以前,PC98エミュレータから実機の光学ドライブにアクセスする方法を書いた記事(98エミュレータから実機のCD-ROMドライブにアクセスしよう)の中で,エミュレータからDAEMON Tools V3.47を用いてもCD-DA音声が再生できることを書いたのですが,再インストールしたXP機でやってみたら,どうやってもCD-DA音声が再生されません。
実機ドライブからは流れるのですが,果たしてあれは勘違いだったのでしょうか?
仕方なく,CD-ROMのイメージ化工程からやり直したところ,問題点らしきものが焙り出され,無事,DAEMON Tools V3.47にマウントした仮想ディスクからもCD-DA音声が再生されるに至りましたので,忘れないうちに,全工程を記しておきます。
なお,今回の作業は上級編になりますので,「CドライブのルートディレクトリにBOOT.INIファイルを見付けられますか?」と聞かれて意味の分かる方,見つからない場合に表示する方法の分かる方で,必要となればSAFEモード立ち上げもできるし,その後,非SAFEモード立ち上げに戻すことのできる人しか挑戦してはいけません。失敗しても成功するまでの指導はできないし,元に戻す方法も教えてあげられません。
まさしく自己責任の支配する世界ですので,そのつもりで挑戦してください。失敗すれば再インストールで,それまでにコンピュータ内に蓄積したデータを失う危険性すらあります。作業内容自体は難しいものではありませんが,リスクは覚悟の上で作業してください。
と,初心者の方には諦めていただいて先へ進みます。
<<作業に必要不可欠なファイル>>
作業の前提となるファイルについてですが,FREEDOS(98)からCD-ROMを利用する方法について,以前,試行錯誤を繰り返しましたが,私には解決策を見付けることができませんでしたので,MS-DOS5.0A以降のシステム入りハードディスクイメージは予め用意しておいてください。また,イメージ内でMSCDEX.EXEの入ったディレクトリにパスを通しておいてください。
さらに,後で使うT98-NEXTでCD-ROMを利用できるようにするCD-ROMモジュールでCD-DA音声データを利用するためには,CDSDのSTDをバイナリ化したファイルをハードディスクイメージ内に置いて,やはりこれにパスを通しておく必要があります。CDSDのバイナリ化作業については,98エミュレータから実機のCD-ROMドライブにアクセスしよう内に書いておきましたので,そちらを参照してください。
あとは,DAEMON Tools V3.47を使用します。以前は公式ページからダウンロードできましたが,今はできないようです。お持ちでない方はごめんなさい。
以下,MS-DOSシステム,MSCDEX.EXE,CDSDのSTDバイナリファイルが含まれたハードディスクイメージがT98-Nextの起動ドライブとしてセットされていることを前提として,以下の作業をします。
<<作業手順>>
<1>
まず,DAEMON Tools V3.47をインストールします。
<2> CD Manipulator
次に,対象となるゲームCD-ROMを,CD Manipulator(CD Manipulator跡地)で,イメージ化します。
イメージ化するCD-ROMを入れた光学ドライブを指定します。
ここで指定する光学ドライブにはDAEMON Toolsによる仮想ドライブも入っていますので,間違いのないよう実ドライブを指定してください。
CD-DAトラックのあるCD-ROMの場合,下図のようにDataトラックの後,トラック2以降にAudioトラックが並びます。
イメージの作成ボタンを押します。
検索ボタンを押します。
保存する場所,保存するファイル名を指定して,保存します。
シングルセクションモードであることを確認して,OKボタンを押します。
イメージファイルの作成作業が終わると,下の画面になりますので,OKボタンを押して,CD Manipulatorを終了します。
イメージを保存した場所に,指定した名称の.imgファイルと.cueファイルが作成されていることを確認してください。
<3> DAEMON Tools V3.47
今度はDAEMON Toolsを使います。
インストールすると,タスクバー上に赤い稲妻のアイコンが表示されていますから,その上で左クリックします。
すると,下のメニューが現れますから,D:の部分をクリックして,イメージをマウント(=仮想ドライブにディスクイメージを入れる)します。
選べるファイルは,.cueファイルだけですから迷いませんね。
選んでクリックします。
マイコンピュータを確認すると,仮想ドライブにMAGEN3というディスクが入っていることが表示されています。マウント完了です。
