終局トラブル
終局方法の周知徹底を!
2月21日(日)に行われたさいたま南市民囲碁協会の囲碁大会で終局トラブルがありました。
級位者同士の終局直前で手入れを必要とするAさんが「終わりですね」(?)と宣言しましたが一方のBさんは同意しないまま、ダメ詰めが始まり、大石が取られる形になっています。
私は子供に囲碁を教えていますが、終局は「パス」「パス」で終局と教えています。
もしもその時にダメがあればダメもつめてから「パス」宣言させます。
子供と大人で対局し、終局間際のダメつめで石を取られたと嘆く大人がいまだに多くいます。子供はダメつめを終えて「パス」「パス」で終局と教わっていますが、大人は昔の曖昧な終局方法を引きずっています。
平成14年2月21日に北海道で行われた第26回棋聖戦第5局(王立誠棋聖 対 柳時熏七段)で終局直前トラブルが発生、それを機に囲碁規約も曖昧な終局方法を見直し「ダメつめ」を終えて終局する事になったと思います。
当時、王立誠棋聖に対しいろいろな声がありました。しかし私は王立誠棋聖の勇気(?)があって国際的にも通用する現在の囲碁規約が生まれたと思います。
王立誠棋聖は激闘譜のなかで「・・・もしもあの時言わなかったらたぶん一生後悔したでしょう。私はふだんの対局でも、終局宣言はしないで最後まで交互に駄目を詰めるよう心がけています。・・・」と書いています。
現在の囲碁規約は
第九条-1(終局)
一方が着手を放棄し、次いで相手方も放棄した時点で、「対局の停止」となる。
<解説>
着手の放棄(いわゆるパス)は対局停止宣言であるが、次いで相手方も着手放棄した場合は対局の停止となる。双方が着手放棄の意志表示をした時点が、対局の停止時点である。
第九条-2
対局の停止後、双方が石の死活及び地を確認し、合意することにより対局は終了する。これを「終局」という。
<解説>
- 1 「駄目詰め」、「手入れ」は必要着手
石の死活及び地を確認するためには、第八条により終局までに「駄目詰め」及び「手入れ」を行わなければならない。
- 2 対局停止後での「駄目詰め」、「手入れ」は規定外
「駄目詰め」及び「手入れ」を、対局者の合意により、対局停止後適宜に行う場合は、それらは規定上の着手に該当しない。
第九条-3
対局の停止後、一方が対局の再開を要請した場合は、相手方は先着する権利を有し、これに応じなければならない。
<解説>
1 "対局の再開の要請"
対局の停止状態が解除され、競技再開となる。
2 "相手方に先着する権利あり"
- (1) 対局を再開する場合は、停止期間中に規定外の着手があれば、それらを無効として再開することができる。
- (2) 対局再開を要請した相手側から打ちはじめる。
- (3) "これに応じなければならない"
要請された相手方が着手の必要性を認めない時は、パスで応じて差支えない。
当時A社は以下の記事を掲載しました<美学かルールか>
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/da/5d87ab23d289d5b75905b4b4da9107dd.jpg)
棋聖戦主催のY新聞が発行した「第26期棋聖決定7番勝負 激闘譜」によると
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/fd/a2d1cbc8021c7c0548e9ce1115378ef4.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/5b/724848e8dc436e4ecde89f07cbe1569c.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/0a/27be4a40cdf347792e0b1b13e04ddeb7.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/5c/e5f25e6528f7cbaccfe058ecb36707fb.jpg)
また当時を語った切り抜き(盤上の珍事)も紹介しよう
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/21/db30a73688ae57eab75976c869facec2.jpg)