地形学とGIS / Geomorphology & GIS

ある研究者の活動と思考の記録

エアーズロック(Ayers Rock)の発音

2010-07-15 | つれづれ
先日,ツイッターでグーグルアースに関する話を書いた.その際に,オーストラリアのエアーズロックをエイヤーズロックとタイプした.少し後に,誤りを指摘して下さった方がいた.

僕は現地に行ったことがなく,この地名を意識したこともなかったが,会話ではずっと「エイヤー」のように発音していた.その方が言いやすいので間違えたのか,どこかでエイヤーのような音を聞いたのかが気になった.

そこで,元の綴り Ayers Rock の発音を,オンライン辞書で調べてみたところ,エイヤーズのようなものと,エアーズのようなものが両方あることがわかった.

さらに,この発音についてはネイティブの間でも議論があり,アメリカ人が「エイヤーズとエアーズの中間の音だろう」と書いていることもわかった.

一方,日本語ではエアーズで統一されているようだ.そのことが,「空気の岩の意味」という誤解を一部で生んでいることも,ネットの検索でわかった.実際にはオーストラリアの政治家 Henry Ayers にちなんだ名前である.最近はアボリジニの呼び方であるウルル(Uluru)も広く使われている.

結局,自分がなぜエアーズではなくエイヤーズと憶えたのかは判然としない.でも,二つ思い当たることがある.一つは以前にダウンロードした,エアーズロックが出てくる英語の動画.改めて見たところ,そこでの発音はエイヤーズに近かった.もう一つは,地理学教室の元教授の話.それは,「研究に行き詰まったら,細かく考えるのはやめて,エイヤーとやればいいんだよ」というもの.それを聞いて以来,エイヤーという言葉が頭から離れない気がする.

It's so good to know there's still a little magic in the air.
(Brighton Rock / Queen)

*写真はウィキペディア・コモンズのパブリック・ドメインです.

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4 コメント

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ウルウル (田代博)
2010-07-16 11:54:04
小口先生 興味深く拝見しました。ウルル、ウルウルしてきます(^_^)。ところで、どこかで「エイヤーとやれば」を書いたところ、T大系の方ですか、という反応が返ってきました。T大も沢山ありますから、まあその系統の一つではありますが、その時は、そうではありませんと応えました。「エイヤー」はいわゆるT大地理の文化なのでしょうか(^_^;)。


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ユルユル (OGU)
2010-07-16 23:13:16
田代先生,確かにアボリジニの辛い歴史を考えると,エアーズロックがウルルと呼ばれ始めたことはウルウルです.

エイヤー思想,確かに旧T大地理の一系統です.僕も恐らくその一人です.いい加減で,ユルユルです.

でも,エイヤーと言った先生は,本当にエイヤーでした.論文の前半の記載は実に緻密.でも後半の考察に入ると,いきなり夢物語に.当時は論文の査読とかも緩く,良い時代でした.
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エイヤー文化援軍? (たなか)
2010-07-20 23:33:10
おばんでした。久々の登場です。
本来地名はそこのNativeの呼び名が尊重されるべきものだと思います。ただそれが国際的にどのくらい認知されているかという難しい問題もありますが。。。
エイヤー文化ですが、僕は決して否定はしません。厳密すぎるよりもむしろ新しい視点を生み出すものがあると思っていますから。。。
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テイネー文化??? (OGU)
2010-07-22 06:33:12
ウルルの呼び方は,オーストラリア等ではかなり広がってきているようですね.地元でそういう変化が起きても,日本などの遠方にはすぐに入ってこない.以前,ウィリーウィリーの例をこのブログで書きました.その時よりも情報の伝達ははるかに早いはずですが,やはり同時ではない.

そういえば,「エイヤーとやればいいんだよ」に対し,「丁寧に」と頻繁に言っておられた方もいました.いろいろありましたねえ.
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