へ報告をいれ、陽電子粒子速射砲塔群制御室に向かった。

「………。」言葉を失う古代。

「…なんて惨(むご)い……。」制御室のクルー八名の変わり果てた姿を見た古代に動向した有紀が、小声で口を開いた。

古代たちが駆けつけた時には、息をしている者はなく、それどころか残虐な殺し方をした割には、壁や床そして計器類にはそれほど血痕はなかった。
どの遺体も切断された部位には焼かれたような跡が、見られた。
熱伝導式の鋭い刃物のようなもので、殺害されたと推測出来た。

「艦橋!艦内モニタを全てチェック、黒衣の人物の居場所を突き止めて欲しい!」
「現在、黒衣の人物は八名を殺害、中央エレベーター方向へ逃走した!」

「……コチラ……相原…現在、らしき人物と………。」
「…ガガガ…ッーーーッーーー……。」

「艦橋?第一艦橋、相原!」
「返事をしろッ!!」

「沖田艦長!此方、古代!」

「……艦長ッ!!」

古代の呼び掛けに誰も応答する者が居なかった…。

「…古代。艦橋は諦めろ……。」
そばに居た有紀が告げた。

「…お前に、お前に何が解る!?」

「…解るさ。この無線のやり取りを見れば……。」
「古代と言ったね。艦橋の次にアイツが狙う場所を特定して、その場所にアイツがたどり着く前に仕留めるしか方法は無い!」

「認めたくないのは、解らないでもない。受け止めるしかないんだよ。」

「……。」

古代は愕然と肩を落とし、返事を返せずにいた。
そんなに矢先、有紀のインカムには、ハーロックから報告が、届いていた。

「有紀。落ち着いて聞け。」
「次元断層空間の時間の流れが変わろとしている。」
「その兆しが現れた。急いで帰投せよ。」 であった。
有紀は、すぐさまヤマトの状況を報告すると同時に、デス・シャドウから偽りのサーシャの居場所を特定して欲しいと具申した。
ハーロックは解析が得意なクルーにスーパーサーモグラフィックセンサーを使わせ、偽りのサーシャの居場所を特定させた。
2~3分が過ぎ、デス・シャドウのクルーから有紀に連絡が入った。
「現在、エレベーターにて下を目指しているようだ。」
「おそらく、機関区を目指していると思われる。」
「追跡を続行します。」

「了解。」

「古代。アイツは機関区を目指してる。」
「機関区に入る前にアイツを倒さなければ、ヤマトが沈むぞ。」
「…古代!艦橋の様子が気になるのは解らなくもないけど、今はアイツを倒す事が先決なんじゃないのか?」

有紀は、無言な古代の肩を掴み、揺さぶった。

「…解っている……。」
「ボソッ」と返事を返すと、制御室のコンピュータから機関室入口のメイン通路の隔壁を閉鎖、偽りのサーシャが、この通路に入ったところで、もう片方の隔壁を閉鎖する準備に入った。

「有紀隊長。例の人物は機関区メイン通路に入った。」スーパーサーモグラフィックセンサーで追跡するクルーから報告が入る。
有紀は、その報告を聞きながら古代に偽りのサーシャが、通路に入った事を伝えた。
間髪入れずに古代は隔壁を閉鎖した。

「有紀さん。ピンポイントでデス・シャドウから砲撃を頼めないか?」
古代は赤く点滅するヤマトの図面モニタを指、指した。

「出来なくはないが…。」
「ヤマトを修理している時間は無いぞ。」
「この次元断層空間の時間の流れが変わろとしているからな。」

「…構わない。吹き飛ばしくれ……。」

「解った。」返事を返した有紀はデス・シャドウにピンポイント攻撃を要請した。
デス・シャドウに装備される四連装艦首ミサイル1発が、指定座標に発射された。
大きく揺れるヤマト。
勢いよく流出する爆炎と黒煙。
見るも無惨な満身創痍のヤマト。





デス・シャドウに牽引され、次元断層空間から脱出したヤマト。

だが、そんなヤマトに襲いかかるドメル艦隊主力部隊。
包囲しつつあった陣形を緊急ワープで脱出されたドメルにとっては、屈辱でしかなかった。
ドメルは半数近い200隻を率いり、逃がしたヤマトを捜索していたのだ。



