地形学とGIS / Geomorphology & GIS

ある研究者の活動と思考の記録

鈴木秀夫先生

2010-05-07 | ひと
学部と大学院で地理学を教えていただいた,名誉教授の鈴木秀夫先生を訪問しました.鈴木先生は多数の先駆的な研究を行われ,その内容は気候区分,周氷河地形,気候と宗教・言語・歴史との関係といった広い領域に及んでいます.

僕を含め,鈴木先生に感化を受けた地理研究者が多数います.僕は自分のGISの授業の中で,鈴木先生の研究を必ず紹介しています.GISがなかった時代のものですが,分布図の作成の科学的意義を示した先生の研究を,GISと共に教えるべきと考えています.

先生の影響は,著書などを通じて今の若手にも及んでいます.そこで,鈴木先生に一度お会いしたいと望んでいた若手と先生との面会を,約20年前に先生の授業を受けた江崎さんと企画しました.若手の参加者は目代さん,財城さん,赤坂さんでした.

当初は横浜の居酒屋での開催を予定していましたが,鈴木先生がわざわざ自宅によんで下さいました.かつては年に一度,鈴木先生のお宅でパーティがあり,学部生は全員が招待されました.その時の定番だったエチオピア・カレーを,ビールやワインと共にいただきました.江崎さんと,懐かしさに感動していました.

食事をしながら鈴木先生の著書や留学時代に関するお話を,いろいろ伺いました.目代さんは著書の一つにあった鈴木先生の写真が,今とほとんど変わらないと言っていました.話し方も以前と変わらない感じで,大変お元気でした.

結局,5時間近くも談笑し,最後は写真のようにサイン会になりました.ほぼ終電で帰宅しましたが,実に楽しい時間でした.鈴木先生と奥様には大変お世話になりました.ありがとうございました.

I remember once, as a child at school.
My teacher calling me.
(I Remember Once / Gilbert O'Sullivan)

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4 コメント

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なつかしい (たなか)
2010-05-16 19:27:46
鈴木先生お元気そうで何よりです。僕も行きたかったなあ(笑い)
確かにさまざまな分布図を用いてそこから話が展開されていくのは目からうろこでした。鈴木先生のされたお話は基本的にGISの手法で、何が違うかというと、処理時間が長いか短いか(手作業でやるか、PCで一瞬でやるか)くらいではと思ったりします(GISの専門でない僕が偉そうなことを言ってすみません)。その意味でも先駆的ですね。1983年秋の韓国巡検思い出します。あのときは何にも考えていなかったけれど、先生が強調していらっしゃった意味がなんとなく理解できるようになりました。それとまさか韓国で働くようになるとは夢にも思いませんでした。面白いですね。
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あずましい (OGU)
2010-05-17 17:05:12
鈴木邸は北海道弁の「あずましい」でしたね.田中さんの話題も当然出まして,韓国で勤務されていることは鈴木先生にも印象的な話のようです.奥さんがモンゴル人だと話したら驚いていました.

GISの地図作成機能に関する理解は,田中さんのコメント通りと思います.解析機能になると違う面もありますが,「似た分布図を2枚見つけて因果関係を探る」という鈴木地理学の基本は,GISの解析に通じるものがあります.
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おばんでした (たなか)
2010-05-19 20:57:44
あずましかったかい?いがったね。

確かに解析機能は違うこともありますね。でも分布図の比較からいろんなことが言えるというのは新鮮でした。

鈴木先生が”韓国は西アジアから続く乾燥地域の東の端”というようなことをおっしゃっていたことを記憶しています。”森林の思考砂漠の思考”でしたっけ?地形プロセスなど自然環境の面からも乾燥地域的なものを感じるのですが、ブレークスルーができない状態ですねえ。
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基盤です (OGU)
2010-05-20 19:27:02
分布図の話や,「完全な証明は不可能だから,仮説主導で楽しく研究をしよう」とか,鈴木先生に教わった考え方は,僕の基盤になっています.

韓国の話,かすかに記憶にあります.確かに湿潤な日本・台湾とはいろいろ違いますね.チェジュあたりは微妙ですが.
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