ブラジルとブラジルのマーケティングあれこれ

ブラジルで日々おこることをマーケッターの目で解説するページ。広告業界の情報も。筆者はブラジル在住29年目。

ドラッグストアの支配人が見せたブランド力向上の教訓

2010-09-20 09:17:30 | ブランド
今日、古本が出るということだったので、近所の日系の教会のバザーに出かけた。驚いたのは開始15分くらい前に着いたけど、200人くらいの列ができていたことだ。やっぱりバザーは日系コミュニティで人気があるなと思ったけど、同時にマズイっとも思った。教会の建物の横がドラッグストアになっていて、駐車場の前をふさいでしまっているのだ。イベントの仕切りを仕事にしていると他人がイベントも気になってしまう。店の支配人らしき人物がチラチラとこちらを見ている。あ~、ついに出てきてしまった。

30代前半くらいのその支配人らしき人物がやったこと。邪魔になるからお客の車が入るためのスペースを開けてくれというクレーム? そうではなくいろんなメーカーの宣伝の入った自社の宣伝小冊子を列の最後尾から配り始めたのだ。これは正しい。もうバザー会場は開くし、その間にお客の車が来ても、列の人は気をきかしてスペースを開けてくれるのはわかっている。だったらこの200人に宣伝してしまおう。マテリアルもある。よしやれ、大事なのは笑顔だ!

実際、「いいアイデアだね!」といってあげたら、うれしそうにしていた。

これが日本だったらどうかな? 日本のマニュアル化された、洗練されたサービスも僕は優れているものと思っている。よく練られたマニュアルであり、それを忠実に実行する係の人の能力、努力も認めている。しかし、今回のような場面は、日頃からブランドイメージをどうしたら向上できるかということを考えていなかったらでてこないアクションだろうし、もちろんマニュアルなんてない。それをサラリとやってのけたその支配人には拍手を送りたい。こういう才能はブラジルにはたくさんあるし、それを自判断で実行できる土壌がある。これは強いことだ。



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