「見つけたぞ。ヤマト!」

「バラン鎮守府と目と鼻の先に隠れていたとはな。」
「灯台下暗し。とはこの事か。」

「全艦!戦闘配置!」
「目標!ヤマト!及び星籍不明艦二隻!」



その時であった、突然、短距離ワープしたゴッド・ウイングのスターシャから古代に通信が飛び込む。

「古代さん。私の船、ゴッド・ウイング目掛け、波動砲を発射して!」
「時間が無いわ!急いで!」

満身創痍のヤマトを預かる古代も、デス・シャドウのハーロックたちも、耳を疑った。
だが、躊躇している暇はなかった。
ヤマトが波動砲発射体制を整える間、デス・シャドウがドメル主力艦隊に砲火を浴びせた。

「古代!俺たちも、時間稼ぎに出撃するぜ!!」
加藤率いるヤマト航空隊第一戦隊戦隊長:加藤の無線だった。

「だけじゃないぜ!!」
第二戦隊戦隊長:山本も、椎名や阪本、揚羽も、加藤の後に続いた。









「波動砲発射10秒前!」
「波動砲薬室内、エネルギー充填120パーセント!」
「波動砲、セーフティロック解除!!」
「対閃光、対ショックよし!」
「発射5秒前!」
「4.3.2.1.発射ーーーッ!!」



「波動フィールド最大展開!」

ヤマト艦首から発射された一条の超高出力波動エネルギー:波動光弾は、慈悲の心を持たない悪魔の吐き出す業火の如く、
波動フィールドに包まれたスターシャのゴッド・ウイング目掛け、突き進む。

「あの大砲か?何処を狙ってるんだ。恐怖で気でも狂ったか?」
ドメルの副官ゲールが失笑しながら云った。


※イメージ曲「space.battleship.yamato」より引用。

だが、それはすぐに青ざめた顔を覗かせる事に成る。
ヤマトの撃ち放った超波動光弾は波動フィールドを最大展開するゴッド・ウイングに直撃すると人工太陽に反射させ、ドメル主力艦隊の背後から何倍にも過剰した超波動光弾が襲いかかる。
瞬く間にドメル主力艦隊は消滅、また人工太陽を失った事により、バラン星の大気は急激に冷やされ、分厚い雲が形成され、超嵐を発生させた。
大雨により、バラン星ガミラス鎮守府は水没、同時に残りの艦隊も水没、バランの海の藻屑と消えた。


デス・シャドウのハーロックをはじめ、クルーが右舷側から見守り、スターシャと雪がゴッド・ウイングから見守る中、偽りのサーシャの犠牲者と成ったクルーたちと、ドメル戦で命を落としたクルーたちの宇宙葬が行われていた。

・艦長:沖田十三
・航海長:島大介
・解析・技術長:真田史郎
・通信長:相原義一
・砲雷長:南部康雄
・副航海長:太田健二郎

・機関長:徳川彦左衛門
・機関士:藪助治

・戦術科航空隊第一戦隊戦隊長
加藤三郎
・戦術科航空隊第二戦隊戦隊長
山本明
・他、各科クルー名104。合計114名。



「どうしても、ゆくのか?」
「もう、ヤマトも修復は不可能、波動エンジンも使い物にはならんだろ?」

「キャプテン。私がゴッド・ウイングで古代さんを乗せてゆきます。」
「私たちの未来の為にも。」

「そうか。ならば、ヤマトの負傷者はオレが太陽系まで送る。そこからは救命艇で向かわせる。」
「古代。また何時の日か遭う時があるかも知れん。」
「死ぬなよ。古代。」


第十三話へ
つづく。


使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。「ACE COMBAT」等などの拾い画を使用しています。
石津嵐氏小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。


二次創作ー宇宙戦艦ヤマトrebornー第十一話

2020-01-18 22:10:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn

第十一話


古代、ハーロックらと共闘でスパイを排除する策が実行される中、全てを見抜いていたかのようにサーシャは、アナライザーをショートさせ、反撃に打って出た。

「コイツの端末から艦内の様子を掴むとするかね。」
ショートさせたアナライザーの頭部を外し、艦内の動きを探る為、サーシャは自身の腕を外し、配線端末ケーブルとアナライザーの端末コネクターを接続、生きているコンピュータチップから艦内情報にアクセスした。

