弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

TPP交渉参加を巡る日米の発表の食い違い、食い違うのは日本では?

2011年11月16日 | 政治、経済、社会問題

昨日に引き続いて、日本の政治家の発言の何といい加減な
ことか?
これでは、世界はまともに相手をしてくれにと思う。

米政府が、首相がTPPの会談で「すべての物品とサービスを
貿易自由化交渉のテーブルに載せる」と発言したと発表したことについて
 
野田首相は、
日米首脳会談でのTPP交渉参加に関する首相の発言を巡り、
両国政府の発表に食い違いが発生した問題について、
米政府が公表した発言を「(自分は)一言も言っていない」
と否定したというものです。

これについての外務省の説明は、
首相は日米首脳会談で「『昨年の基本方針に基づいて
高いレベルの経済連携を追求する』と伝えた」という。そして、基本方針とは、
菅政権が昨年11月に閣議決定した
「センシティブ(重要)品目に配慮しつつ、すべての交渉、すべての
品目を交渉対象としてハイレベルの経済連携を求めていく」とする
という内容だったということです。

外務省のこの説明を皆さんはどうとらえますか?
今回の騒動は、この一点に尽きます。

「すべての交渉、すべての品目を交渉対象として」と言っているわけ
ですから、私の見解では、アメリカ側が正しいとしか言いようないと
思います。

「センシティブ(重要)品目に配慮しつつ」とか「ハイレベルの経済連携を求めていく」
というのは、全部を交渉のテーブルの上に乗っけた上で、
その後のことです。

通訳の問題もあるのですが、せいぜい
「すべての交渉で、交渉対象のすべての品目について、
センシティブ(重要)品目に配慮しつつ、
ハイレベルの経済連携を求めていく」とでも表現していれば、
まだ、アメリカ側に反論しやすいように思うのですが・・・
ただし、これでは相手側が納得するかどうかはまた別の問題ですが。
私の経験からはOKです。

日本側では、今後の協議には影響しないとの認識を示したということですが、
そういう認識の仕方そのものが問題です。
日本の政治家の発言がいかに軽いものかを世界に再認識させるだけです。

もっと発言の重要さを認識すべきです、そして、いかに表現すべきか
について、もっと訓練をすべきです。

フランスのサルコジ大統領なら「嘘つき」と言うところかもしれませんね。