鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

二次創作ー宇宙戦艦ヤマトrebornー第九話

2020-01-13 14:38:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn

第九話


次元断層空間に落ちた、宇宙戦艦ヤマトのクルー古代と接触したイスカンダルのスターシャ。
そのスターシャの乗船するゴッド・ウイングの真横に、浮遊する宇宙戦艦ヤマトの目と鼻の先ほどの距離に着弾した高エネルギー光弾。
警告射撃なのだろう。

「その宇宙船(ふね)に手を出すな。」と告げて来た。
そして、星籍と所属を教えろと_。



「私は、この艦(ふね)の艦長沖田だ。」
「この艦は、太陽系第三惑星地球所属である。」
「我々は旅の途中でワープトラブルでこの空間に落ちてしまった。」
「そして、脱出方法を探っているところに、眼前の宇宙船と遭遇、もしかしたら生存者がと思い、使者として私の部下を派遣した。」
「貴艦とやり合うつもりもない。」
「以上だ。」



「なるほど。」
「我が艦(ふね)はデス・シャドウ。」
「貴艦と違って、星籍を持たない艦(ふね)だ。」
「脱出したいのなら、このデス・シャドウが手を貸そう。」
「早々にあの宇宙船から使者を引き上げさせろ。五分だけ待つ。以上だ。」
そこで一旦、音声通信は「通信不可」と表示され、通話が出来なく成った。

一方、ゴッド・ウイング内では、敵意を感じない事から、スターシャを名乗る少女から、衝撃的な話を古代らは聞かされていた。

「…今、何と?」古代は再び聞き返した。

「私はイスカンダルのスターシャ。」

「私はイスカンダルを脱出し、別の銀河へ赴く途中でした。」
「そして、あのバラン星宙域で"バラノドン"たちに襲われる一隻の軍艦と遭遇したのです。」
「私は、それを見過ごす訳には行かなかった…。」
「たとえそれが、私の故郷(ふるさと)イスカンダルを窮地に追い込んだ者たちの艦(ふね)でも…。」

「イスカンダルを窮地に追い込んだ者たち?」古代よりも先に椎名が云った。

「そうです。イスカンダルを窮地に追い込んだ者たち、ガミラスです。」

その言葉に古代も椎名も、驚いた顔を覗かせ後退りした。

「…ガミラス。」

「我々も自分たちの星をガミラスによって滅ぼうされかけている。」
「我々が向かうとしているイスカンダルから使者が訪れ、地球を救えると…。」

「…地球……。」スターシャは古代の眼を見つめた。
「古代さん。貴方方に会わせたい方が居ます。」
そう云ってスターシャは、右手の手の掌をそっとコックピットの奥をかざした。
すると、人が一人入れるくらいのカプセルが現れた。
「カチッ。」と音が成ると、カプセルの上の部分が「スー」と開いた。
湯けむりのような気体に包まれ、もやもやする湯けむりのような気体から見栄隠れする姿は、人のように思えた。
髪は肩の辺りまである栗毛色したセミロングの髪で、スラッと伸びた手と足、そして、何も纏わない美しい裸体をさらけ出した一人の女性が現れたのだ。

古代も椎名も、目を丸くした。

「……女の人………。」

「綺麗……。」目を「ぱちくり」させ、頬を紅く染めた椎名が、ゆっくりと彼女に近づいた。

「……貴女、人間…。」

「クスッ。」と笑顔を覗かせて綺麗な裸体をさらけ出した女性は、こう告げた。
「驚かして、ごめんなさい。」
「わたし、人間よ。」
「地球人よ。」
まじまじと見つめる古代に気がついたようで、その女性はとっさに胸に手を宛がい、しゃがみ込むと頬を紅く染めた。
「…きゃぁぁぁ。」と後ろ向き、左手に着けているブレスレットのようなものを弄った。
裸体だった身体は何かに包まれていった。


太陽系連邦軍の制服に似た服を纏った女性に変わった。

「驚かして、ごめんなさい。」
「私は地球人。」
「森雪。」
「これでも、わたし、軍に籍を置いていたのよ。」
「太陽系連邦軍のね。」
「ミサイル駆逐艦:雪風、衛生長だったの。」



