ブラジルとブラジルのマーケティングあれこれ

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やはり強い「新興中産階級」(Cクラス)

2010-09-20 07:16:18 | マーケット


2014年のワールドカップ開催で心配されていて、FIFAが心配していて、また開催地選定の条件としていることにスタジアムの質についての他に、交通インフラとホテルなどの宿泊施設の完備がある。そのためそれでなくても欠陥の多い空港の整備が急務で、いろいろと計画が発表されている(期間中空軍の空港を開放するというアイデアもあるという)。

観光省はワールカップの期間に外国人が60万人、ブラジル人が300万人が旅行すると推計している。

しかし、それ以前にブラジルの旅客の増加によってパンクするのではないかと心配されはじめた。パンクしなくてもこれ以上サービスが悪くなったり、延着、キャンセルが増えれば嫌になる。ブラジルの在住の方は現状をご存知ですよね。この間もTAMが大量のキャンセルと延着をだして国が止まった。また管制官のストのときはパニックになっている。

旅客数の増加を支えているのは「新興中産階級」と呼ばれているCクラスで、Data Popularという低所得者向けのマーケティングのコンサルタント会社によれば、この先12ヶ月で1070万人の人が初めて飛行機で旅行して市場に流れこんでくるという。前にも書いたけど、各航空会社はこのクラスの市場を広げようと大衆電化チェーンとタイアップして航空券を販売したり、長期の分割払いの条件をだしてさかんにアプローチしている。面白いのは低所得者といえどもサービスへの要求度は高く、到着した空港から目的の町までのバスもパッケージにしたものが求められているという。低所得者の旅行の目的はレジャーもあるけど、生まれ故郷への里帰り需要も多いので(サンパウロなどの大都市の底辺労働をになうのは東北伯出身者が多い)、主要都市からのバスの手配もしてくれたら助かる。

もっと長期の予想ではこの先15年で旅客数は3倍に増加するというものもある(ANAC=連邦民間航空庁)。この広いブラジル、飛行機の需要も無尽蔵といえる。

総論めいたものになってしまうけど、ブラジルのこの流れは変わらないと思う。所得格差が少なくなり(高所得者層はますますパワーをつけると思うが)、かつてのような中産階級が贅沢に暮らす社会ではなくなってくるのではないか。

格安航空券を巡るコミュニケーション戦略


航空会社のCDクラスへのアプローチ



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