ブラジルとブラジルのマーケティングあれこれ

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森林火災

2019-09-01 18:02:05 | 政治

ブラジルの森林火災の急増がが世界的な話題となっており、ブラジル政府に国際的なプレッシャーがかかってきている。もともとINPE(全国宇宙研空所)が発表したデータに大統領がイチャモンをつけ、所長の解任にまでつながったことから、マスコミで大きくとりあげられることになった。たまたま同時期に開催されたG7でも議題にされ、2200万ドルの緊急援助が醍庵されたが、それを大統領は内政干渉だと断わるものの、後に干渉がないなら受けるというお粗末さを見せている。要するに世界の中での環境問題の重要さ、デリケートさについて認識していなかったために混乱しているのである。


直接的な影響は、穀物メジャーの森林伐採地域期の穀物の扱いのボイコット、伐採地域の牧場の牛皮の輸入ボイコット、さらにサーモン養殖業者によるブラジル参大豆のボイコットなどにあらわれてきている。政治ではなく、産業界からの圧力の大きさは見逃せない。この先、どのように広まり、またどのようにブラジル政府が反応していくかは注目される。


火災と一言で言われているが、実際はサトウキビ農場の火入れや自然火災も含まれるので、増加分のすべてが人為的な違法伐採とその後の火入れではないのは事実である。それを差し引いてもデータを見ると今年の増加は激しい。

マスコミで使用されているINPEのデータはサテライト画像を含めて次のリンクで確認することができる。

Programa Queimada


8月31日までの「火災箇所」は90,501で前年同期間と比べて71%増加になっている。マスコミでさかんに報道されたときは81%だったので、軍隊を投入してから少しは沈静化したものと思われる。それにしてもこんな重要なデータがポルトガル語でしか公開されていないのは大きな問題だと思う。

 

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