永田町の輝石

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先輩に仕事の相談をするために永田町のオフィスを訪ねた。
永田町に着くと、
Myお楽しみタイム「最高裁判所の佇まいをじっくり眺める」を早速実行。
普段は首都高の車窓からシャーっと過ぎ去って行くこの威風堂々とした建物を、
今日は足を留めてじっくりと拝見できるのが嬉しい。

まず正面に回りこんで、怪しまれない程度にゆっくりと歩きながら眺める。

う～ん、やっぱり凄い・・・。
怖い程の精度で積み上がったこの巨大な石達よ。
私がこの建物から連想するのはピラミッド。
気高く神聖で、固い意志というか決意のようなものを感じる。
「決して犯すべからず」という強烈なメッセージ。
日本にはまあるい古墳があるけれど、
こちらの方がよりピラミッドに近い印象だなと、やっぱり思う。
でも日本のピラミッド（最高裁判所）の中には、
黄金とファラオと彼の死後の世界が横たわっているのではなく、
長いローブを着た法の番人と生身の人生が存在するのね～と思うと
面白い。

この建物を見たら、「石っておもしろい！」の境先生はなんと仰るのかな？と思った。
一緒に来たら楽しいだろうな。
叶わぬ夢でしょうか。

半蔵門通りの方にクルリと回り込んでみた。
側面までは完璧なピラミッドだった建物が、
背中に回るとパクっとクチを開いていた。
ううん？これは？と思った。
なんだか全然印象が違う。いきなり市役所に来たような穏やかさ。
窓がババーンと開いていて、忙しそうに人が働いているのが見える。
なぜ？
今度本を買って調べてみよう。何か意図があるのかな。
でも働く人にとっては、やっぱりお日様の光は嬉しいよね～。

丁度その時、最高裁判所の隣にある国立演芸場から、
お年寄りがワラワラと吐き出されて来た。
カラフルな小旗がたくさんはためいている様子で
寄席があったのだなと分かった。
ちょっとオシャレしたお婆ちゃまやお爺ちゃま達が、
お友達同士やご夫婦連れで、ワイワイ楽しそうに次々と流れて来る。
みんな満足そうな笑顔でいっぱい。子供みたいにはしゃいでいた。
それがみるみると、半蔵門通りを満たしていった。

その様子を見ていたら、なんだかとても嬉しくなった。
ああ日本は大丈夫って。
崇高な精神があって、文化があって、熱い血が流れているんだなって。
それら対極に位置するのではなく、
隣同士に身を寄せ合っている様に、深い深い安心感を覚えた。

毎日いろんなことがあるけど、
大概のことは乗り切って行けそうな、
そんな美しい光景でした。

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