マウント確認後は,忘れずにDAEMON Tools のアイコン上で右クリックして出てくるメニューから,オプションのAnalog audioにチェックを入れてください。
<4> Boot.iniファイル書き換え
CドライブのルートディレクトリにあるBOOT.INIファイルの「/noexecute=optin」の部分を「/noexecute=AlwaysOff」と書き換えます。書き換えを拒否された場合には、SAFEモードで立ち上げてから書き換え処理をしてください。
この作業をしないと,後でT98-Nextを立ち上げて仮想ドライブにアクセスさせた瞬間にブルーバック画面が出て,XPが再起動してしまいます。
ご注意ください。
<5> T98-Nextの設定
次は,PC98エミュレータT98-Nextを,CD-ROMを使用できる設定にします。
まず、T98-Nextを格納したフォルダを開けます。
このフォルダ内のDEVICEフォルダにCD-ROM利用のためのプラグインを追加します。Thor-Hammerのホームページから,T98-NEXT(7th Beta以降)用CD-ROMモジュールをダウンロードしてください。
そして,ダウンロードしたファイルを解凍して,中に含まれるSCSI4CDN.NHW(scsi4cd.zip内にSCSI4CDN.zipとして同梱)をDEVICEフォルダ内に貼り付けてください。
次に,T98-Nextを立ち上げます。
デバイスマネージャをクリックして,未使用状態にあるSCSI4CDN.NHWを使用するデバイスにします。
使用するデバイスになると,名前の前に○が付きます。
次は,詳細設定です。
仮想ドライブに与えられているドライブレターを,T98-Nextに伝えます。
ドライブレターは,DAEMON Toolsのアイコンを左クリックしたときに表示されていましたので,環境に応じて正しいドライブレターを伝えましょう。
なお,T98-Nextは,もう1つの窓であるエミュレーション画面の起動時に,マウスコントロールをWindowsから奪ってしまいますので,マウスが使えなくなっても慌てずにF12を押したままF8を押してマウスのコントロールをWindowsに戻してください。
<6> ゲーム起動
ゲームの指定する起動方法でゲームを立ち上げます。
麻雀幻想曲IIIでは,ここで既にCD-DA音声のBGMが流れています。
念のため、設定を確認してみます。
はい,無事に仮想ドライブからも,CD-DA音声が再生されることが確認できました。よかったよかった。
<7>
私の犯した誤ち
CD ManipulatorでCD-ROMをイメージ化すると,IMGファイルとCUEファイルが作成されます。前者は巨大ファイルで,後者はごく小さなファイルです。
いつから間違ってたのか忘れましたが,これらイメージ化の作業をした後に,うっかりCUEファイルを消してしまったらしく,IMGファイルをISOファイルとリネームして使用していたために,CD-DAデータの管理情報が失われてしまっていたようです。
こちらがCUEファイル冒頭部分の中身です。この内容のファイルがなくなると,CD-DAデータが管理不能となるのも当たり前ですね。
なお,Windows7のXPモード上の仮想マシンでも,XP実機と同じ結果が得られました(boot.iniファイルを編集しない場合のリセットも含めて)。
ちなみに,Windows7では,こんなWindowが出て,DAEMON Tools 3.47はインストールすらさせてもらえません。
そして,最新のDAEMON Toolsは,Analog audioについてのオプションがありません。
つまり,CD-DAを聞ける設定にはなりません。
と,こんなもんで。
twitter上で間違った発言をしていたことは許してください。
追記
<8> T98-Next最新版について
T98-Nextについては,13.1th Beta版を使っていましたが,CPU使用率が100%になってしまうので,2ちゃんねるの
PC-98エミュを語ろう8で開発報告のあったT98NEXT20100525版を使われてもいいかもしれません。私の仮想マシン上のXP機では70%程度のCPU使用率になりますが,100%よりはましでしょう。
nhwプラグインのみから構成されていますので,本体等は,T98-Nextから,新プラグインは,http://akiyuki.boy.jp/t98next/からダウンロードできます。
サポートは,こちらとのことでしたが,現在はPC-98エミュを語ろう10に移行していると思われます。
実機ドライブからは流れるのですが,果たしてあれは勘違いだったのでしょうか?
