弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

アメリカのリーガルドラマにみる日米の基本的な考え方の違い

2011年11月19日 | 政治、経済、社会問題

最近はLaw&Orderをできるだけみるようにしています。
スピンオフ版も見ています。

ちょっと難しいですが、それは、実行犯だけでなく
自らの手を汚していないが真の悪人を絶対に逃がさない、
償わせるという検察のやり方のためです。

したがって立証がきわめて難しいのですが、それを執念で
乗り越えていきます。もちろん失敗するときもたまにはあります。
その際に取引が利用されることもしばしばですが、
完全に無罪放免というのはあまりないようです。
実際、自ら手を汚す方は弱い立場にあるわけですから、
強い立場にある真の悪人を有罪にさせるには、
検察による保証がなければできるわけありません。

たとえば、陸山会の事件などを考えてみてください。
誰が見てもおかしいです。
こういう場合に真の原因にまでさかのぼって解決しようというのが
アメリカのやり方です。
日本もこういう姿勢は見習う必要があります。
そのためには本当に真剣勝負しかないわけです。

ここ2回ほど、首相の言葉の軽さというか、何も考えていない発言
のあり方について指摘しましたが、
物事について具体的にいかに解決すべきかを自分の頭で考え、
そのためにいかなる方法をとるべきかを、これまた自分の頭で
考えるという訓練、習慣をつけていれば、
相手の言い方によってこちらの対応も当然かえることができます。
そういうやり取りを通して相手の真意をつかむこともできるのです。
ところが、何も考えない人、わからないので何も考えられない人は、
オウムのように同じ言葉を繰り返すだけです。
いつも同じ言葉だから、同じことを言っていると本人は錯覚しているので
しょうが、質問の仕方が違えば、同じ言葉でも違った意味になるのは
当たり前です。
頭の回転の速い人なら、いつも全く同じ表現でしか答えないということが
わかっている相手には、結果的に違った意味となるように、質問の仕方
をかえると思うのです。
それが対談とか会談というものでしょう。
それを真意は分かっているはずだなどと弁解をするなど、赤ん坊のような
ものです。まともに相手にしてくれるわけありません。

アメリカのリーガルドラマ、法廷ドラマをみることは、そういう訓練に
なります。
頭が刺激されてとても面白いです。