診察室でのひとり言

日常の診察室で遭遇する疑問、難問、奇問を思いつくままに書き記したひとり言

続・悪魔の尿管結石発作

2016年12月11日 | 医療、健康

初回の尿管結石発作から丁度5年が経過したときに2度目の発作が起こり、その後5年経ち、6年経てど全く発作の気配もなく生活していたが、10年後の一昨年に3度目の発作が起こった。悪魔の到来である。2度目の時同様、午前の診察が終わった昼休みである。3度目ともなると、痛みで七転八倒しながらも、この先どうなるのかという時系列が頭をよぎり、不安は以前ほどではなかった。しかし、この時の痛みは過去2回をも凌ぐ激しさで、また長時間持続し、消失してもすぐに繰り返すというしつこさであった。結局、午後の診察には間に合わず休診させて頂いた。夜になっても痛みはひかず、只々床を転げまわっているばかりであった。結局、自宅にも帰れず、初めてクリニックで一夜を過ごすことになった。クリニックが4階にあるのだが、大げさでもなく、何度となく” 窓から飛び降りたくなる”ような気分であった。痛みに対して、ペインクリニックで麻酔を打ってもらったが効果なく、痛み止めの注射も効果なし。しかしながら、今回は、比較的ボルタレン坐剤が効果を表し、発作を感じるごとに早め早めに使うことで日々の診療、生活を凌いできた。1ヶ月が経過しても排石されない。痛みの度合いは軽くはなったとはいえ、坐剤なしではのたうち回る状況には変わりなかった。この時期に、B病院に出向して、患者さんのカテーテル治療をすることがあった。治療中は全く問題なく手技を進め終了することができたのだが、終わって20分ほどして発作が起こり出した。流石、プロだなと自分に感心しながら、坐剤を求め急いで自宅に戻った。10年前も、大阪市内の J病院に招かれてカテーテル治療を行ったとき、この時は既に結石が膀胱に落ちていたので痛みは全くなくなっていたのだが、頻繁にトイレに行きたくなるという状況で、我慢しながら手技を終えたという苦い思い出がある。結局、ボルタレン坐剤に感謝しながら結石が出たのは半年後であった。なんと出てきた石は長方形のスライドガラスを何層にも重ねたような見事な結晶で、11mm×7mmという恐ろしいほどの大きさであった。ここまで大きければ、本来、ESWL(衝撃波結石破砕術)の適応であったと思われるが、仕事を休む時間はなかった。先日、健診を初めて受けてみたが、CTで右腎臓に次の候補がしっかり準備をしているようだった。

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