「℃¥#_$:……ワカリマシタ。」
「サーシャサンヲ、エイソウ……℃$¥#$/℃」
「ハーロックタチはハ、ミカタ…℃¥¥#$#/℃……℃$¥…ワカリマシタ。」

「やはりな。」



「ブリッジを墜しちまえば、あとは楽勝ってところだな。」




「雪。貴女(あなた)にコレを授けます。」
「地球の未来を貴女が変えてゆくのです。」
「でも、強制は致しませんわ。」



「…私が地球の……。」
「地球の……地球の未来…。」

「そう。貴女が新しい地球の未来。」
「エレメントとして生きてゆく事に成る。」
「レナトゥース・エネルギー・エレメントとして生きてゆく事に成るのです。」
「エレメントと云っても、姿は人間のままで、過ごせるのだけどね。」
「そうね。特殊能力を備えた人間。」
「…ただ、雪。貴女の死と共にその効力は消えてしまうの。」
「でもね。貴女の子供にも、この能力は受け継がれるわ。ただし、受け継がれるのは、女の子だけ。」

「イスカンダルが女王制なのは、この能力によるもの。"スターシャ"を守る事は未来永劫イスカンダルは浄化された大気が失われる事はなく、繁栄されるとされたからなの。」
「……でもね。今のイスカンダルは文化や文明は地球人類の予想を遥かに超えたものにこそ成ったけど、それでも侵略され、民は殺戮され滅んだわ。」
「まもなく、イスカンダルの大気も汚染された時代と変わらない程に、汚い惑星(ほし)に戻るわ。」
「私が脱出したからね。」
「だから、偽りのスターシャは私を連れ戻す為、アンドロイドの民を造ったの。」
「そして、自分が、自分の子孫が守られるように"スターシャ"を守れ"とインプットしたの。」
「それが"ガミラス"よ。」

「私は薦めたけど、最初に云ったように、雪。貴女自身で決めなければ成らない。」
「地球の未来は解らない。」
「イスカンダルが辿った路を歩むかも知れないし、いままでのような路を歩むかも知れない。」

「未来は変わるから……。」



「…サーシャさん。私、受け入れるわ。」
「今の地球が、地球人類が救われるなら。」

「分かったわ。」
そう云うと一錠の風邪薬ほどの小さなカプセルを手渡した。
「それを飲むと良いわ。受け入れる為の準備の薬よ。」
「貴女方で云うビタミン剤みたいなものよ。」
サーシャは笑顔を見せた。

雪はカプセルを口に含み、水で流し込んだ。
ビタミン剤と云われて飲んだカプセル、それは即効性の睡眠薬であった。
雪は液体ベッドに寝かされ、施術を施された。
手の小指の爪ほどの錠剤のようなものを子宮内に埋め込まれた。




「古代。アナライザーからの連絡はまだか?」
艦長沖田が口を開く。

「確かに遅いですね。」
「此方からは連絡を入れられませんので、自分が様子を見て来ます。」

「うむ。」
「…思い過ごしかも知れないが、胸騒ぎがするのでな。古代、コスモ銃(ガン)を携帯してゆけ。」

「了解しました。」
営倉区を目指す古代。
途中、有紀たちと鉢合わせした古代は理由(わけ)を伝えた。

「なるほどね。」

「ぎゃぁぁぁぁぁーーーッ!!」
突如、響き渡る悲鳴、鉢合わせした古代たちは目を丸くし、悲鳴が上がった方向へ顔を向けた。







「……何者?」

右舷陽電子粒子速射砲(パルスレーザー)塔群制御室から走り去る黒い人影。
古代らを見るなり、不適な笑みを見せつけた。


第十二話へ
つづく。


使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。「ACE COMBAT」等などの拾い画を使用しています。
石津嵐氏小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。

