ブラジルとブラジルのマーケティングあれこれ

ブラジルで日々おこることをマーケッターの目で解説するページ。広告業界の情報も。筆者はブラジル在住29年目。

ポンテプロンタ広告ブログ

ブラジル、サンパウロで活動する広告会社のブログです。展示会、イベント、マテリアル製作、調査・マーケティング・コンサルティングの分野で、主に日本の企業、政府関係機関の業務のお手伝いをしています。日本語とポルトガル語のバイリンガルでアテンドいたします。 www.pontepronta.com.br

ブラジル短信(2017年1月15日)

2017-01-15 10:20:29 | ブラジル短信

収監者の28%は麻薬関係

2005年に14%だったのが、倍になっている。盗みは31%から25%に落ちて、麻薬より少なくなっている。麻薬関係の刑法を厳しくした結果だとFolhaは説明。とにかく麻薬が犯罪組織の最大の収入源になって資金を支える。武器や構成員の人数は日本のヤクザどころではない。今、北部の刑務所で暴動、囚人間の殺人が頻発しているのは、麻薬取引の拠点として隣国に接するアマゾン地域の重要性が増していることの現れである。

 

11月に工業の売上げが4.5%増加

全国工業連盟が発表。労働時間も0.7%増加。しかし、前年同月比では売上げがマイナス9.9%、労働時間がマイナス5.5%で、とても回復傾向にあるとはいえない、と同連盟はコメント。工業製品は在庫の調整があるので、その結果だろう。1月から11月の期間で工業関係の雇用は7.8%も減らしている。

 

2013年からの3年間で税収が17200万レアル減少

この金額はパラグアイのGNP2倍だそうだ。金が足らなくなって財政赤字が増えるのも当たり前。その中、政権維持のために無駄な免税処置やインセンティブを設けたり、自分たちの懐に掠め取った結果が今の状態。

 

ILOがブラジルの失業者の増加を予測

今年の失業者数は昨年の1240万人から1360万に増えると予測。失業率は11.5%から12.4%へ。なかなか厳しい数字だ。資源価格が回復しても、国内の消費市場が改善しないと安定成長は望めない。


ブラジル短信(2017年1月14日)

2017-01-14 11:35:05 | ブラジル短信

ドル:R$ 3.222

Bovespa-0.47%

 

エンブラエルの2016年の販売機数は225

108機が航空会社向けで、117機がプライベートジェット機。前年比1.8%増加。一応、市場に示した目標は達成とのこと。

 

今年のIT投資は増加の見込み

コンサルタント会社のIT Data社によると3.3%の売上げ増で、761億レアルに達する見込み。45%の企業が今年中に予算を増やすことを予定しており、33%が現状維持、22%が削減するとのこと。過去の数字を見る限り(単位は10億レアル)、リセッションで横ばい、微増で、他の分野ほど企業は投資を減らしていないことがわかる。画像フォルダ

テーメル政権の元Secretaria de Governo政府事務局)を捜査

ジェッデル元長官が、Caixa Economica(連邦貯蓄銀行)の副頭取時代に食肉メーカーなど向けの融資の便宜をはかった疑いで。クーニャ元下院議長との携帯での会話記録から発覚。公的融資の許可は昔から汚職の温床になっている。

 

政府がブロードバンドへの無制限アクセスの制限を断念

NetFixなどの普及でデータ量が膨大になったために、電話会社などのロビー活動で、無制限アクセスの契約の見直しを検討していたが、断念する模様。直接の理由になったかはわからないが、アクセス制限に反対するハッカーグループのAnonymousが、通信技術革新大臣のカサビの個人情報をグループのフェイスブックでさらすという事件がおきている。


ブラジル短信(2017年1月13日)

2017-01-13 15:28:26 | ブラジル短信

ドル:R$ 3.175

Bovespa+2.41%

 

今年は連休が多くて旅行業界の売上げを底上げ

観光省によると一年を通して210億レアルの売上増になる見込み。飛び石連休などで22日の休日増、1050万件の旅行が実施されうという。またブラジル旅行会社協会の予想では前年比で8み~14%の売上増加だとか。不況で人件費を減らすためにこの年末年始も集団休暇にする企業が多かった。工場など中途半端に動かすより、止めてしまった方が売上げが落ちている状況の中、合理的になる。とにかく金の回る業界がでるというのはいいことだ。

 

ドリア市長がパウリスタ大通りの屋台店を撤去

年始めの10日間で市は約100軒の簡易屋台店を撤去した。サンドイッチ、ポップコーン、フルーツなどを売る店である。昨年は250軒あったが、この数は許可されている数の4倍だという。まらEstado de São紙が2015年の12月に数えたところ、手作りのアクセサリーなどを売る業者が235いたそだが、ドリア市長は1日平均10業者ずつ撤去させているという。たしかに昨年はこの手のアクセサリーのヒッピーみたいな連中は多かった。でもとくに歩道の通行の邪魔になるような感じはしないので、自由にやらせても誰も困らないのではないかと思う。きちんと許可制にして、シンボリックでも税金をとればいいのでは。

