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都留重人と岡崎次郎について

2018-03-15 09:04:55 | Area Studies

 都留重人と岡崎次郎について思い出したこと。

 都留重人が米国で 共産主義者に対する取り調べが厳しかったころ 米国議会に喚問されてその証言がノイマンの自殺につながったとされている事件がある。この件については、第二次大戦開戦時、都留重人とともにハーバードにいた靍見俊輔が、都留重人が米国の下宿に残した手紙を物証として示されたことで、都留が友人関係について言い逃れができなかったことを指摘している。
   Shigeto Tsuru 1912-1906   cited from History of Economic thought 
  1930年代の「黄金時代」にハーバードで訓練を受けた日本の新マルクス主義経済学者。として紹介されている。

wikipedia ノイマン

  都留重人の1957年3月 上院司法委員会での証言をめぐって

 このお話しは有名だが 当時 スタンフォード大学にいた宇沢弘文氏が 非米活動委員会公聴会(なぜか委員会の名称が違っている)での 一人の日本人経済学者の証言を記録して問題にしている。宇沢さんも確信をもって書かれているので、宇沢の書かれているように友人関係を示すこと自体が問題だったとついつい考えてしまう。以下を参照。

 宇沢弘文『ヴェブレン』岩波書店、2000年、91-93
 Hirofumi Uzawa 1928-2014 Cited from History of Economic Thought 

 いずれにせよ、どの委員会でどのような証言をしたかは、記録を見ればわかるはずだ。1957年4月4日の日本の衆議院文教委員会で、留学のため渡米中の都留重人氏が米国上院司法委員会国内治安小委員会で喚問されたことが、指摘されている。かつての留学時に下宿に残した書簡が問題になったこと、この召喚については、都留が日本の国家公務員でハーバードに留学中であったことから、上院から日本大使館に本来は連絡などが行われてしかるべきだが、上院はその手続きを行わなかったこと。都留の証言の結果、大規模な思想調査問題に発展しそうだとの記事が当時出回ったことなどが、この文教委員会の記事から読み取れる。

  別件。資本論翻訳者の岡崎次郎が80歳にして妻を伴って死出の旅に出て行方不明になったお話しは有名だ。

wikipedia 岡崎次郎 これによると岡崎と向坂逸郎が、資本論の翻訳をめぐり対立していたことなどが伺える。

 岡崎の死出の旅路の話は、佐藤優『いま生きる「資本論」』新潮社、2014年、139にでていたので昔この話を初めて聞いたときの鮮明な印象がよみがえった。

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井堀利宏『経済学部は理系である』オーム社, 2017

2018-03-10 09:16:12 | Area Studies

オーム社という理系の本屋さんが、経済学の本を出している。著者は東京大学名誉教授で政策研究大学院特別教授。ここでは拾い読みする。一つのメッセージは経済学部を理系に位置付けよという主張だ。これは理系の大学が、経済経営学部を設置する傾向をなぞっているように思える。自然現象と違って現実の経済では再現実験ができない、人々の行動は経済合理性でとらえきれない、といった社会科学特有の問題への言及は、それ自体興味深い。

正規分布のところは詳しく書かれていて、近年の経済物理学の議論がよく消化されている。pp.35~36

正規分布とは、ある標本集団のばらつきがその平均値を境として前後同じ程度にばらついている分布をいう。これを分布図で表すと、平均値を対象軸とした左右対称の釣鐘型のなだらかな曲線として描ける。・・・p.35

正規分布では、平均値と分散が決まると式やグラフも1つに決まる。・・・平均値と標準偏差がわかれば、ある値が全体の中でどこに位置するのかがほぼ正確にわかる。p.35

対数正規分布が想定されることもある。これは、ある変数xの対数をとったものが正規分布に従う分布である。この分布では、平均よりも大きな値がなだらかに減少していくとともに、極端に高い値をとる変数が出現する可能性がわずかだが存在する。所得や資産の分布は正規分布よりも対数正規分布で近似する方がより現実的である。p.36

近年の経済物理学では、経済現象の多くが正規分布ではなくベキ分布に従っていると想定する。べき分布とは、極端な値をとるサンプルの数が正規分布より多く、そのため大きな値の方向に向かって長くなだらかに裾野をのばしていく分布である。この点で、ベキ分布は対数正規分布と似た形状をしている。富の分布や株価などの資産価格の変化といった経済現象は、正規分布ではなくベキ分布に従うと考えられるようになった。p.36

