鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

二次創作ー宇宙戦艦ヤマトrebornー第十二話

2020-01-19 21:47:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn

第十二話


逃げてゆく黒衣の人物を目で追いながら、古代はインカムで第一艦橋へ報告をいれ、陽電子粒子速射砲塔群制御室に向かった。

「………。」言葉を失う古代。

「…なんて惨(むご)い……。」制御室のクルー八名の変わり果てた姿を見た古代に動向した有紀が、小声で口を開いた。

古代たちが駆けつけた時には、息をしている者はなく、それどころか残虐な殺し方をした割には、壁や床そして計器類にはそれほど血痕はなかった。
どの遺体も切断された部位には焼かれたような跡が、見られた。
熱伝導式の鋭い刃物のようなもので、殺害されたと推測出来た。

「艦橋!艦内モニタを全てチェック、黒衣の人物の居場所を突き止めて欲しい!」
「現在、黒衣の人物は八名を殺害、中央エレベーター方向へ逃走した!」

「……コチラ……相原…現在、らしき人物と………。」
「…ガガガ…ッーーーッーーー……。」

「艦橋?第一艦橋、相原!」
「返事をしろッ!!」

「沖田艦長!此方、古代!」

「……艦長ッ!!」

古代の呼び掛けに誰も応答する者が居なかった…。

「…古代。艦橋は諦めろ……。」
そばに居た有紀が告げた。

「…お前に、お前に何が解る!?」

「…解るさ。この無線のやり取りを見れば……。」
「古代と言ったね。艦橋の次にアイツが狙う場所を特定して、その場所にアイツがたどり着く前に仕留めるしか方法は無い!」

「認めたくないのは、解らないでもない。受け止めるしかないんだよ。」

「……。」

古代は愕然と肩を落とし、返事を返せずにいた。
そんなに矢先、有紀のインカムには、ハーロックから報告が、届いていた。

「有紀。落ち着いて聞け。」
「次元断層空間の時間の流れが変わろとしている。」
「その兆しが現れた。急いで帰投せよ。」 であった。
有紀は、すぐさまヤマトの状況を報告すると同時に、デス・シャドウから偽りのサーシャの居場所を特定して欲しいと具申した。
ハーロックは解析が得意なクルーにスーパーサーモグラフィックセンサーを使わせ、偽りのサーシャの居場所を特定させた。
2~3分が過ぎ、デス・シャドウのクルーから有紀に連絡が入った。
「現在、エレベーターにて下を目指しているようだ。」
「おそらく、機関区を目指していると思われる。」
「追跡を続行します。」

「了解。」

「古代。アイツは機関区を目指してる。」
「機関区に入る前にアイツを倒さなければ、ヤマトが沈むぞ。」
「…古代!艦橋の様子が気になるのは解らなくもないけど、今はアイツを倒す事が先決なんじゃないのか?」

有紀は、無言な古代の肩を掴み、揺さぶった。

「…解っている……。」
「ボソッ」と返事を返すと、制御室のコンピュータから機関室入口のメイン通路の隔壁を閉鎖、偽りのサーシャが、この通路に入ったところで、もう片方の隔壁を閉鎖する準備に入った。

「有紀隊長。例の人物は機関区メイン通路に入った。」スーパーサーモグラフィックセンサーで追跡するクルーから報告が入る。
有紀は、その報告を聞きながら古代に偽りのサーシャが、通路に入った事を伝えた。
間髪入れずに古代は隔壁を閉鎖した。

「有紀さん。ピンポイントでデス・シャドウから砲撃を頼めないか?」
古代は赤く点滅するヤマトの図面モニタを指、指した。

「出来なくはないが…。」
「ヤマトを修理している時間は無いぞ。」
「この次元断層空間の時間の流れが変わろとしているからな。」

「…構わない。吹き飛ばしくれ……。」

「解った。」返事を返した有紀はデス・シャドウにピンポイント攻撃を要請した。
デス・シャドウに装備される四連装艦首ミサイル1発が、指定座標に発射された。
大きく揺れるヤマト。
勢いよく流出する爆炎と黒煙。
見るも無惨な満身創痍のヤマト。





