≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

ロバート・A・バートン『確信する脳「知っている」とはどういうことか』

2018-04-06 11:24:17 | 本 (ネタバレ嫌い)


なるほど、面白いところに目をつけた。

それは、「確信」。


それは「感覚」であって、
結び付くものが曖昧であっても関係ないらしい。
読んでいて腑に落ちた。

その人!ここまで名前が出てきているんだけれど思い出せないっ!
っていうのはこの感覚のせいで、
本当に覚えているかどうかはまた別なんだそうだ。

確信が先にある、っていうのは
最近ネットを見ていてときどき思うことではあった。
ある記事に対して賛成する人と反対する人、もう真っ向から
対立して、お互いの意見を自分の内側に入れて咀嚼することが
ないように見える。
それは情報を集めて賛成するか反対するかゆっくり決めよう、
という態度ではなくて、まずどちらにつくか決めて
反対意見を攻撃する材料をいろいろ集める、という態度。
ディベートみたい!? (己を棚に上げてます)

これはどうも ヒトの面倒な性質のひとつかもしれない、と
なんとなく思ってはいたが、この「確信」のなせる業だ、
と解釈すれば分かりやすい気がする。

やっかいだね

己の確信が思い込みにすぎない、という衝撃。
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
 ああなんにもあてにならない
思わず口から出てしまった。
ヒトの理想をぶっ壊して限界がごく近いことを示されるとねぇ。


これはネタバレではあるけれど、この本は
いかにヒトは不確実で思い込みの激しい思考をするか、
ということを畳みかけ、
ヒトは思い込むことで安心感を得る、みたいなはなしになり、
それでも不確実性を受け入れるべきだ、というようなことを述べた一冊である。
それをどのような例、道筋で1冊の量を述べたかを味わえばよい、
と思うのである。

だからこそ、終章に近い245ページで

科学と宗教の対話の最終的な目的は、個人の希望や意味感をできるだけ広げ、間違った 個人の姿勢や社会政策の悪影響をできるだけ抑えることにある。

とあるのに強い違和感を持った。
何をもって「間違った」と確信できるのだろう?



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ヤマザクラ開花 | トップ | 春の庭 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本 (ネタバレ嫌い)」カテゴリの最新記事