
ステムベアリングを交換・メンテナンスする際、レースに詰めるグリスは多すぎるということはない。コスト的には無駄になる分もあるが、水の浸入を防ぐためにはグリスで空間を満たしてやるのが有効だからだ。高速で回転するベアリングには空間の30%くらいのグリス量が適切なのに対し、この写真にあるステムベアリングやスイングアームのピボット部分など、高圧だが回転速度はそれほど上がらない部分はグリスが多いほど乾燥にも耐え、機能を維持しやすい。
ただ、ヤマハSR400/500などのようにフレームが高温になる車両のこの部分に多量のグリスが詰められていると、グリスの質によってはこれが流れ出すこともあるので注意しなくてはならない。だが写真に写っているのはWAKOSのウレアグリスで、これなら大丈夫。1年以上走行して開けてみてもグリスの量はほとんど減っていないのがその証拠だ。
必要なところにはグリスはケチケチしない、これがガレージUCG流。