診察室でのひとり言

日常の診察室で遭遇する疑問、難問、奇問を思いつくままに書き記したひとり言

厳寒のゴルフ・・・ゴルフの真髄

2022年02月19日 | ブログ

子供の頃は野球、学生時代はテニス、スキーなど色々スポーツが好きで経験してきたが、今となればテニスすらすることなく、二人の娘が小さい頃は毎年スキーに出かけたが、もう 10 年以上スキーもしていない。学生時代は、YMCA の子供たちのスキー講習のインストラクターをしたりもしていたが、何しろ寒いのが大嫌いな私は、プライベートでスキーに行ったときは、雪が止んでいる時しか滑らない。ほとんど喫茶でコーヒーを飲んで雪景色を眺めていることが多かった(笑)。今、野球、テニス、スキーといった選択肢がなくなり、残されたスポーツはゴルフだけとなった。ゴルフに興味のない人からすれば、あんな棒を振り回してどこが面白いのかといったところである。確かに、単純な作業には思えるが、広大なゴルフ場を 1 日かけて大きく振ったり、小さく振ったり、そして最後はコツンと球を棒に当てて穴に入れる。しかし、これが病みつきになる。ゴルフをやる人なら分かるであろうが、毎回、自己ベストを出す勢いでスタートするのだが、最早途中で断念するような時の方が多い。私のベストは 76  であるのだが、これも 5 年ほど前に出したっきりで、 777879 はあるもののベスト更新には至らない。先月、雪のちらつく寒い日に、父親と 2 年半ぶりに二人でゴルフに出かけた。父親は昨年 12 月で 89 歳になったが、今でも猛暑、厳寒の中でも週 1 回はゴルフに出かけている。今回も、かなり寒くなるとの天気予報であったのでキャンセルを進言したが、『 雪が積もらない限りはキャンセルの理由にならない 』 と改めてゴルフの本来の意味を気づかされた。この日は 1 番スタート。キャンセルする客も多かったのか、父親と私とキャディーさんの 3 人で先頭を廻った。グリーンはカチコチに凍っていて、折角上手くグリーンにONしたかと思ったら大きく弾かれ、奥まで転がってしまう。こんな時は短めにグリーンの手前に落としてグリーンONをしていかなければならない。なかなか頭を使うゴルフだった。飛距離が落ち、ボールも飛ばなくなった高齢者ともなると、ティーグラウンドは女性と同じようなところから打つのだが、この日 父親は、私に合わせてレギュラーティーから一緒に廻った。当然飛距離が落ちているので、パーONなどできない。しかし、グリーン周りは流石に超一流。ピタっとピンに寄せてくる。昼食を挟んで後半の 9 ホールは、寒さに加えて風が強くなり最悪のコンディション。私は最早耐えるに忍びない気分でゴルフをやっていたが、寒さを微塵も感じさせない父親は、却ってゴルフを楽しみ調子を上げる状況であった。なんと、前半こそ 39 vs 52 であったが、後半は 46 vs 46 と引き分ける結果となり、89 歳にしてレギュラーティーから雪の舞い散る寒く風の強い日に 98 で廻るなんぞ、世界中探してもそんなにいないと思える父親が誇らしく嬉しかった。寒い季節はゴルフを中断なんて言っている我々軟弱ゴルファーには、愚痴も言わず楽しそうにラウンドしている父親の姿に真のゴルフを教えられたようで感動した。父親は、60 歳の時にゴルフ倶楽部のシニア選手権で優勝、70 歳の時にグランドシニア選手権で優勝。75 歳の時にシニア杯で 75 で廻るエイジシュートを達成し、この 3 つの記録が倶楽部の額に永久に保存されている。今、私も 60 歳。秋のシニア選手権目指して頑張ろうと思う。