「…雪風の…雪風の生き残りなのか?」
「雪風の艦長、古代守はどうなったのです?」
そう古代が訪ねた時であった、またもや宇宙船が激しく揺れた。



そう、デス・シャドウが再び警告射撃を撃ったのだ。

「キャプテン!撃ってはいけない!」スターシャは叫ぶと同時に感応波を飛ばした。
「ピタリ。」と砲撃は止んだ。

「キャプテン。この方たちは地球の民。」
「撃ってはいけない。」
「わたしに危害を加える事はないわ。」

そんな中、ヤマト艦内で一人黄昏ていたサーシャが、動きはじめた_。



「もう。ハンデは要らないわね。」
「私の実態がバレるのも時間の問題かしらね。」
「本物のスターシャが、現れたのね。」
「少し、様子をうかがいましょうかね。」
「あの、次元断層空間を自由に航行出来る宇宙戦艦も、気になるし。」


古代らは、スターシャの提案で、スターシャが今、一番安全場所であるゴッド・ウイング内で、対面して話し合いをする事と成った。
ヤマトからは真田少佐とアナライザーが加わり、デス・シャドウからはキャプテンと呼ばれるハーロックと随行員として、有紀螢が話し合いに参加した。

古代は参加者が揃ったところで、改めて自己紹介を済ませ、話を切り出した。

「自分たちは地球人で、宇宙戦艦ヤマトのクルーです。
今、地球はガミラスを名乗る異星人の侵略を受け、我々、地球人類はもう一年以下という僅かな日数で死滅する程にまで、追い込まれました。
ですが、イスカンダルのスターシャと名乗る方から救いの手を差しのべられ、サーシャと名乗る妹から、今の地球では造り出す事の出来ない"波動エンジン"を入手、地球を地球人類を救う為、イスカンダル星を目指していました。」

「何らかの拍子で、この次元断層空間へ落ちた。」
古代の話に割って入ったハーロック。

「そうです。それからはご存知の通りです。」

「…なるほど。」ハーロックは一通り、集まる顔ぶれを見た。
「真田。アナライザー。久しぶりだな。」
ハーロックは唐突に話を振った。

「わたしも気がついていたわ。ロボちゃん。」
ハーロックも雪も、真田、アナライザーは繋がりがあるようだった。

そう、ハーロックと真田は同期で、アナライザーは雪が雪風に配属に成るまで、連邦政府管理の中央病院にて、雪の助手をしていたのだ。

「ユキ。オヒサシブリデス。デス。」

「アハハ。」と笑うハーロック。

「話は分かった。」
「だが、古代進と言ったな!?」

「はい。」

「時、既に遅しだよ。」
「イスカンダルは、最早、女神スターシャの住む惑星(ほし)では無い!」
「君たちの目の前に要るスターシャこそが女神スターシャの末裔で、本物のスターシャだ。」
「今から、そう、ガミラスと地球が戦争に突入した頃、イスカンダルもまた、別銀河の異星人によって侵略され、このスターシャを残し、先代のスターシャ、この娘の母親は、この娘を助ける為、犠牲に成った。」
「丁度、俺たちが第一次冥王星奪還作戦を遂行している頃だ。」
「俺たちは、デス・シャドウは轟沈寸前、不思議な現象により、一度、この次元断層空間に落ちたんだ。」
「だが、ある日、俺の親友で真田や守の親友でもある大山敏郎が脱出する事に成功させた。
「それからは、俺たちは軍を無許可だが抜け、ご覧の通りだ。」
「そんなある日、このスターシャの宇宙船が、バラン星に生息する普段はおとなしい宇宙生物バラノドンたちに襲われているところを発見、救助した。」
「それからは、付かず離れず見守っているというわけさ。」



「話は変わるけど、進さんってキャプテンに勝るとも劣らず、イケメンね。」
「私の理想(タイプ)かも。」

「えっ!?だめ!古代さんはダメ!」
「駄目なんだから!」
顔を紅く頬を膨らませ口を尖らせ椎名が慌ただしく言った。

「…椎名。落ち着け。」

「うふふ。残念ね。」

「話がそれたが、事は一大事だぞ。戦術長。」
「ヤマトに乗艦しているサーシャは、イスカンダルいや、スターシャとは何らか関係が無い事に成る!」

「……真田さん。」

「進さん。先ずは目の前の危機を排除しては?」
「雪さんは、私がお守り致します。」
「キャプテンは、進さんに力を貸して差し上げて。」

「うむ。」
「どうする?古代。」ハーロックは古代を見つめながら告げた。

「…目の前の危機を排除し、イスカンダルを目指す。」
「キャプテン。力を貸してくれませんか?」

「話は決まりだな。」


第十話へ
つづく。


使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。「ACE COMBAT」等などの拾い画を使用しています。
石津嵐氏小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。

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