
GPZ900R、かつて市販車世界最速のタイトルを手にしたこのマシンは、映画などで憧れのマシンとなり、今でも根強い人気がある一台であろう。
毎年技術の進歩と共にその全てを公道では発揮しきれない程ハイレベルなマシンがどんどん生み出されて行く中、さすがにこのマシンも既に旧車の仲間入りを果たそうとしているのかもしれない。それでも未だ尚、かつての世界最速の、そして憧れだったマシンに影を落とす事は決して無いのである。
ロングセラーなGPZ900Rは、数多くのバリエーションや、このエンジンをベースに発展していくのだが、やはりオーナーも憧れを持ってこのマシンを手に入れたという、全体的に非常に奇麗なコンディション。これまでに調子の悪かったキャブレターや足回りに手を入れたり、定期的なオイル交換を行いながら、今回は以前より気になっていたタペット周りからの音を調べるべく、ヘッドカバーを開けての作業。
さすがにロッカーアーム式で16バルブもあると、その調整作業だけでも大変です。各クリアランスを測定してみると、指定クリアランスよりもIN OUT共に、約0.05mmから多いところでは0.08mm近く広がっていて、打音が出ていました。
アジャストスクリューを交換した後に、再度クリアランス調整を行い、適切な隙間にし、以前に開けらた際に塗られすぎたのであろう液体ガスケットをきっちり清掃した後に、規定トルクでヘッドカバーを再び閉め、ずらしたキャブレターや冷却ラインのオーリングを狭い隙間の中で交換し、タンク等を載せて再始動すれば、少し賑やかになってきていたヘッド周りからの音もばっちり静かになりました。
走行距離が多い車両の場合、このクリアランスが広がっている場合が多々見受けられるので、定期的に見てあげなくてはならない部分です。吸排気のタイミングにも直に影響を及ぼす部分なので、出来る限り気を配ってあげたいところです。
ちなみに、故意に広めにクリアランスを与える場合、若干タイミングが遅れるのと同時に、本来の流れをスポイルしてしまう可能性も出てくるので要注意。また同時に広めのクリアランスは、バルブの頭&アジャストスクリューを割と早めに痛める可能性もあるので要注意です。
シム式とロッカーアーム式、性能とメンテナンス性では、一長一短。いずれにしても、クリアランスの詰め過ぎだけは絶対に避けなくてはなりません。何故ならば最悪の場合、圧縮の低下やカムシャフトの極端な削れ→摩耗に繋がります。
このクリアランスがゼロの場合、つまり常時ロッカーアームのスリッパー部、若しくはタペットカバーと、カム山が常時接触したままでオイルがほぼ全て掻き出されてしまう訳で、高温にさらされ、熱膨張も考慮しなくてはならない中、適切な潤滑の為、そして部品の摩耗防止の為にも、オイルが入り込む余地=タペットクリアランスが必ず必要になるのです。

毎年技術の進歩と共にその全てを公道では発揮しきれない程ハイレベルなマシンがどんどん生み出されて行く中、さすがにこのマシンも既に旧車の仲間入りを果たそうとしているのかもしれない。それでも未だ尚、かつての世界最速の、そして憧れだったマシンに影を落とす事は決して無いのである。
ロングセラーなGPZ900Rは、数多くのバリエーションや、このエンジンをベースに発展していくのだが、やはりオーナーも憧れを持ってこのマシンを手に入れたという、全体的に非常に奇麗なコンディション。これまでに調子の悪かったキャブレターや足回りに手を入れたり、定期的なオイル交換を行いながら、今回は以前より気になっていたタペット周りからの音を調べるべく、ヘッドカバーを開けての作業。
さすがにロッカーアーム式で16バルブもあると、その調整作業だけでも大変です。各クリアランスを測定してみると、指定クリアランスよりもIN OUT共に、約0.05mmから多いところでは0.08mm近く広がっていて、打音が出ていました。
アジャストスクリューを交換した後に、再度クリアランス調整を行い、適切な隙間にし、以前に開けらた際に塗られすぎたのであろう液体ガスケットをきっちり清掃した後に、規定トルクでヘッドカバーを再び閉め、ずらしたキャブレターや冷却ラインのオーリングを狭い隙間の中で交換し、タンク等を載せて再始動すれば、少し賑やかになってきていたヘッド周りからの音もばっちり静かになりました。
走行距離が多い車両の場合、このクリアランスが広がっている場合が多々見受けられるので、定期的に見てあげなくてはならない部分です。吸排気のタイミングにも直に影響を及ぼす部分なので、出来る限り気を配ってあげたいところです。
ちなみに、故意に広めにクリアランスを与える場合、若干タイミングが遅れるのと同時に、本来の流れをスポイルしてしまう可能性も出てくるので要注意。また同時に広めのクリアランスは、バルブの頭&アジャストスクリューを割と早めに痛める可能性もあるので要注意です。
シム式とロッカーアーム式、性能とメンテナンス性では、一長一短。いずれにしても、クリアランスの詰め過ぎだけは絶対に避けなくてはなりません。何故ならば最悪の場合、圧縮の低下やカムシャフトの極端な削れ→摩耗に繋がります。
このクリアランスがゼロの場合、つまり常時ロッカーアームのスリッパー部、若しくはタペットカバーと、カム山が常時接触したままでオイルがほぼ全て掻き出されてしまう訳で、高温にさらされ、熱膨張も考慮しなくてはならない中、適切な潤滑の為、そして部品の摩耗防止の為にも、オイルが入り込む余地=タペットクリアランスが必ず必要になるのです。