二次創作ー宇宙戦艦ヤマトrebornー第十話

2020-01-16 20:29:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn

第十話


一旦、話し合いを終え、それぞれが艦(ふね)に戻り、その時を待った。
古代は艦長沖田の意見を伺う為、報告を兼ね艦長室で報告をする事にした。

「…うむ。」
「大まかな話は分かった。」
「だが、古代。仮に、この話が本当だとして、サーシャをどうやって孤立させるかが問題だ。」

「その事ですが、ハーロックに協力を要請したいと思います。」
「ハーロックたちとの話し合いは決別し、白兵戦を仕掛けられた。という筋書きです。」
「そして、彼女サーシャはアナライザーに保護という形で営倉区へ移動して貰います。個室営倉にて確保、アナライザーによる暗号キーロックします。」これが自分たちが考えた案です。

「うむ。」

数分後、宇宙戦艦ヤマト艦長沖田は、決断を下し、古代から提案された案を実行に移した。

「艦長代理の古代だ。」
「全艦に達する。」
「全艦、戦闘配置!各位、白兵戦に備えよ!」
「繰り返す。全艦、戦闘配置!各位、白兵戦に備えよ!」古代はわざと、この艦内アナウンスが、偽りである事を示すアナウンスを流したのだ。
末端のクルー、一人一人に説明している時間が無いからだ。
だが、これは、この時代の軍属を目指した者なら、初期の段階で教わる共通した科目の一つなのだ。
これは"スパイ"が潜入しているまたは、その疑いがある者が、紛れていると判断した場合、該当者=スパイに気づかれない内容で伝えられる。

今回、古代が伝えた内容は、初期の初歩の内容である。
「艦長代理の古代だ。」これで、"ピン"と来る。
何らかの事情で艦長が不在であるならば、先ずは船務長が指揮を取るのが、通常で、更には船務長も不在ならば、次に階級が高い者が指揮を取る。
確かに現在、ヤマトは船務長は不在ではあるが、次に階級が高い者は機関長の徳川又は解析・技術長の真田が指揮を取るのだが、いきなり古代が艦長代理を名乗った事で、クルーは"スパイ"が存在すると感じ取る。

訓練とは違い、実戦での"このアナウンスは緊張感を高めていた。

「第一主砲、初弾撃て!」沖田の命令が飛んだ。



青白エネルギー光弾がデス・シャドウを掠めてゆく。
これを合図とし、デス・シャドウからチューブアンカーが打ち込まれた。

「有紀。本気でゆけ。」

「了解。」



ヤマト艦内に緊急アラートが響き渡る。
同時に左舷艦首、第一主砲塔下に突き刺さるチューブアンカーの先端が、植物が開花するように開いた。
数秒後、軽武装したゴッド・ウイングで紹介された有紀蛍を先頭に血気盛んな白兵戦慣れというか、戦闘、格闘に精通した十数名が、若き指揮官:有紀蛍の指揮の下、統制を保ち侵入した。

「早い!ものの数分で、第一、第二主砲塔が制圧された!」艦内モニタを覗く、相原が告げた。

「アナライザー!サーシャさんを保護、営倉区へ移動せよ!」この案(策)を練った古代は、スムーズに策を進める為、次の段階へ駒を進めた。




「不愉快ね。」

「…ソウイワレマシテモ……。」
「ソレヨリ、アナタヲ、オマモリスルコトガ、ユウセンデス。」

「あら、それなら尚更ねッ!!」その言葉と入れ替わるようにサーシャは変体、アナライザーをショートさせ、機能停止させた。



「悪いわね。私、か弱い人間じゃないのよね。」
「このまま「はい。そうですか。」と拘束される訳にはいかなのよ。」


第十一話へ
つづく。


使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。「ACE COMBAT」等などの拾い画を使用しています。
石津嵐氏小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。

二次創作ー宇宙戦艦ヤマトrebornー第九話

2020-01-13 14:38:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn

第九話


次元断層空間に落ちた、宇宙戦艦ヤマトのクルー古代と接触したイスカンダルのスターシャ。
そのスターシャの乗船するゴッド・ウイングの真横に、浮遊する宇宙戦艦ヤマトの目と鼻の先ほどの距離に着弾した高エネルギー光弾。
警告射撃なのだろう。

