哲学的な何か、あと心の病とか

『人生とは何か、考えるほどにわからない。というのは実は正確ではない。わからないということが、わかるのである。』池田晶子

詩『子は親の鏡』

2013年11月18日 | 哲学・心の病
前回の記事(池田晶子「さて大人はどう答えるか-善悪」)で、
『』で囲んだ文面は、はっきり言って、私は納得することができなかった。
(『』の部分に共感した方がおられたら、私でも納得することができるよう、ご説明して頂きたい。)

そこで、私でも納得することができる「子供に善悪を教える方法」をネットで調べたら、『子は親の鏡』という次の詩に出会った。


詩『子は親の鏡』

けなされて育つと,子どもは,人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと子どもは,乱暴になる
不安な気持ちで育てると,子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
親が他人を羨んでばかりいると,子どもも人を羨むようになる
叱りつけてばかりいると,子どもは,「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
励ましてあげれば,子どもは,自信を持つようになる
広い心で接すれば,キレる子にはならない
誉めてあげれば,子どもは,明るい子に育つ
愛してあげれば,子どもは,人を愛することを学ぶ
認めてあげれば,子どもは,自分が好きになる
見つめてあげれば,子どもは,頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば,子どもは,思いやりを学ぶ
親が正直であれば,子どもは,正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば,子どもは,正義感のある子に育つ
やさしく,思いやりを持って育てれば,子どもは,やさしい子に育つ
守ってあげれば,子どもは,強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば,子どもは,この世の中は良いところだと思えるようになる


と、以上がその詩であるが、常識のある大人であれば上記の詩に共感するのではないだろうか。

しかし、その分野のほとんどの専門家は、「性格は、遺伝が50%で、環境が50%」と言っている。
もしそれが正しいとするならば、上記の詩のように素晴らしい育て方をどんなにしても、性格形成への影響は50%ということになり、育て方ではどうにもならない遺伝が、性格形成の50%を担っていることになる。

すなわち、育て方も大切であるが、それと同じくらい、遺伝も大切だということである。


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池田晶子「さて大人はどう答えるか-善悪」

2013年11月18日 | 哲学・心の病
 子供の非行に歯止めがかからないので、文部科学省が慌てている。
 「抽象的にではなく言葉で善悪を教えよ」と、大臣が言ったとか言わないとか。かなりのパニックであることが、この発言からもわかる。抽象的にではなく具体的にしようとすると、「市中引き回しのうえ打ち首」ということになるのだろうか。いずれにせよ、あまり実効がありそうには思えない。
 大人たちがパニックになるのは、実は自分たち自身が、善悪の何であるかを知らないからに他ならない。知らないものは教えようがない。彼らは、自分たち自身の無内容を改めて知り、実はそのことに慌てているのである。
 子供に善悪を教えるにはどうすればいいか。おそらく彼らはとりあえず、「万引きは悪い」「売春は悪い」「人殺しは悪い」と教えるだろう。しかし、もしこれが「教える」ことであるなら、「なんで悪いの」という子供の問いには、答えられなければならない。教えるとは、自分が知っていることを教えることのはずだからである。さて大人はどう答えるか。
 おそらく答えられない。あるいは苦しまぎれに、「悪いものは悪い」「悪いに決まっている」と、答えるかもしれない。それなら子供は言うだろう。「だって大人だってしてるじゃないか」。
 じっさい、警官が泥棒したり、教師が買春したり、お互いにわけなく殺し合ったりしている大人の口から、言えた義理ではあるまい。善悪を教えること自体の偽善を、子供は正しく看破するのである。
 ではどうするか。皆がしているからといって、悪いことが善いことになるわけではない。これを教えなければならないのである。なぜ善いことは善いことで、悪いことは悪いのか。
 ほとんどの人は、善悪とは社会的なものだと思っている。人に迷惑をかけなければ何をやってもいいのだと、実のところは思っている。「自分さえ善ければ善い」という言い方が、端的にそれである。これをもう少し巧みに言うと、「自分に正直に生きたい」となる。自分に正直に買春し、自分に正直に殺人するのも、法律に触れなければ、善いことなのである。
 しかしこれは間違いである。善いということは、社会にとって善いことなのではなく、自分にとって善いということなのである。おそらく、殺人者とて言うだろう。「自分にとって善かったから殺したのだ」と。
 この時の「自分」が問題なのである。普通は人は、自分は自分だ、自分の命は自分のものだと思っている。だから、自分の生きたいように生きてなぜ悪いという理屈になる。
 むろん悪くない。いや正確には、人は自分が善いと思うようにしか生きられない。だからこそ、それを善いとしているその「自分」の何であるかが、問題なのである。
 自分の命は自分のものだ。本当にそうだろうか。誰が自分で命を創ったか。両親ではない。両親の命は誰が創ったか。命は誰が創ったのか。
 よく考えると、命というものは、自分のものではないどころか、誰が創ったのかもわからない、

