安い税金と小さな政府を切望するふきあえずのブログ

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悪法(法律)が経済に深刻な影響を与える一例。。。規制緩和はなぜ必要なのか?について

2021-04-18 15:49:44 | 政治
小さな政府について論じるとき、一番重要な論点は「経済の足を引っ張っている規制を取り除く」ことにあります
社会通念に影響を与え、その結果、経済に深刻な悪影響を与えている例は多々あると思いますが、そんな例を一つご紹介します
これは私が環境ビジネスに長年携わっていたために知っていることです

ダイオキシン類対策特別措置法」という法律があります
ダイオキシンという言葉は、「ダイ=死」を連想させるところがあり、「怖いもの」であり、「危険なもの」というイメージがあります
でも、オキシは酸素のことですから、この言葉は物質の組成を表す言葉であり、怖い言葉では決してありません
問題はこのダイオキシンそのものではなく、ダイオキシン類対策特別措置法という法律の方なんです

ダイオキシンは、有機系のたんぱく質などの有機物に塩素分を加え、低温で燃焼させると焼成される物質です
ですから焼却炉に塩ビ管(水道などに使われる灰色の管)などを入れて、800℃以下で低温燃焼させるとダイオキシンが発生します
この塩素系の物質というのは結構厄介なもので、金属などを腐食させる働きがあることから、焼却炉の天敵でもあります
しかしですね。。。塩素を加えて低温燃焼させる。。。こういう言い方をされると分かりにくいのですが
簡単に言うと、「塩をかけて低温で焼くとダイオキシンができる」ということです
つまり。。。家庭で食べている「塩サバ」とか、「焼きジャケ」、とか「焼きとり」とか。。。そのままダイオキシンが発生しているわけです(笑)

ダイオキシンの研究によると、マウス(ネズミ)などの実験動物にダイオキシンを経口投与していると、がんを発症する、とのことです
しかし、人体による実験は禁止されていることから、人体投与による発がん性の検証はなされていないようです
まあ、しかしその必要(人体実験の)はありませんわね。。。現実問題として、普通の人は結構食べてますから
実験用のマウスだって、そんなに毎日毎日、焼け焦げたオコゲを食べさせられたら、ストレスでがんになるかもしれませんわね
そういえば昔誰かに言われましたね、「ご飯のおこげを食べたらがんになるよ」ってね
でも、釜炊きのご飯には塩をかけてないので、その心配はないんですけどね(笑)

世の中、平成のいつごろからか、急に市販の焼却炉などを見なくなりましたでしょ?
昔は小学校や中学校などにも業務用の焼却炉があって、よくごみを燃やしていました
それが今はどうでしょうか?そういう焼却炉を見かけることはまずありません
その理由が、ダイオキシン類対策特別措置法にあるわけです。つまり、「物を燃やす行為はいけないこと」という社会通念がそこから生まれたんですね
確かに、ドラム缶を割っただけの簡単な焼却炉とかは火事の心配もあるので、市街地ではあまり使わない方がいいと思いますし
中国のように塵ばいが飛散するのを完全放置するのも、PM2.5の発生原因になりますので問題ですが
日本のように塵ばい集塵装置(灰や火の粉や煙を飛ばさないようにするフィルター付き煙突)がしっかりしている国では
焼却炉はそれほど危険なものではありません
それよりももっと深刻なのは、「焼却炉自体が悪」と見なされるようになってからの、廃棄物問題なのです

自治体が使っている焼却施設(ごみ処理場)が古くなった時の、焼却炉施設の解体工事など、普通の人は見たことがないと思いますが
真面目な話、本当に漫才をやっているようなものなんです。。。(私は焼却炉解体現場に何度も入ってますので知ってますが)
普段は、その焼却炉施設には「ダイオキシンは存在していない」ことになっているのです
しかし、古い焼却炉を解体する段階になると、おそらくはダイオキシンが残留しているかどうかを調査しなくてはならないのでしょう
急に騒がしいことになるのです(笑)当然、ダイオキシンは存在してますから(笑)
それでですね。。。困ったことなのですが。。。ダイオキシンが付着した解体のガレキなど、どこにも持って行くところがないのです
ダイオキシン類対策特別措置法によると、一定の基準を超える濃度のダイオキシンが残留する廃棄物を捨ててはならないことになっています
持って行けないならどうするのか?と言いますと、防護服を着た人たちが高圧洗浄機などで「焼却炉を丸ごと水洗い」するわけです
当然、飛散防止処置として、施設全体を防護布で覆った中でやるわけです
しかも、水洗いした洗浄水も、そのままではどこにも捨てる場所がなく(日本中、どこにも捨てることができません)
最後には、汚泥を脱水して、特別な高温燃焼施設を備えた処理場に持ち込んで、高い費用を払って高温燃焼させて処理するわけです
危険性の疑わしいダイオキシンに、ここまでしなくてはならないわけです

今回は、法律によって人間の行動が理不尽に縛られるという典型をご紹介しましたが
実はこの法律がもたらしているのは、大きな、国全体の経済的損失なのです
そのことについても、次回ご紹介したいと思います


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