≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

科博に行って『古代アンデス文明展』を見てきた。その1

2017-11-26 15:18:39 | 展覧会に行った話



ボナのライブを観た あと宿をとって、翌日は国立科学博物館の特別展を観た。
  → 古代アンデス文明展HP

時代の順に沿って各文化ごとに展示されていたので、わたしの記事もその順でアップする。

↑上の写真:入ったところに展示されている、大きなリャマ像。

アンデスものだったら遠山記念館で見た ことがあるのだが、
物のレベルが全く違うことを知った。
やっぱり国立博物館でやるのはトップだな。




今回もっともショッキングで揺さぶられまくったのはこの壺。

 キャプション札には、
自身の首を切る人物の象形鐙(あぶみ)型土器
クピスニケ文化形成期中期(前1200年~前800年)ペルー文化省・国立チャビン博物館
アンデス文明において「切断後の人体」の表現は見られるが、
進行中の殺傷行為を描いた事例は、この作品を含め現在までに
2例しかない。耳飾りや全身の刺青から見るに宗教的指導者であろう。
 とある。

死生観が現代日本人とは根本的に異なっている。
こういう場面をこんなに丁寧にかたどるというからには
この行為が非常に重要だ、というのは読み取ることができる。
読み取れるけど、そりゃ且つて日本人もハラキリしたらしいけど、
でも、でもさ!



この静かな顔を見ていると、
一世一代の宗教儀式を無事成功させた人物の覚悟と満足を
わたしは読み取ってしまう。
そこまでも神に対する信仰心が強いのか。



全身の刺青。
それにしても、なんでも鐙型土器にしないと気のすまない人たちだな。




動物象形石製すり鉢・すり棒 形成期後期(前900年~前500年)ラルコ博物館
猛禽の嘴を備えたネコ科動物の「すり鉢」とネコ科動物の頭を持った蛇の「すり棒」の組み合わせ。
小さいすり鉢のため、食べ物ではなく顔料や幻覚剤などをすりつぶしたと考えられる。
 とある。

滑らかな石の表面、緻密な石の質感とモチーフの組み合わせが魅力的。




ネズミ型象形鐙型土器 クピスニケ文化形成期後期(前800年~前500年)リマ美術館

ああいうショッキングなものを見たあとだと余計になごむ、っていうんですか。




刺青またはフェイスペイントをした小像 クピスニケ文化形成期中期(前1200年~前800年)リマ美術館
平らな顔に四角い目・鼻・口を配した土偶。
焼成時に内部の空気が膨張して破裂しないよう穴が開いているが、
穴が腹部などにある作品はオカリナとして吹奏できる。
 とある。

これは吹ける、ってことですかね。
これは鐙型土器ではないけど、何でも使えるものにしないと気のすまない人たちだな。




蛇・ネコ科動物土器 クピスニケ文化形成期中期 ラルコ博物館
ネコ科動物の頭を持ち尻尾を掲げた蛇が、上方から見て点対称に2匹、
胴部の側面に配されている。器面を赤く焼成したあとで、滑らかな表面に
グラファイトを塗って黒色に光らせている。
 とある。

確かにつやつやとして、丁寧な仕上げだ。 変 もとい 不思議ないきもの。




十四人面金冠(レプリカ) 形成期後期(前800年~前500年)クントゥル・ワシ調査団
クントゥル・ワシ遺跡の中心部で発見された、クントゥル・ワシ期の4基の墓のひとつから出土した金冠。
六角形の穴は籠の目で、首級(しゅきゅう、切断された首)が多数詰められた籠を表現している。
 とある。

冠のモチーフが籠に入った首級ゴロゴロ.....。
ええっと、インドにもいませんでした? 首級を首飾りにした女神が。




銅にめっきをし線刻模様を描いたガラガラ モチェ文化 ペルー文化省・モチェ神殿群博物館

上面にはこんなお顔がついている。
宗教儀礼に用いられたらしい。
暗いところに展示されていて、且つコントラストの低い柄で、
見やすい写真が撮れなかった。 すみません。



側面のひとつにはこんな柄。 面によって柄は異なっていた。似てるけど。




アシカをかたどった鐙型単注口土器 モチェ文化 ラルコ博物館

魚をくわえている。




博物館で写真を撮るときに何を撮ったのか忘れるので、
ついでにキャプションの札も撮るようにしているのだが、
どうやらこのウミガメの鐙型土器は忘れたらしい。
ウミガメの体の左右で違う色に塗り分けているのには何か理由がある、
とかそういうんだった気がするけど。



石製棍棒の頭 モチェ文化 ラルコ博物館
戦闘用棍棒の先につける筒状のヘッド部分。丸いでっぱりと細長い刃状の突起がある。
木製の柄を穴に差し込んで使った。重さと固さと突起を考え合わせると、かなりのダメージが予想される。
 とある。

機能美にあふれてる、っていうんですか...。 痛そー




2柱の主神が描かれた鐙型注口土器 モチェ文化 ラルコ博物館
モチェの宇宙観で最も重要な2柱の神が向き合って描かれている土器。
夜の神が人間の血とエネルギーを昼の神に提供することで、毎日太陽が
昇ってくるというモチェの考えを表している。
 とある。

土器そのものの写真は撮りそびれた。 毎晩 血が必要なんですか!?




裸の男性の背中にネコ科動物がおぶさった鐙型注口土器 モチェ文化 ラルコ博物館
神の従者であるオセロット(ネコ科動物)が、これから生贄にされる男性
(裸であぐらをかいて座り、祈っているようだ)を抑え込んでいるように見える
興味深い形の土器。
 とある。

男性は左目をすでに捧げたあとなのだろうか?



ネコ科動物が何種類も生息しているせいか、ちゃんと描き分けているなぁ。


  科博に行って『古代アンデス文明展』を見てきた。その2 へつづく



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 科博に行って『古代アンデス... | トップ | リチャード・ボナ&マンデカ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

展覧会に行った話」カテゴリの最新記事