7月の新車販売台数は30万2427台になり、
前年同月比で6%増加となった。まぁ好景気と高い消費者の購買意欲、クレジットの拡大の結果なのだけど、とにかく車が欲しい人がたくさんいる。無限に市場があるような錯覚もおきる。止まっていたトヨタの第二工場の建設も再開されている。
この車ブーム、ステイタスとしての購買意欲もあるけど、とにかく公共交通の悪さが根底にある。地下鉄はサンパウロでは、4本しかなく(サンパウロ大都市圏の人口は1800万人を超える)、郊外に行く鉄道も6本しかない。あとはバスで移動するしかない。
僕が来た20年前は東京などと比べたら渋滞もひどくなく、またラッシュ時の地下鉄の混雑も「こんなのは軽い」と感じるものだったけど、最近は両方共東京並だ。立体交差が少ないので、むしろ東京の方が車はスムーズに動くように感じる。
そんな中、移動の自由、快適さを得ようとすれば自家用車を使うしかない。実際、中流以上は車通勤が当たり前で会社も肩書きによっては、駐車場を社員に用意する。だからお金が貯まったり、雇用が安定して借金ができるようになると、まず最初に車を買おうと当然の行動を見せる。それでますます渋滞がひどくなる。バスを使っている人も同じ被害にあう。
州政府は郊外にでる幹線道路をつながく環状道路を建設中で、それで市内に入ってくるトラックをシャットアウトして改善しようとするが、とても追いつかない。
国としてもそうだけど、サンパウロは都市としてまだまだ成熟していなくて発展段階だ。マンハッタン、東京では所得に関係なく地下鉄、電車通勤が当たり前。それは車通勤という便利さを得るためのコストが高いからだということはいうまでもない。また代替手段がある。サンパウロがそこまで成熟するには、やはりまだまだ時間がかかるだろう。
誰も「成熟」を悠長に待ってはいられないので、快適さと便利さを求めてブラジル人は自分で解決しようとするだろう。つまり郊外型の住宅地の増加と在宅ワークの増加だと思う。また、地方都市がますます発展するだろう。トヨタも新工場の建設地もサンパウロから2時間ぐらいのところで、地方都市として一応の形が整っているが、住環境についてはサンパウロより遥かにいい。
地方への分散がキーワードで、国土の広いブラジルはこの点が強い。