ベキ分布は、確率分布の1つの定式化であり、正規分布では起こりえない極端な事象が実際にはある程度の確率で起こってしまう現象を扱う際に有効である。・・・対数正規分布やベキ分布に基づくと、こうしたまれに生じる大きなショックもモデルの中で十分に考慮できるという利点がある。p.36

この本は、概論であるので、金融に関しては詳しくない。たとえば利子率の導出のところ。投資が利子率の減少関数であることp.172  そこから利子率国民所得の間に負の相関が成り立つことp.172  貨幣需要も利子率の減少関数であることp.174  また貨幣需要は国民所得の増加関数であることp.175   他方、貨幣供給は政策関数で利子率とは独立に決まるp.174  こうしてIS-LM分析による国民所得と利子率の均衡が導かれている。pp.171~188

しかしこの説明では数値間の依存関係が説明されるだけで、利子とは何かが結局説明されていない。井堀さんの説明ではずされている、利子とは貨幣とは、といった説明が大事なのではないかというように感じる。

最後に株式市場のところをみると、株価の配当仮説が説明されている。

配当仮説は、無限の先までの予想配当流列を債券利子率で割り引いた現在価値で株価が決まることを意味する。p.247

しかし実際は乖離がおきる。この乖離の大きさがバブルの指標となる。pp.249~250

実際のデータで検証してみると、実現した配当から計算された理論値よりも、実際の株価の方が大きく変動している。これは、合理的期待仮説と配当仮説を前提とした株式市場の効率性に大きな疑問を投げかける。・・・実証結果はバブルの存在を示唆している。p.249

この記述からさまざまなことを言いうる。そもそも株式市場で投資家は、経済学者が想定するように市場で理論的に合理的行動をとっているわけではない。また結論として、株式市場が効率的な市場でないとすれば、その効率性を前提にした、様々な議論、たとえば、株式市場を通じたガバナンス(企業統治)のお話しは砂上の楼閣ではないか? といったこと。あるいは、なお市場というものに期待するとすれば、それはどのようなことを根拠にしているのであろうか?

私の考え方は、株価というものは、井堀さんのこの議論をみるまでもなく、不合理に日々変動するものであること。しかしその前の企業の業績であるとか、財務状態であるとか、そうした動かない数値をむしろ基準として、企業評価やガバナンスは考えられるべきではないかということである。つまり株式市場を極端に理想視して、株価をもって企業評価とみる議論はそもそも間違っているのではないかということである。以上のことは、株式市場がHFTやアルゴリズム取引に席巻されている今日、残念ながら認めざるを得ないということである。

証券市場論(前期) 財務管理論(前期) 

 

 

 


トランプによる「関税引き上げ」宣言と全人代開幕

2018-03-06 21:20:35 | Area Studies

トランプ大統領は3月1日(木)。安全保障を理由にした輸入制限を認めている通商拡大法第232条に基づき、米国の安全保障を理由として 鉄鋼25%とアルミニウム10%の関税を引き上げ輸入制限を課すと明言。大きな国際的反響を呼び起こした。これはもともと米商務省が、2018年2月、鉄鋼とアルミの輸入増で国内産業が弱り、安全保障上の脅威になっているとするレポートを公表。3つの対策を示したことに端を発している。興味深いのは、鉄鋼、アルミのメーカーや労働組合が、トランプの方針を支持したこと。逆に共和党内から報復関税や、物価上昇による消費者の負担増を懸念する声が上がったことだ。トランプ政権側は、ただちにコストへの跳ね返りはわずかにすぎないと反論している。なおこのほか 高品質の鋼材を輸入に頼っている自動車メーカーの価格競争力を落とす可能性も指摘されている。

ただ統計の中で、最大の標的 中国の影は意外に希薄である。2017年の輸入シェアで鉄鋼はカナダ16.6% EU14.3%  ブラジル13.5% 韓国9.8% キシコ9.3%  ロシア8.3% トルコ5.7%  日本5.0%  台湾3.3% 中国2.2%(すでに中国には反ダンピング関税が課せられている) インド2.0%  

他方アルミでは カナダ42.3%  ロシア10.6%  UAE9.4% 中国9.1% EU4.2%・・・となっている。

安全保障上の理由であれば安全保障上の同盟国は対象ではないのではと思いつつ、各国は心穏やかではない。トランプの頭にあるのは11月の中間選挙のことだけという言い方もあるが 翌日のアジアの株式市場では 鉄鋼・自動車株を中心に全面安となった。もともと中国は政治局員二人を渡米させて、米中経済対話の再開をはかろうとしていたが、関税引き上げに向かう米政府の姿勢は頑なだった。

