大学の遠隔授業(EAD)が急増している。2014年から15年で3.93%増えている。ネットで好きな時間に授業を受けることができて、授業料は月に250レアルくらいからある。授業内容のクォリティが上がったということも理由だが、働きながら勉強する学生の多いブラジルでは、通学時間の負担も大きい。また授業料の負担もこの不景気でさらに重くなっているということが影響しているだろう。
遠隔授業は完全にバーチャルで行われるかというとそうではなく、MEC(教育省)の規定では一年に決まったスクリーングを受けることが義務となっている。そこで大学側ではPoloと呼ばれる、拠点を全国におくことによって、ブラジル中から学生を集めている。
おもしろいのはUNIP(Universidade Paulista)という私立大学は、日本の浜松市にもPOLOを開設して、日本在住の日系ブラジル人の学生の便宜をはかっていることである。日本のブラジル人の間では日本定住志向が高まり、子どもたちも日本の学校に通うことが多くなっているが、まだまだ日本語に馴染めない子どもたちも存在する。実際にそういう子どもたちのためのブラジル人学校も各地に存在する。そういう子どもたちに遠隔授業とPoloは大学進学の機会を与えることになるのである。
日本のいくつかの大学にあるポルトガル語学科の学生にもいいかもしれない。自分の興味のある分野の学科に登録して授業を受ければ、通常の授業でのポルトガル語学習のバタッシュアップになるこだろう。
正直、最初は多少の偏見をもって見ていたが、遠隔事業というのはこういうことも含めて、これからさまざまな形で広がっていくと思うようになった。