『おそろしく不思議なものである。言わば、自分が人生を生きているのではなく、その何かがこの自分を生きているといったものである。ひょっとしたら、自分というのは、単に生まれてから死ぬまでのことではないのかもしれない。いったいこれはどういうことなのか。
 こういった感覚、この不思議の感覚に気づかせる以外に、子供に善悪を教えることは不可能である。これは抽象ではない。言葉によってそれを教えるとは、考えさせるということだ。考えて気づいたことだけが、具体的なことなのだ。
 気づいてのち知る善悪は、何がしか「天」とか「自然」とか、そういったものに近いはずだ。人が、個人などという錯覚を信じ、天を忘れるほど、世は乱れるのは当然である。しかしそれも、たかだかここ数百年のことにすぎない。古人たちは知っていたのだ、「天網恢恢疎にして漏らさず」。』

by 池田晶子


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ニコッとタウン、サークル『哲学的な何か、あと……とか』

2013年11月18日 | 哲学・心の病
【ニコッとタウン、サークル『哲学的な何か、あと……とか』の紹介文です】

(※あわせて、私のブログ「重要なお知らせです-改版1」「重要なお知らせです-追記1」も、できれば読んで頂きたいのですが…)

『哲学的な何か、あと……とか』を、常識のある大人たちが集って語り合うサークルです。

(『あと……とか 』とは、ご意見、ご質問、ご相談など『何でも』ということで、ご遠慮なく、お気楽に、掲示板に『何でも』アップして下さい。)

年齢制限があり、30歳以上とさせて頂きます。
ただし、私と交流されている方は、年齢制限がありません。

サークル活動は、臨機応変で進めていきたいと思っております。

「ROM」でも構いませんし、「退会」「再入会」「再退会」…の繰り返しもご自由です。
(このサークルは「自由主義」で、強制的と感じる規則はありません。)

【メンバーの皆さんへ、お願いがあります】
このサークルに参加してほしい方がおられましたら、その方にも、このサークルを紹介して下さりますよう、お願い致します。

【ご注意】
誹謗中傷など、このサークルにふさわしくない「書き込み」は、アップされた方のご承諾を得ずに、削除させて頂きます。


【管理者のご紹介】
哲学、精神医学、心理学、生物学、理論物理学、風俗など、人に関するあらゆることを、日々、哲学的に考えています。
基本的には、文筆家、故、池田晶子さんと同じ考えを持っています。

ご交流している皆さんへ【重要なお知らせです!】

2013年11月18日 | 哲学・心の病
〉ご交流している皆さんへ

【重要なお知らせです!】

お忙しいなか、私のつたないブログを読んで頂き、そして、ブログに大変勉強になる素晴らしいコメントを頂き、言葉にできないほど感謝しております。
それにもかかわらず、私個人の諸事情により、そのコメントにご返事を書かないでいること、言葉にできないほど申し訳なく思っております。

そこで、その解決案として、私のニコタ・マイページの下部で公開している参加サークル「哲学的な何か、あと……とか」(現在の管理人は私)に、これからは、私のブログを掲載し、ご参加メンバーの皆さんで、コメントのご交流をして頂きたいと思っています。
つまり、私がご返事を書かせて頂くかわりに、他の方にご返事をお書き頂きたいと思っています。

そして、ご参加メンバーの皆さんもサークルの掲示板に、ご自分のブログなど(ご質問、ご相談など、何でも結構です)をご掲載して頂いても構いません。

とりあえずは、以上の通りに行わせて頂き、その経過を見ながら、臨機応変に対応させて頂きたいと思っています。

以上、よろしくお願い致します。


※上記のサークルの設定は、現在、「今すぐ参加可能」(管理人の許可は不要)、「掲示板・参加者などは、メンバーのみに公開」(メンバー以外には非公開)になっております。


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