米国による一方的な引き上げ宣言に対して、各国が、WTOへの提訴だけでなく、報復関税(中国は米国から大豆を大量に輸入している)などに進み貿易戦争に陥る懸念がある。

こうしたなか 13期全国人民代表大会(全人代 代表は2980人)の第1回会議が3月5日に北京の人民大会堂で始まった。会期中で国家主席の任期撤廃を柱とする憲法改正案(現行憲法では45歳以上の中国国民で有権者が条件 連続3選を認めていない)の採決が見込まれており、これは習近平(2013年から国家主席 前任は胡錦濤 2017年10月の党大会で2期入り)への権力集中を加速するものとみられている。2020年までに小康社会を実現する。経済成長率目標は昨年と同じ6.5%前後。GDP対比の財政赤字を2017年の3%から2.6%に引き下げる。国防支出は8.1%増(2017年は7.0% 2017年1兆元超える)。1兆1069億元(約18兆4500億円)。これには最新兵器の研究開発費は含まれていない。日本の2018年度予算案における防衛関係費は5兆1911億円。

共産党19回大会では、習近平体制が確認されたが、政治局常務委員会の構成ではこれまでのような、若手を引き上げるメカニズムが働いていない。常務委員は60歳から67歳の7人。そのうち習近平氏が64歳 李克強氏が62歳。で要するに同世代の人々で構成されてしまった。

共産党19回大会では一帯一路構想(習近平が2013年に提唱 2015年アジアインフラ投資銀行AIIB設立 2015年11月IMFのSDR構成通貨に人民元採用される 2018年1月には「北極政策白書」を発表)の重要性の強調。

2017年の実質経済成長率6.9% 政府目標の6.5% 2016年実績の6.'7%をうわまわる。名目では11%増の82兆7132億元(80兆円の大台超え 約1430兆円)で米国に次ぐ世界第二位(三位の日本の2.6倍)。インフラ投資が大きく伸びた(インフラ比率22%は過去最高 成長の官依存 民間投資は60% 企業や個人の債務依存は変わらず 金融を除く総債務のGDP比率は255%    2008年の141%から上昇)。2016年時点で中国の名目GDPは米国の60%(2014年に米国のGDPは世界の23%にまで低下。2000年頭には30%超えていた 当時日本は10%超え。)。今後の米国の成長率4% 中国の成長率7%とすると2035年までに世界最大の経済大国に。この成長を実現するうえで、外需は大事であり、中国としては、米国との貿易戦争は、困った事態だといえる。

ここで一帯一路が、対米依存を下げる道として 中国にとり重要であることが分かる。

2016年ふたりっ子政策開始(2015年秋に決定 2016年から認める)で出生数大幅に増える 2016年は前年比131万増の1786万人。しかし2017年前年より63万減少1723万人 幼稚園の不足 都市部で進む晩婚化・非婚化 60歳以上の高齢者は2017年に前年より1000万人多い2億4090万人 人口比は前年より0.6ポイント高い17.3% 生産年齢人口は減少 社会保障財政は悪化へ 90後 親は文化革命混乱期に生まれた70後は貧しさの記憶抱える 00後

2012年の党大会で2020年の国内総生産を2010年比で2倍にする目標掲げたが、2017年の党大会では2020年以降の長期目標を見送った。

2013-2020年の第13字5ケ年計画では最低でも6.5%の成長率維持が示されている。他方で資本流出を防ぎ人民元の急落防ぐために 海外送金などの規制強めている。

2015年11月国際通貨危機なSDRの構成通貨に元を加えると決めた・・・満足したかのように習指導部による元の国際化への取り組みは鈍った。

中国政府は米利上げに伴う急激な元安や資金流出を防ごう(背景 国内の経済成長率減速するなか 人民元を外貨に換えて資金を海外に動かす動きが加速 人民元の下落進む)と、2016年半ばから資本規制の強化に動き 500万ドルを超す海外M&Aなどに事実上 待ったをかけた(2016年11月から 500万ドル超の海外M&A 海外送金 両替は当局の事前審査を義務付け 以前は5000万ドル超だった。また不動産、ホテル、映画館、娯楽業、スポーツクラブなどで非理性的投資がみられるとし、高い技術を持つ製造業以外の買収を事実上規制。2017年6月 不動産大手の大連万達集団、投資の海航集団など5グループの海外買収向け融資の点検を、銀行監督当局が銀行に要請したことが判明。もともとこれらの企業は党幹部の親族の関与が指摘されており、海外買収を装った資産の海外移転だったともされる。中国からの対外投資は激減し、」2017年上期は中国は対外直接投資より対内直接投資が多い、資本純輸入国に逆転した。この結果マネーが国内にあふれた。不動産、シャドーバンク P2P金融。企業が銀行を通じて余剰資金を貸し出す委託融資。理財商品。国有企業等企業債務。