仕方なく,CD-ROMのイメージ化工程からやり直したところ,問題点らしきものが焙り出され,無事,DAEMON Tools V3.47にマウントした仮想ディスクからもCD-DA音声が再生されるに至りましたので,忘れないうちに,全工程を記しておきます。
なお,今回の作業は上級編になりますので,「CドライブのルートディレクトリにBOOT.INIファイルを見付けられますか?」と聞かれて意味の分かる方,見つからない場合に表示する方法の分かる方で,必要となればSAFEモード立ち上げもできるし,その後,非SAFEモード立ち上げに戻すことのできる人しか挑戦してはいけません。失敗しても成功するまでの指導はできないし,元に戻す方法も教えてあげられません。
まさしく自己責任の支配する世界ですので,そのつもりで挑戦してください。失敗すれば再インストールで,それまでにコンピュータ内に蓄積したデータを失う危険性すらあります。作業内容自体は難しいものではありませんが,リスクは覚悟の上で作業してください。
と,初心者の方には諦めていただいて先へ進みます。
<<作業に必要不可欠なファイル>>
作業の前提となるファイルについてですが,FREEDOS(98)からCD-ROMを利用する方法について,以前,試行錯誤を繰り返しましたが,私には解決策を見付けることができませんでしたので,MS-DOS5.0A以降のシステム入りハードディスクイメージは予め用意しておいてください。また,イメージ内でMSCDEX.EXEの入ったディレクトリにパスを通しておいてください。
さらに,後で使うT98-NEXTでCD-ROMを利用できるようにするCD-ROMモジュールでCD-DA音声データを利用するためには,CDSDのSTDをバイナリ化したファイルをハードディスクイメージ内に置いて,やはりこれにパスを通しておく必要があります。CDSDのバイナリ化作業については,98エミュレータから実機のCD-ROMドライブにアクセスしよう内に書いておきましたので,そちらを参照してください。
あとは,DAEMON Tools V3.47を使用します。以前は公式ページからダウンロードできましたが,今はできないようです。お持ちでない方はごめんなさい。
以下,MS-DOSシステム,MSCDEX.EXE,CDSDのSTDバイナリファイルが含まれたハードディスクイメージがT98-Nextの起動ドライブとしてセットされていることを前提として,以下の作業をします。
<<作業手順>>
<1>
まず,DAEMON Tools V3.47をインストールします。
<2> CD Manipulator
次に,対象となるゲームCD-ROMを,CD Manipulator(CD Manipulator跡地)で,イメージ化します。
イメージ化するCD-ROMを入れた光学ドライブを指定します。
ここで指定する光学ドライブにはDAEMON Toolsによる仮想ドライブも入っていますので,間違いのないよう実ドライブを指定してください。
CD-DAトラックのあるCD-ROMの場合,下図のようにDataトラックの後,トラック2以降にAudioトラックが並びます。
イメージの作成ボタンを押します。
検索ボタンを押します。
保存する場所,保存するファイル名を指定して,保存します。
シングルセクションモードであることを確認して,OKボタンを押します。
イメージファイルの作成作業が終わると,下の画面になりますので,OKボタンを押して,CD Manipulatorを終了します。
イメージを保存した場所に,指定した名称の.imgファイルと.cueファイルが作成されていることを確認してください。
<3> DAEMON Tools V3.47
今度はDAEMON Toolsを使います。
インストールすると,タスクバー上に赤い稲妻のアイコンが表示されていますから,その上で左クリックします。
すると,下のメニューが現れますから,D:の部分をクリックして,イメージをマウント(=仮想ドライブにディスクイメージを入れる)します。
選べるファイルは,.cueファイルだけですから迷いませんね。
選んでクリックします。
マイコンピュータを確認すると,仮想ドライブにMAGEN3というディスクが入っていることが表示されています。マウント完了です。
マウント確認後は,忘れずにDAEMON Tools のアイコン上で右クリックして出てくるメニューから,オプションのAnalog audioにチェックを入れてください。