「その宇宙船(ふね)に手を出すな。」と告げて来た。
そして、星籍と所属を教えろと_。



「私は、この艦(ふね)の艦長沖田だ。」
「この艦は、太陽系第三惑星地球所属である。」
「我々は旅の途中でワープトラブルでこの空間に落ちてしまった。」
「そして、脱出方法を探っているところに、眼前の宇宙船と遭遇、もしかしたら生存者がと思い、使者として私の部下を派遣した。」
「貴艦とやり合うつもりもない。」
「以上だ。」



「なるほど。」
「我が艦(ふね)はデス・シャドウ。」
「貴艦と違って、星籍を持たない艦(ふね)だ。」
「脱出したいのなら、このデス・シャドウが手を貸そう。」
「早々にあの宇宙船から使者を引き上げさせろ。五分だけ待つ。以上だ。」
そこで一旦、音声通信は「通信不可」と表示され、通話が出来なく成った。

一方、ゴッド・ウイング内では、敵意を感じない事から、スターシャを名乗る少女から、衝撃的な話を古代らは聞かされていた。

「…今、何と?」古代は再び聞き返した。

「私はイスカンダルのスターシャ。」

「私はイスカンダルを脱出し、別の銀河へ赴く途中でした。」
「そして、あのバラン星宙域で"バラノドン"たちに襲われる一隻の軍艦と遭遇したのです。」
「私は、それを見過ごす訳には行かなかった…。」
「たとえそれが、私の故郷(ふるさと)イスカンダルを窮地に追い込んだ者たちの艦(ふね)でも…。」

「イスカンダルを窮地に追い込んだ者たち?」古代よりも先に椎名が云った。

「そうです。イスカンダルを窮地に追い込んだ者たち、ガミラスです。」

その言葉に古代も椎名も、驚いた顔を覗かせ後退りした。

「…ガミラス。」

「我々も自分たちの星をガミラスによって滅ぼうされかけている。」
「我々が向かうとしているイスカンダルから使者が訪れ、地球を救えると…。」

「…地球……。」スターシャは古代の眼を見つめた。
「古代さん。貴方方に会わせたい方が居ます。」
そう云ってスターシャは、右手の手の掌をそっとコックピットの奥をかざした。
すると、人が一人入れるくらいのカプセルが現れた。
「カチッ。」と音が成ると、カプセルの上の部分が「スー」と開いた。
湯けむりのような気体に包まれ、もやもやする湯けむりのような気体から見栄隠れする姿は、人のように思えた。
髪は肩の辺りまである栗毛色したセミロングの髪で、スラッと伸びた手と足、そして、何も纏わない美しい裸体をさらけ出した一人の女性が現れたのだ。

古代も椎名も、目を丸くした。

「……女の人………。」

「綺麗……。」目を「ぱちくり」させ、頬を紅く染めた椎名が、ゆっくりと彼女に近づいた。

「……貴女、人間…。」

「クスッ。」と笑顔を覗かせて綺麗な裸体をさらけ出した女性は、こう告げた。
「驚かして、ごめんなさい。」
「わたし、人間よ。」
「地球人よ。」
まじまじと見つめる古代に気がついたようで、その女性はとっさに胸に手を宛がい、しゃがみ込むと頬を紅く染めた。
「…きゃぁぁぁ。」と後ろ向き、左手に着けているブレスレットのようなものを弄った。
裸体だった身体は何かに包まれていった。


太陽系連邦軍の制服に似た服を纏った女性に変わった。

「驚かして、ごめんなさい。」
「私は地球人。」
「森雪。」
「これでも、わたし、軍に籍を置いていたのよ。」
「太陽系連邦軍のね。」
「ミサイル駆逐艦:雪風、衛生長だったの。」



「…雪風の…雪風の生き残りなのか?」
「雪風の艦長、古代守はどうなったのです?」
そう古代が訪ねた時であった、またもや宇宙船が激しく揺れた。



そう、デス・シャドウが再び警告射撃を撃ったのだ。

「キャプテン!撃ってはいけない!」スターシャは叫ぶと同時に感応波を飛ばした。
「ピタリ。」と砲撃は止んだ。

「キャプテン。この方たちは地球の民。」
「撃ってはいけない。」
「わたしに危害を加える事はないわ。」

そんな中、ヤマト艦内で一人黄昏ていたサーシャが、動きはじめた_。



「もう。ハンデは要らないわね。」
「私の実態がバレるのも時間の問題かしらね。」
「本物のスターシャが、現れたのね。」
「少し、様子をうかがいましょうかね。」
「あの、次元断層空間を自由に航行出来る宇宙戦艦も、気になるし。」


