岡目八目、天地明察(安井算哲)
読売新聞夕刊(火曜付け)の、なるほど囲碁欄の「岡目八目」にNHKドラマ「水の中の八月」にてモンス国際映画祭最優秀脚本賞、映画「女学生の友」で菊島隆三賞受賞。映画「日本沈没」「クライマーズ・ハイ」などの脚本でおなじみの加藤正人さんが掲載されていた。
(読売新聞夕刊)
加藤正人さん
4回の連載記事だが、1、2回は加藤さんが囲碁を覚えた原点等を書いているが、3、4回では、江戸時代前期の囲碁棋士で天文暦学者の渋川春海(安井算哲)を主人公にした映画「天地明察」を紹介している。
冲方丁(うぶかたとう)さんによるベストセラー小説「天地明察」を、「おくりびと」の滝田洋二郎監督と加藤正人さんの脚本で映画化され、今年9月15日に全国公開される。
天地明察(安井算哲)
太陽や星を測り、日本で初めて暦作りに挑戦した二世安井算哲(渋川春海)の物語である。
古算哲とも呼ばれる一世安井算哲の長子として京都で生まれ、父の死により二世安井算哲となるが、当時13歳だったため、安井家は、古算哲の養子算知が継ぎ、算哲は保井姓を名乗った。
21歳で幕府の禄を受け、御城碁を打ち本因坊道悦に先番で勝ち、御城碁を17局勤めた。当時の日本は唐から伝わった暦を用いていたため、かなりの誤差が生じていたため、算哲は天文学を学び、各地の緯度を計測し大和暦を作成した。
算哲は、囲碁にも天文学をあてはめ、御城碁8局目の本因坊道策との対局で初手天元を打った。算哲は「これでもし負けたら一生、天元には打たない」と豪語したが、道策に負けたため、その後は初手天元をあきらめる事になった。
1671年御城碁・黒番保井算哲 白番本因坊道策 244手白番9目勝ち(37手まで)
47歳の時に幕府の命令により京都から江戸に移り、天文台を建設。63歳の時に渋川に改姓し75歳で亡くなったが、そん間に多くの著書もある。
映画「天地明察」で安井算哲(岡田准一)、算哲の妻(宮崎あおい)、水戸光圀(中井貴一)、本因坊道策(横山裕)、安井算知(きたろう)、本因坊道悦(尾藤イサオ)が演じている。
「13路盤で目指せ初段」
また、加藤正人さんは、この映画で安井算知を演じた俳優のきたろうさんがテレビ囲碁講座「13路盤で目指せ初段」に吉原由香里棋士と出演している事も紹介している。
きたろうさん 吉原由香里棋士(日本棋院ホームページより)
私も毎回「13路盤で目指せ初段」を観ているが、きたろうさんは強い!初段?
また、きたろうさんが(吉原由香里さんを前にして)「好きな棋士は小林覚先生」と言うのが好きだ!
9月15日が待ち遠しい!
※「岡目八目」(他人の囲碁をそばで見ていると、対局者より冷静で、八目先まで手が読める意から→第三者のほうが、物事の是非得失を当事者以上に判断できるということ。囲碁から生まれた言葉には「一目置く」「駄目」などあり)