<4> Boot.iniファイル書き換え
CドライブのルートディレクトリにあるBOOT.INIファイルの「/noexecute=optin」の部分を「/noexecute=AlwaysOff」と書き換えます。書き換えを拒否された場合には、SAFEモードで立ち上げてから書き換え処理をしてください。
この作業をしないと,後でT98-Nextを立ち上げて仮想ドライブにアクセスさせた瞬間にブルーバック画面が出て,XPが再起動してしまいます。
ご注意ください。
<5> T98-Nextの設定
次は,PC98エミュレータT98-Nextを,CD-ROMを使用できる設定にします。
まず、T98-Nextを格納したフォルダを開けます。
このフォルダ内のDEVICEフォルダにCD-ROM利用のためのプラグインを追加します。Thor-Hammerのホームページから,T98-NEXT(7th Beta以降)用CD-ROMモジュールをダウンロードしてください。
そして,ダウンロードしたファイルを解凍して,中に含まれるSCSI4CDN.NHW(scsi4cd.zip内にSCSI4CDN.zipとして同梱)をDEVICEフォルダ内に貼り付けてください。
次に,T98-Nextを立ち上げます。
デバイスマネージャをクリックして,未使用状態にあるSCSI4CDN.NHWを使用するデバイスにします。
使用するデバイスになると,名前の前に○が付きます。
次は,詳細設定です。
仮想ドライブに与えられているドライブレターを,T98-Nextに伝えます。
ドライブレターは,DAEMON Toolsのアイコンを左クリックしたときに表示されていましたので,環境に応じて正しいドライブレターを伝えましょう。
なお,T98-Nextは,もう1つの窓であるエミュレーション画面の起動時に,マウスコントロールをWindowsから奪ってしまいますので,マウスが使えなくなっても慌てずにF12を押したままF8を押してマウスのコントロールをWindowsに戻してください。
<6> ゲーム起動
ゲームの指定する起動方法でゲームを立ち上げます。
麻雀幻想曲IIIでは,ここで既にCD-DA音声のBGMが流れています。
念のため、設定を確認してみます。
はい,無事に仮想ドライブからも,CD-DA音声が再生されることが確認できました。よかったよかった。
<7>
私の犯した誤ち
CD ManipulatorでCD-ROMをイメージ化すると,IMGファイルとCUEファイルが作成されます。前者は巨大ファイルで,後者はごく小さなファイルです。
いつから間違ってたのか忘れましたが,これらイメージ化の作業をした後に,うっかりCUEファイルを消してしまったらしく,IMGファイルをISOファイルとリネームして使用していたために,CD-DAデータの管理情報が失われてしまっていたようです。
こちらがCUEファイル冒頭部分の中身です。この内容のファイルがなくなると,CD-DAデータが管理不能となるのも当たり前ですね。
なお,Windows7のXPモード上の仮想マシンでも,XP実機と同じ結果が得られました(boot.iniファイルを編集しない場合のリセットも含めて)。
ちなみに,Windows7では,こんなWindowが出て,DAEMON Tools 3.47はインストールすらさせてもらえません。
そして,最新のDAEMON Toolsは,Analog audioについてのオプションがありません。
つまり,CD-DAを聞ける設定にはなりません。
と,こんなもんで。
twitter上で間違った発言をしていたことは許してください。
追記
<8> T98-Next最新版について
T98-Nextについては,13.1th Beta版を使っていましたが,CPU使用率が100%になってしまうので,2ちゃんねるの
PC-98エミュを語ろう8で開発報告のあったT98NEXT20100525版を使われてもいいかもしれません。私の仮想マシン上のXP機では70%程度のCPU使用率になりますが,100%よりはましでしょう。
nhwプラグインのみから構成されていますので,本体等は,T98-Nextから,新プラグインは,http://akiyuki.boy.jp/t98next/からダウンロードできます。
サポートは,こちらとのことでしたが,現在はPC-98エミュを語ろう10に移行していると思われます。