今日の私の担当は午前も午後も入浴介助
利用者の皆さんは週に2回入浴日があり、1日に25人近くの利用者さんが入浴します
私はまだ利用者さんを順番に呼びに行って着脱のお手伝いや車椅子からお風呂用の車椅子に移ってもらうことくらいしかできません
ほとんどの利用者さんにとってはお風呂は楽しみなようですが、中にはお風呂嫌いの方もいて、、なかなかお風呂まで連れてくるのに大変なことも(笑)
お風呂が好きなあるおばあちゃん
湯船につかるのは5分と決まっているらしく、5分たってもまだ入っていたいと言ってました
そうしたらそのおばあちゃんを担当していたスタッフが「何、わかまま言ってんの。もう時間だから出るよ。そんなに長く入っていたかったら自分の家に帰って自分ちの風呂に入れば」と言い放ちました
えっ、、私は耳を疑いました
自分の家に帰ることができないから、ここにいるんです
どうしてそんな言い方をするんだろ、物には言い方があるだろうに、、、
介護福祉士の資格も持っていて介護の仕事は10年近くしている人が、そんなことを言うんだ、、
いつもにこやかにしているそのおばあちゃんからは表情が消え能面のようになり、脱衣場に戻ってきてその介護スタッフから洋服を着せてもらっていました
洋服を着せてもらったおばあちゃんがドライヤー担当の私のところにきました
その先輩スタッフがいなくなるのを確認して、思わず「○○さん、ごめんなさい」と言いました
「私なんてもう死ねばいいんだよ。生きていてもわがままばかり言うからさ」とおばあちゃん
「そんなこと言わないでください。仕事をはじめたばかりの私は、毎日、○○さんの笑顔に励ましてもらってるんですよ」
「私なんて、自分では何もできないし、何の役にも立たないよ」
「○○さんが笑って、ここにいてくださるだけで私の励みになってます。朝から○○さんの笑顔を見るのが楽しみなんです。だから、これからもよろしくお願いします」とおばあちゃんの手をとりました
おばあちゃんの能面になった顔に少しだけ笑みが浮かびました
介護の世界、現実に日常としてこんなことがあってるんだ、、
特養にいる私の母に、こんなことはあってないだろうか、、大丈夫だろうか、、
スタッフにいくら介護スキルがあったとしても、これでいいんだろうか、、
言葉はその人を表します
おばあちゃんに湯船から上がってもらうために、ほかにいくらでも違う言葉かけはあるはずです
しかも、おばあちゃんは、わがままではなく、お風呂が気持ちいいからもっと入っていたいという自分の素直な気持ちを言ったまでです
その気持ちに寄り添うことができないなんて、、
とてもとても残念な気持ちになりました
介護は人間学
改めて、そう思います