 

食肉メーカーのBRFがマクドナルドの独占サプライヤーに

これまでJBS2社で分け合っていたが、1社に集中されることになった。ブラジルのマクドナルドの年間のハンバーグ消費量は推計約33000トン。市場の価格ではトンあたり1500レアルから13000レアル。安く見積もって、マクドナルド向けの売上げは3500万レアルと見られている。BRFJBSの年間売り上げは、それぞれ300億レアル、1600億レアル規模なので、取引としては小さいが、シンボリックな意味でも重要なクライアントとして熾烈な戦いを繰り広げていたのだろう。


ブラジル短信(2017年1月12日)

2017-01-12 08:33:38 | ブラジル短信

ドル:R$ 3.198

Bovespa+0.7%

 

公定歩合を0.75%下げる

中央銀行通貨審議会は公定歩合(Selic)を年間13.0%に下げた。インフレが下がっているところから、0.5%ぐらいの利下げは予想されていたが、それ以上にドラスティックで市場に驚きを与えた。投資が戻るかどうかは、この利子と経済政策への信用、つまり財政・行政改革の法案を政府が通すことができるかどうかにかかっている。

 

消費者の3分の1が与信のブラックリストに

与信調査会社のSPC Brasil社によると、2016年は5830万人がブラックリストに登録されていて、クレジットがない状況である。2015年と比べると70万人増加。家計が圧迫されて、日常の支払いにも困難になっている国民の状況を表している。モノが売れないのも当然か。

 

マナウスの暴動・虐殺を指揮した幹部56人を連邦の監獄に移送

リオグランデドノルテとカンポ・グランデへ。移送先は最後まで発表されなかった。

 

ルーラがで大統領選へ出馬宣言

11日にサルバドール開かれたMSTMST=土地無し農民運動)の活動家の集会で。現時点まで世論調査ではトップになっているので、このシナリオが現実的でないわけではない。しかし、今、ルーラは5つの訴訟で被告になっており、そのうち一つでも二審で有罪になれば、被選挙権を失う。

 

男子バレーのブラジル代表のベルナルジーニョが引退

16年間監督を務め、オリンピックで金メダル2回、銀メダル2回という素晴らしい成績を残した。2000年代にある企業をスポンサーとしたバレーボール大会を作る仕事に参加していたことがあったが、あの当時、彼は代表の監督を務めながら、リオのRexonaチームの監督として参加していた。熱くなる監督で有名で、熱血ぶりを近くで見たものである。


ブラジル短信(2017年1月11日)

2017-01-11 14:06:32 | ブラジル短信

ドル:R$ 3.198

Bovespa+0.7%

 

放置さえているマラカナン・スタジアム

オリンピックが終った後、責任の所在がはっきりせず、盗難やメンテナンスの問題がおこっている。テレビ、ホースから歴史的なブロンズの胸像まで盗まれているという。もともとはOdebrechtのグループが運営主体になるのだが、その契約をキャンセルしたがっていて、さらにオリンピック委員会が、会場として貸し出したときの状態に復帰させていないというクレームをつけている。とにかくグジャグジャな状態になっていて、維持費もなく警備が甘くなっているところに盗難続出という感じか。とにかく無理を重ねてオリンピックをやったのだといことだけは間違いない。

 

免罪措置など刺激策をカット

景気回復のために刺激策としてとられていた免税、減税などをキャンセルする。それにより2018年までに30億レアルの節約。ことごく免税による刺激策は失敗しているように思う。財政赤字の改善と税収アップが優先されるべきで、それから戦略的に業種を選んでやるべきだろう。また汚職の機会とならないことも期待する。

 

インフレが目標値内におさまる

2016年のインフレ(IPC)は6.29%だったとIBGEが発表した。目標値は6.5%だったから、一応目標達成。2015年は10.67%だった。インフレが下がった原因は当たり前だが、需要が落ちて企業が値段の調整ができなかったからである。税金は上がっているし、原料なども値上がりしているはずだが、価格に転嫁できない。ブラジルのインフレの怖いのは、スタグフレーション、つまりリセッションでありながら、ものの値段が上がることだった。需給ではなく価値修正、物価、賃金のスライド制などが、物価を押し上げる要因になることが多かったのである。一応、今回はそれが回避できてるように見える。次は利下げに耐えきれるかだろう。

 

サンパウロのバス・地下鉄セットの値段が凍結を裁判所が指示

ドリアの大風呂敷の一つのバス、地下鉄料金の凍結がまだはっきりしない。裁判所は値上げしたインテグラソン(バスと地下鉄のセット料金)の値段の凍結を指示する判決を出すが、地下鉄を管理するアルキミン州知事は、それをもし凍結するなら、個別の料金は値上げしないといけないとコメント。インテグラソンの料金はインフレをはるかにオーバーする14.8%の値上を打ち出していた。それを凍結の原資にしようとしていたのだろうけど、いずれにせよ金が足りないのははっきりしているので、どのあたりが落とし所になるのか。有権者に直接影響する部分なので、下手な結果になると大統領選挙にも影響する重大なファクターだと思われる。