風のこたろう

'05年4月6日~'07年4月7日 ウランバートル生活日記
'09年8月~  詩吟三昧の徒然日記

花嫁の母

2005年08月16日 | チンゲル亭裏日記

娘と待ち合わせをして、ドレスの小物を選びに行きました。
入り口からしてチャペルを思わせるような白いドアのお店で、青山に有ると言うだけでも気持ちがわくわくしてきます。
花嫁の夢を実現するお店です。
鏡張りの部屋には娘の選んだ白いドレスとカラードレスがかけてありました。
「あ、メールで見たのと同じだ」と、ひとごとのような私。
平面写真で見たのより現実味を帯びてきて、すこしずつ波に乗ってくる母でした。

これで最初から、係わっていたらもっと前向きで、もっと強く意見を出したのかなぁ。
初めてここに来たのは、彼と二人だったそうです。
そのとき試着した時の写真もファイルの中にきちんと入っていたり、いろんな資料や表が順番に整理されていて担当の人が喜んでいました。

さすがに仕事をこなして来た娘だと変なところで感心しました。
娘が大人になったことを、きちんと整理されたファイルで知る事になりました。
これなら家庭を経営していけるなぁと、ほっと胸をおろした事でした。

それなのに、幼いころどちらも選べないと言って、大粒の涙を流していたときのイメージが一瞬目の前をよぎりました。

大きな予算を動かしつつ、細かい点を詰めていくこの作業は、これからの二人の生活を運営していく上で、大きな自信となることでしょう。

わたしたちの式は、会費制人前結婚式と言う当時では非常に変わった形を選び、すべて恩師と友人に任せてしまったのでした。
ですから、彼女の本当の困難や悩みをわかってやれず、想像することしか出来ません。
娘は、もう既に私を超えているなぁ。
もう、同じ主婦として肩を並べたのねと思ったのでした。

娘が就職したときから、もう既にそれは芽吹いていたのですが、気がつかない振りをしていただけなのかもしれません。
確実に、母を追い抜いていく娘を頼もしく思い、この思いをうすうす感じていたから、モンゴルへ旅立てたのかなぁと思う。

娘を抱きしめて、目と目を合わせていたのが、いつの間にか独り歩きを始め、後姿を見送っている私のイメージが、見えた。
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