7月28日、長年ハイチで医療活動を行なってきたクリストロア宣教修道女会のシスター須藤の講演会に行った。最後にシスターと会ったのは今年の3月。明治大学で行なわれてたJVJA(日本ビジュアルジャーナリスト協会)主催のハイチ地震報告会に来て下さった時だった。それから数週間後、シスターはハイチへと旅立っていった。ハイチでのシスターの様子はNHKの「クローズアップ現代」やBS世界のドキュメンタリー「ハイチのマザーテレサ」で、放送された。
講演会でシスターは司会者の質問に答える形で、初めてハイチに行った頃の話に始まり、地震後の様子などを話された。シスターの話によれば、被害地域の復興は遅れてはいるが、損害を受けた結核療養所の建物は、日本政府からの援助で再建されるとのこと。嬉しい知らせだ。
シスターと初めて会ったのは1995年だった。優しい笑みを浮かべながら、結核やHIV患者の診察と治療にあたっていた須藤さんの姿を今でも鮮明に覚えている。それから十数年後、少々お年を召したとはいえ、その頃と変わらないシスターの元気な姿に驚かされてしまう。現在、医者としての仕事からは一線を引き、植林や農業の再生プログラムに尽力している。その逞しい行動力は一体何処から来ているものだろうかと、考えてしまう。修道女としての務めもあるだろうか、長年に渡って築き上げてきたハイチの人びととの絆と、愛情の深さからではないだろうかと思う。ハイチのことが大好きで、大好きでしょうがない。私ごときの観察で失礼だが、それがシスターの原動力ではないかと思う。これからもハイチと日本でがんばってほしい。
講演後、会館内(セシオン杉並)で行なわれていた「震災復興支援ハイチ・アート展」に寄った。主催者で絵画を提供している、井上ジェイさんと会場であった。入場者の入りは、今ひとつとのこと。暑い日が続いているせいかもしれない。
素晴らしいハイチ絵画の魅力にふれる絶好の機会だ。絵画展は8月4日まで開催されている。多くの人たちに見てもらいたい。
写真は シグノの国立結核療養所で診察するシスター須藤 1995年