≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

吉田よし子 『マメな豆の話』

2013-02-12 15:37:01 | 本 (ネタバレ嫌い)


吉田よし子 『マメな豆の話』 ←アマゾンへリンク


中公新書から出ている吉田氏の著書 『香辛料の民俗学』 をだいぶんまえに読んだことがあったので、
吉田氏のノリは知っていたつもりだったが、
久しぶりに新しい著書を読んだらご健在、嬉しくなってしまった。

吉田氏の好奇心あふれる文体が楽しい。
ここの人たちはこういう植物をこのようにして食べている!
吉田氏にかかると本当においしそう、ああわたしもちょっと食べてみたいな。

吉田氏の話は、なんというか説得力がある。
自分が現地に行って現地の市場で自分で手に入れて料理し、自分で食べたり人に食べさせているから。
とはいえもちろん、ただのレポートではない。
農林省農業技術研究所技官だったから、植物学的要素にも明るければ、国際的な統計の読み方も明るい。
グローバルに食に関する未来を考えておられる。
それでなおかつ主婦の視点までお持ちなのだよ。
さぞかし明るく面白く、頭のよい方に違いない。

東アジアには様々な納豆がある、というのを本書で初めて知った。
納豆は発酵食品だ。
各地の様々な発酵食品を好奇心いっぱいにおいしそうに食べる、といったら、小泉武夫氏。
吉田氏は小泉氏より11歳年上なのだが、
お二人は会ったことがおありだろうか!?
その二人の対談があったら、ぜひ読んでみたい。

むかし モンティ・パイソンのビデオ(Youtube へリンク、2分20秒あたりから) を見ていてとにかく印象に残ったのが、
ルピナス・スープ、ロースト・ルピナス、蒸しルピナス、ルピナスパイ、云々、もうウンザリだ!という下り。
以来ルピナスの花を見るたびに思い出してクスッとしていたのだが、
この本によるとある種のルピナスの豆はとても有用性、将来性がある、とあっていたので、
もう、ルピナス・スープ、等々を思い出さずにはいられなかった。

普段の生活をしていると、ひとの食べる野菜というのは、スーパーや八百屋で手に入れることのできるものがほぼ全てだ、
となんとなく錯覚しているような気がする。
いえ、頭の隅にはいろいろエスニックな知識もあるんだけれど。
地産地消を考えると季節の安い近場の野菜を食べるのがいいと思うけれど、
食には思いもつかないほどの広がりがある、と思いを馳せるのはいい気持ちだ。


エスニックな食べ物に、特に作る方に興味のある方に特におすすめの本だ。


↑↑写真: 豆苗を一回食べて、次の芽を育てているところ。
        いつも3回くらい食べる。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スピーカーを買った。 | トップ | リネンの透け透けショール ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本 (ネタバレ嫌い)」カテゴリの最新記事