古代らは、スターシャの提案で、スターシャが今、一番安全場所であるゴッド・ウイング内で、対面して話し合いをする事と成った。
ヤマトからは真田少佐とアナライザーが加わり、デス・シャドウからはキャプテンと呼ばれるハーロックと随行員として、有紀螢が話し合いに参加した。

古代は参加者が揃ったところで、改めて自己紹介を済ませ、話を切り出した。

「自分たちは地球人で、宇宙戦艦ヤマトのクルーです。
今、地球はガミラスを名乗る異星人の侵略を受け、我々、地球人類はもう一年以下という僅かな日数で死滅する程にまで、追い込まれました。
ですが、イスカンダルのスターシャと名乗る方から救いの手を差しのべられ、サーシャと名乗る妹から、今の地球では造り出す事の出来ない"波動エンジン"を入手、地球を地球人類を救う為、イスカンダル星を目指していました。」

「何らかの拍子で、この次元断層空間へ落ちた。」
古代の話に割って入ったハーロック。

「そうです。それからはご存知の通りです。」

「…なるほど。」ハーロックは一通り、集まる顔ぶれを見た。
「真田。アナライザー。久しぶりだな。」
ハーロックは唐突に話を振った。

「わたしも気がついていたわ。ロボちゃん。」
ハーロックも雪も、真田、アナライザーは繋がりがあるようだった。

そう、ハーロックと真田は同期で、アナライザーは雪が雪風に配属に成るまで、連邦政府管理の中央病院にて、雪の助手をしていたのだ。

「ユキ。オヒサシブリデス。デス。」

「アハハ。」と笑うハーロック。

「話は分かった。」
「だが、古代進と言ったな!?」

「はい。」

「時、既に遅しだよ。」
「イスカンダルは、最早、女神スターシャの住む惑星(ほし)では無い!」
「君たちの目の前に要るスターシャこそが女神スターシャの末裔で、本物のスターシャだ。」
「今から、そう、ガミラスと地球が戦争に突入した頃、イスカンダルもまた、別銀河の異星人によって侵略され、このスターシャを残し、先代のスターシャ、この娘の母親は、この娘を助ける為、犠牲に成った。」
「丁度、俺たちが第一次冥王星奪還作戦を遂行している頃だ。」
「俺たちは、デス・シャドウは轟沈寸前、不思議な現象により、一度、この次元断層空間に落ちたんだ。」
「だが、ある日、俺の親友で真田や守の親友でもある大山敏郎が脱出する事に成功させた。
「それからは、俺たちは軍を無許可だが抜け、ご覧の通りだ。」
「そんなある日、このスターシャの宇宙船が、バラン星に生息する普段はおとなしい宇宙生物バラノドンたちに襲われているところを発見、救助した。」
「それからは、付かず離れず見守っているというわけさ。」



「話は変わるけど、進さんってキャプテンに勝るとも劣らず、イケメンね。」
「私の理想(タイプ)かも。」

「えっ!?だめ!古代さんはダメ!」
「駄目なんだから!」
顔を紅く頬を膨らませ口を尖らせ椎名が慌ただしく言った。

「…椎名。落ち着け。」

「うふふ。残念ね。」

「話がそれたが、事は一大事だぞ。戦術長。」
「ヤマトに乗艦しているサーシャは、イスカンダルいや、スターシャとは何らか関係が無い事に成る!」

「……真田さん。」

「進さん。先ずは目の前の危機を排除しては?」
「雪さんは、私がお守り致します。」
「キャプテンは、進さんに力を貸して差し上げて。」

「うむ。」
「どうする?古代。」ハーロックは古代を見つめながら告げた。

「…目の前の危機を排除し、イスカンダルを目指す。」
「キャプテン。力を貸してくれませんか?」

「話は決まりだな。」


第十話へ
つづく。


使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。「ACE COMBAT」等などの拾い画を使用しています。
石津嵐氏小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。