2015年のブラジルのビールの生産量が既に公開されている。発表元はReceita Federal(国税)。やっぱり税金をとる方ははやいね。
2015年全体では前年比でマイナス1.99%。GNPのマイナスが3.6%以上と見込まれているから、それよりは少しマシだということだけど、近年の増加傾向に歯止めがかかったことは間違いない。ただ月ごとに前年比を見ると、12月こそマイナスになったが、8月からはプラスで推移してきていたのである。1月に落ち込むか微増するかが気になるところ。
参考として過去10年の推移をにしたけど、2005年から約50%増加してきている。一度上げた生活レベルはなかなか下げることができないので、中期、長期的に見てこの増加傾向は変わらないと思う。
生活感覚でもブラジル人はずいぶんビールを飲むようになったと思う。僕らがブラジルに来た1980年代の終りは、場末のバールではピンガを飲むのが普通で、コップになみなみ入ったピンガをキューと空ける姿に驚いたものだった。またビールは高いので安いピンガで下地をつけて飲むというようなことも行われていた。ビールの大瓶1本でピンが3杯ぐらい飲める感じかな。もちろん酔い方の違いは、ピンガを知っている人はご存知だと思う。
最近はそういうのを見ることは少なくなったように思う。もちろんピンガは飲まれているけど、ビールの空瓶ずらりと並べて飲みまくっている光景は日常だ。そういう意味で確実にブラジル人の生活はこの10年の経済成長で良くなったのだが、経済情勢は急速に悪化した。誰もが一度つかんだものは離したくない。この気持が今年の地方選挙に反映されるのだろうが、すでに失業率の悪化が見込まれていて、まだまだ出口は見えてこない。