地形学とGIS / Geomorphology & GIS

ある研究者の活動と思考の記録

Linさんとの共著

2009-08-21 | 論文や雑誌
前回の記事に書いたGeomorphologyの特集号に,Linさんとの共著が出ました.起伏や地質が異なる多数の河川流域の縦断面形と横断面形の特徴を,統計的に分析したものです.Linさんの博論の一部です.

2006年に,同じテーマに関する論文を,やはりLinさんと共著で発表しました.その際は手法の紹介が中心で,適用は1地域のみでした.今回は手法を6地域に適用し,デジタル標高モデル(DEM)も解像度が異なる2種類を用いています.

流域もしくは河川の縦断面形に関する研究は多数ありますが,横断面形の研究はデータの取得対象が一気に増えることもあり,あまり行われていません.一方で横断面形は古典的な課題で,たとえばV字谷やU字谷といった谷の横断面形に関する用語は,一般人にも広く知られています.

最終的に得られた主な結果は,起伏の大きな流域では地形の均整がとれていることと,小~中起伏の流域では地質の影響も重要というものです.ある意味では予測可能な内容ですが,そこに至る研究の経緯は複雑で,新しい手法や指標をいろいろ導入する必要がありました.この論文が今後の研究に一つの指針を与えてくれればと願っています.

先週,つくばの産総研に勤務しているLinさんが研究室に来てくれました.久しぶりにお会いしましたが,とても元気でした.一方,僕には「疲れていますね」というコメントが来ました.確かにそうで,パソコンや査読の連続で眼精疲労がひどく,さらに軽い夏風邪もひいていて,さえない状況でした.

今は少し復活しましたが,原稿の締め切り等いろいろ義務があり,長く休んで完全復活という状況は望めません.でも,論文が出ると,少し元気も出ます.

なお,今回は自分がゲスト・エディタになっている特集号に,自分が著者に含まれる論文が出ています.このような論文のハンドリングは別のエディタが担当し,その内容はエディタ間であっても秘密となります.これは通常号でも同様で,僕が著者に含まれる論文の原稿は,テーマ的には僕の担当であっても,必ず他のエディタが扱います.

She cast the compass round.
(Tam Lin / Steeleye Span)

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2 コメント

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どうもありがとうございます (Lin)
2009-08-24 17:26:22
"cast the compass round" - 小さい指針ですが、先生のおかげです。どうもありがとうございます。

北海道の景色は、お目の保養になればいいですね。
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どういたしまして (OGU)
2009-08-25 06:56:54
Linさん,どうもです.でもこの論文,
僕も共著者なので,お礼は不要ですよ.

歌のタイトルのTam Linは,中国人の
名前みたいですが,スコットランドの
民話に出てくる青年の名前です.She
cast the compass round のsheは,Tam
Linの恋人とのこと.

目はお陰様で少し良くなりました.
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