デス・シャドウに牽引され、次元断層空間から脱出したヤマト。

だが、そんなヤマトに襲いかかるドメル艦隊主力部隊。
包囲しつつあった陣形を緊急ワープで脱出されたドメルにとっては、屈辱でしかなかった。
ドメルは半数近い200隻を率いり、逃がしたヤマトを捜索していたのだ。



「見つけたぞ。ヤマト!」

「バラン鎮守府と目と鼻の先に隠れていたとはな。」
「灯台下暗し。とはこの事か。」

「全艦!戦闘配置!」
「目標!ヤマト!及び星籍不明艦二隻!」



その時であった、突然、短距離ワープしたゴッド・ウイングのスターシャから古代に通信が飛び込む。

「古代さん。私の船、ゴッド・ウイング目掛け、波動砲を発射して!」
「時間が無いわ!急いで!」

満身創痍のヤマトを預かる古代も、デス・シャドウのハーロックたちも、耳を疑った。
だが、躊躇している暇はなかった。
ヤマトが波動砲発射体制を整える間、デス・シャドウがドメル主力艦隊に砲火を浴びせた。

「古代!俺たちも、時間稼ぎに出撃するぜ!!」
加藤率いるヤマト航空隊第一戦隊戦隊長:加藤の無線だった。

「だけじゃないぜ!!」
第二戦隊戦隊長:山本も、椎名や阪本、揚羽も、加藤の後に続いた。









「波動砲発射10秒前!」
「波動砲薬室内、エネルギー充填120パーセント!」
「波動砲、セーフティロック解除!!」
「対閃光、対ショックよし!」
「発射5秒前!」
「4.3.2.1.発射ーーーッ!!」



「波動フィールド最大展開!」

ヤマト艦首から発射された一条の超高出力波動エネルギー:波動光弾は、慈悲の心を持たない悪魔の吐き出す業火の如く、
波動フィールドに包まれたスターシャのゴッド・ウイング目掛け、突き進む。

「あの大砲か?何処を狙ってるんだ。恐怖で気でも狂ったか?」
ドメルの副官ゲールが失笑しながら云った。


※イメージ曲「space.battleship.yamato」より引用。

だが、それはすぐに青ざめた顔を覗かせる事に成る。
ヤマトの撃ち放った超波動光弾は波動フィールドを最大展開するゴッド・ウイングに直撃すると人工太陽に反射させ、ドメル主力艦隊の背後から何倍にも過剰した超波動光弾が襲いかかる。
瞬く間にドメル主力艦隊は消滅、また人工太陽を失った事により、バラン星の大気は急激に冷やされ、分厚い雲が形成され、超嵐を発生させた。
大雨により、バラン星ガミラス鎮守府は水没、同時に残りの艦隊も水没、バランの海の藻屑と消えた。


デス・シャドウのハーロックをはじめ、クルーが右舷側から見守り、スターシャと雪がゴッド・ウイングから見守る中、偽りのサーシャの犠牲者と成ったクルーたちと、ドメル戦で命を落としたクルーたちの宇宙葬が行われていた。

・艦長:沖田十三
・航海長:島大介
・解析・技術長:真田史郎
・通信長:相原義一
・砲雷長:南部康雄
・副航海長:太田健二郎

・機関長:徳川彦左衛門
・機関士:藪助治

・戦術科航空隊第一戦隊戦隊長
加藤三郎
・戦術科航空隊第二戦隊戦隊長
山本明
・他、各科クルー名104。合計114名。



「どうしても、ゆくのか?」
「もう、ヤマトも修復は不可能、波動エンジンも使い物にはならんだろ?」

「キャプテン。私がゴッド・ウイングで古代さんを乗せてゆきます。」
「私たちの未来の為にも。」

「そうか。ならば、ヤマトの負傷者はオレが太陽系まで送る。そこからは救命艇で向かわせる。」
「古代。また何時の日か遭う時があるかも知れん。」
「死ぬなよ。古代。」


第十三話へ
つづく。


使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。「ACE COMBAT」等などの拾い画を使用しています。
石津嵐氏小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。


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