弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

鳩山由紀夫元首相のイラン訪問について

2012年04月11日 | 政治、経済、社会問題

本当にわけがわかりませんね。

何のために行く必要があったのかです。
普通の常識で考えれば、イランが置かれた現在の状況の中で
わざわざイランまで出向くというのは、基本的にイラン側に好意的だから
ということになります。そういう中で、
「国際原子力機関(IAEA)は不公平だ」という言葉が出れば、
それは批判であり、だからイランの行為を擁護するとものだと解釈される
のは、ごくごく普通のことです。

特に、通訳を通しての会談です。
通訳が間違っているかどうかさえわかりません。
こういう微妙な問題を微妙な時期にしかもイランと親しいわけでもないのに
わざわざ出向くと、利用するしない以前の問題として誤解されるのは
当たり前です。
そういうことが分かっていく、あるいはご本人は分かっていないのかもしれませんが、
少なくとも一国の首相を務めた人間であれば当然分かっていなければいけない
わけですから、そういう状況下では、むしろ、誤解というよりは、相手はむしろ
そう考えなければ返って失礼だと思うわけで、だから誤解ではなく、
それが真意なんだと考えるわけです。

そういえば、菅直人に騙されたことがありましたね。

政治家でなくとも、話し合いはなかなか難しいです。
ましてや、それぞれが自分に都合のいいように解釈するのが、外交の世界です。

実は、裁判の世界でもそうです。
双方代理人と裁判官、あるいは調停委員が同じ話を聞くのです。
みんなわかったつもりですが、
次回に顔をあわせると、なんか違うと思うことはよくあるのです。
それは、それぞれの立場が違うので、みんな自分の立場で考えるからなのです。
わかりやすくいうと、コップに水が半分あるときに(これは客観的な事実です)、
まだ半分もあるという見方ともう半分しかないという見方があるわけです。
やりたくない人は、半分もあるという見方をし、だから何もしなくていいと結論
づけるでしょうし、
やってもらいたいと思っている人は、半分しかないという見方をし、
だからもっとやってもらわなくてはと結論づけるでしょう。
このように同じものを見ても、結論は違うのです。
それは期待しているものが違うからです。

核開発をしたいと思っている人間に「国際原子力機関(IAEA)は不公平だ」と
いえば、当然、自分の立場を認めてくれた、核開発に理解を示してくれたと
結論づけるのは当たり前のことです。

それが全く分からない人には政治家の資格はないと思います。
もともと、政治と言うのは言葉で人を説得することだからです。

多分、あの人は、要は、鳩山だから政治家と認められ、首相になった人です
から、そういう政治の基本が全く分かっていないのです。
でも、日本国内ではそうかもしれませんが、海外では鳩山ブランドは通用
しません。

国内で大いに騒いでもいいですが、おそらく海外では「あほかいな」で
誰も真剣には取り上げないと思います。

ただ、これで日本の政治の無能さだけは、深く深く刻印されたことだけは確かです。
だれも日本の政治、政治家を真面目には相手にしないと思います。
そちらの被害は計り知れないものがあります。

何とか防衛大臣といい、お粗末な政治家は立派な政治家一家から生まれる
らしいということは見えてきたようです。

それはそうと、国民の税金を使っていったのでしょうか。
あるいはお金持なので、自腹でいったのでしょうか。
そんなこというまでもない。そうかもしれませんが、これで消費税を上げると
言われても到底納得できませんね。