梅雨明けだそうです。今日は非常に暑かったですね。4時の段階で南校舎の4階の廊下側の温度計が34℃を指し示していました。
ところで、皆さん、3連休いかがお過ごしだったでしょうか。
私は、土曜日に、午前中に散髪し、夜には佐久市内で会合があり、様々な話を仕入れてきました。学校運営に役立つ話がいっぱい。いつか、その話題もこの「校長日記」のなかで、書けるようなら書くこととします。
日曜は休養にあて、月曜日には午前中出勤し、溜まっていた仕事を片付けました。
本校としては、去る土曜日には、2年生は校外研修、3年生は土曜講座実施ということでした。
さて、本日は火曜日の1時限から3時限の授業後、三者懇談を実施します。
3年生の面談準備をする担任、プロジェクターを駆使しての面談です。
こちらは北校舎4階の学習室で学習する生徒たちです。野球部の3年生たちもきちんと気持ちを切り替えて、学習にいそしんでいました。
一方、こちらは補習の様子です。上が数学、下が地理の補習です。
過日、本校の若手の先生方中心の自主的な研修会が開かれたと聞きました。いいことですよね。昔は、夜、何人かで輪読会などをやったことを思い出しました。
様々な研修を行い、生徒のために、学校のために、そして自分のために、役立ててほしいと思うのです。「研修」とは、研究と修養を縮めた言葉です。
私も、自己研修の一端を次に示しますね。
さて、それは、上の本のことです。祖父江孝男先生の『県民性』です。お読みになった方もいらっしゃるかと思います。初版が昭和46年(1971年)。このほど注文したものは、平成25年(2013年)発行の43版です。今でも売れている本なのです。
かつて、この本を読んだことがあったのですが、何が書かれていたのか、忘れていました。
実は、昨年、諏訪に赴任した時に、有賀峠の向こう側に、「二つの上野」という、諏訪市上野と辰野町上野があり、その違いについて書かれた論文をかつて読んだのに、それがどの論文だったのか、忘れてしまい、様々調べたのですが、思い出せないでいました。向山雅重先生の論文集などにもあたり、『長野県史民俗編』に掲載された論文一覧も見たのですが、どうしても思い出せなかったのです。
先日、ふと思い出しました。それが、この『県民性』です。
さて、何が書かれているのか。こんなことです。
昭和45年(田澤註1970年)4月と8月の2回にわたって私どもは、行政上、諏訪市に属する上野のムラともう一つ上伊那郡の辰野町に属する、これまた上野というムラの二つを比較しながら研究調査した。
この二つのムラは、相互に7百メートルほどしか離れていない。(中略)つまりこの二つのムラは、互いにすぐ眼と鼻の先にありながら、諏訪市と上伊那郡を隔てる境界線がそのあいだに通っているのであって、この境界線こそは、明治以前、諏訪の国と伊那の国とを厳然と隔てる線であった。そしてそれぞれの所轄ごとに文化が異なり気風も違うのである。(中略)
この二つの上野はともに四〇戸ほどで、農業と近くの町にある精密機械やテレビ部品などの工場への通勤を経済源としており、農業の種類も畑作と水田という点では共通しているし、ちょっと眺めただけでは、あまり相違はないようにみえる。しかしよく調べてみると、いろいろな差が発見されてくる。いまそのなかで、住民の性格についての調査結果だけを紹介してみると、次のようなことになる。
住民によって意識されている相違点
住民の語るところをまとめてみると、次のとおりである。
〈諏訪〉
1 気性が荒い。
2 こすい、はすっこい、ぬけめがない(たとえば農業やビニールハウス、その他新しい技術を伊那より早くとり入れている)。
3 ザックバランである、形式にこだわらない(諏訪では玄関から出入りせず縁側から出入りする。座順も厳格ではない)。
4 内部結束力、組織力がある(自治組織もしっかりしている)。
5 伊那より勤勉である。とくに女性がそうだ。
〈伊那〉
1 人間がまるく、のんびりしている。
2 まじめでおとなしい。
3 礼儀正しくきちょうめんである(家格を重んじ、結婚のときも家柄や血筋を考慮にいれ、玄関から出入りし、冠婚葬祭のときの座順は厳格にきまってる)。
また諏訪に属する岡谷市が、かつての製糸工場から転じて精密工業でみごとに成功しているのは、結局諏訪人の性格の「はすっこさ」によるのだという点は、諏訪と伊那の両方の人びとから指摘されていた。そして住民の多くが諏訪人の性格の起源として考えているのは、その気候が寒く、耕地も狭く、自然にめぐまれないという点であった。田んぼも諏訪湖の水平面より上にあり、水をひくのにも苦労する。これに対して伊那では用水にもめぐまれ、耕地は広いし、米がよくでき、苦労が少ないので人間がのんびりするのだ、という解釈が一般であった。(149p~152p)
さて、この「校長日記」をお読みの皆さんは、どのように思われたでしょうか。
その後も、「TATテストによる調査結果」による分析がなされています。興味のある方は、ぜひ、この本をお読みください。
私、5 伊那より勤勉である。とくに女性がそうだ。
という記述に、いたく感じ入りました。「二葉」の同窓生の皆さんとの交流から、そんなことを思ったわけです。
諏訪に赴任してから、諏訪清陵高校の三澤勝衛記念文庫講座「諏訪力」にたびたび出席させていただいています。
諏訪人の持つ、「パイオニア精神」とか「こだわり」とか、様々な諏訪の人びとの気質にふれることができ、大変勉強になります。
19日に行われた講座には、出席しませんでしたが、「諏訪響」に関する話も、まさに「諏訪」ならではの話ではないでしょうか。写真は石城諏訪清陵高校校長先生の写真を転用させていただきました。ありがとうございました。