感染症内科への道標

研究学園都市つくばより感染症診療・微生物検査・感染制御の最新情報を発信しております。

バベシア症

2012-07-26 | ワクチン・Travel Medicine
Human Babesiosis
Edouard Vannier et al
N Engl J Med 2012;366:2397-407

100種類を超える動物に感染するバベシオーシスの内、人に感染するのは数種類である。この大部分は米国ではB.microtiによって引き起こされる。北東、中西部で5-10月に多い。
White tailed deer populationの部分に寄与するが、報告されてないことが多い。 
少数ではB.duncaniとB. duncani によって引き起こされ北カルフォルニア-ワシントン州にかけて分布している。欧州では多くはB.divergensによって引き起こされる。 

B.microtiは主にI.scapularisによって伝播する。 
Primary reservoirはwhite-footed mouseである。
多くは晩春から夏にかけて刺されることによる。
欧州ではI.ricinusがprimary vectorである。 
B.microtiは輸血後の伝播でも報告されている。 

症状:無症状からfulminating diseaseまで差がある。多くは刺されてから1-4週、輸血後1-9週で発症する。倦怠感、発熱。頭痛、筋肉痛、食欲不振、non productive cough, 関節痛、吐き気が起こるかもしれない。発熱が最も一般的兆候であり、脾腫、pharyngeal erythemaが起こるかもしれない。肝腫大、黄疸、splinter hemorrhages, retinal infarctsを伴うretinopathyが起こることがある。血液所見では溶血性貧血、血小板減少が1-2週間続く。疲労感は月単位で続くかもしれない。子供の半分と成人の1/4は感染しても無症状である。B.microtiは脾臓摘出後、担癌患者、HIV、hemoglobinopathy, chornic heart, lung or liver diseasesで重症化しやすい。又高齢、免疫抑制薬、臓器移植御、anticytokine therapy も同様である。 

診断はmicroscopical identification of babesia on thin blood smears with Giemsa or Wright stainingである。Ring formsがP.falciparumと似るが、と渡航歴とa careful review of blood smearsで鑑別できる。
治療はatovaquone とazithiromycinの併用である。Clindamycin+quinineも同等
軽症でも治療する。 
Parasitesが3カ月以上認められた時はasymptomatic carriersと診断する。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 敗血症性ショックの成人に対... | トップ | プロカルシトニン »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ワクチン・Travel Medicine」カテゴリの最新記事