弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

福島産米のセシウム汚染、米初めての出荷停止

2011年11月18日 | 福島原発 東日本震災

とうとうお米にも放射能、基準値以上のセシウム汚染が発見
されました。

実は15日に既にAPFのニュースで、

アメリカの大学連合宇宙科学協会で福島原発事故で放出された
セシウム137による日本全国の土壌汚染状況を推定した世界で初めての
論文が発表されていました。
この論文は、
過去の気象データを元にした粒子飛散シミュレーションと全国での観測数値
をもとに、福島第1原子力発電所事故による汚染を見積もったということです。

これによると、少々長くなりますが引用します。

「福島県のおおむね全域、特に福島第1原発の北西にある地域で、蓄積した
セシウム137の濃度が土壌1キログラムあたり1000ベクレル程度の高い汚染
があると推定される。
また日本政府はセシウム134とセシウム137を合わせた放射性セシウム全体の
濃度が、土壌1キログラムあたり5000ベクレルを超える場所でのイネの作付けを
禁止しているが、論文は、土壌に沈着した放射性セシウムのおよそ半分が
セシウム137だと考えると、福島県東部ではイネの作付け禁止基準を超えると
の推定を示した。
さらにセシウム汚染がこの論文の推定値の上限に近ければ、宮城県、栃木県、
茨城県などの一部地域にもイネの作付け禁止基準に近い場所があると見られ、
「土壌1キログラムあたり250ベクレル以上の値が出る可能性が排除できない
岩手、宮城、山形、新潟、栃木、茨城、千葉などの県でも、一部で(食料生産に)
影響が出るだろう」

ということです。

つまりは、米の汚染は当然想定されていたことなのです。
海外の研究者にはできてなぜ日本でできないのか不思議です。
特に日本政府がセシウム134と137を合わせて基準値を決めていることに
関する部分の記述をみると、汚染度を低くみせるために意図的に
したのではないかとの疑念させ浮かびます。

そして、このような調査をすることは、風評被害とは関わりのないことであり、
むしろ汚染の実態を正確に検証することにより、除染などの長期的な計画の
ために必要だというものです。
そして、汚染は地形などの条件によって大きく異なるので、福島周辺だけでなく、
全都道府県について測定を強化し(本当に汚染度が低いか確認する)、さらには
継続的長期的に測定し、データーを蓄積することにより、除染などの計画に
有効に役立ててほしいと提案しています。 

私にはもっともな調査および提案のように思います。

国民の不安は汚染の実態がわからないことであり、政府や東電の姿勢に
対する不信です。

この調査の日本語訳版はここをどうぞ