2017-2018年 北京・上海など大都市で人口抑制 違法建築の取り壊し 撤去などを進めている。

2017-2018年 北京で大気汚染対策進む。北風による拡散効果も働く。重点地域で基準超えの工場は閉鎖又は生産停止。熱源の石炭から天然ガスへの切り替え。

2017年12月 電力業界に排出量取引を全国レベルで導入 今後 他の業種にも拡大を予定

2017年6月 インターネット安全法 顧客情報の国内保存義務 日本に持ち出すには当局の許可必要


小宮一慶『PERって何?』PHP研究所, 2018

2018-02-17 23:25:59 | Area Studies

書名は正確には『「PERって何?」という人のための投資指標の教科書[図解]』という長いもの。小宮さんはこうした解説本が多いが、京大法学部を卒業後、東京銀行。米ダートマス大学でMBAを取得されている。知識のベースはしっかりされているので、信用して読んでいい本ではないか。前半の経済指標解説は、日本でこの20年間、給料が上がっていない。などの指摘を除くとあまりおもおしろくないので、後半の企業分析のところから読んでゆく。最初に自己資本比率のところ。自己資本について、株主資本+その他の包括的利益累計額 という定義を紹介しつつ、計算の簡便さから 純資産÷資産 を自己資本比率としている。一般的に安全とされる比率として20%以上。10%を切ると過少資本としている。

つぎに手元流動性を月商で割った数値について、大企業で1ケ月 中規模企業で1.2~1.5ケ月 中小企業で1.7ケ月を基準値にあげている。小さな企業ほど資金調達スピードが遅いので手元流動性が多く必要としている。この資金調達スピードが大事な視点。

つぎに稼ぐ力を見る視点として、売上高成長率を挙げている。売上高のプラスの伸び率が、お客様に喜んでもらえていること、社会への貢献度あるいは社会での存在感の上昇を示すとしている。

つぎに資産が有効に活用されているかは、資産回転率でみるとしている。ただ 資産回転率が低いあるいは資産が大きな企業は、売却できる資産を多く抱えているので安全性という視点ではプラスに評価できるとしている。

企業の収益性を見る数値に 売上高営業利益率がある。製造業ではこの数値が10%以上あれば高収益といえる。商社などはこの数値が低い、飲食業はさらに低い傾向がある。

配当利回り=1株当たり年間配当額÷1株購入価額
配当性向=年間の配当支払総額/当期純利益

ROE=当期純利益÷自己資本

手っ取り早くROEを高めようと自社株買いをやりすぎると 純資産が減少して・・・安全性が損なわれる 自己資本比率がそれほど高くない企業が自社株買いをするときは注意が必要

純利益をあげるため 人件費を抑えれば社員のモチベーションは下がる・・・ROEだけを見ているのは危険

ROEを重視するのは株主ヲ重視することだが、負債を提供する社債権者や銀行を二の次と考えるのは(問題がある 健全でない)

負債も含めてROAを高めることでROEも高まるというのが 経営者として健全な考え方  (これはなかなかの卓見)

ROAは2%なら普通 5%以上が優良

自社株買い 増資 株式分割など 株数の増減につながるニュースに注意を払う必要

企業の将来性をキャッシュフロー計算書でみる

営業キャッシュフローがプラスであること

キャッシュフローマージン=営業キャシュフロー÷売上高 この数値が7%以上は企業が成長する原資を稼ぐ力あり。10%以上は優良会社。

投資キャッシュフロー 財務キャッシュフロー はいずれもマイナスが健全な姿

企業の真の実力値示す 会社が自由に使えるお金をいくら稼いでいるかを示すフリーキャッシュフロー

フリーキャッシュフロー=営業キャッシュフロー投資キャッシュフロー

重要な7つの指標

自己資本比率 20%以上

売上高成長率 前年比プラス

当期純利益伸び率 前年比プラス

配当性向30%以上

配当利回り3%以上

PER 20倍以下 30倍超は不可(株価が高すぎる)

PBR 2倍以下 3倍以上は不可 1倍以下なら下値不安少ない

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平田潤『金融学 第二版』弘文堂 2018

2018-02-17 22:33:47 | Area Studies

本書は金融庁が2013年に「最低限みにつけるべき金融リテラシー」を提言したことに対応しているとのこと。これは興味深い。

現金通貨 預金通貨 現金通貨の機能は価値を測る物差し 価値をためていく手段 広く取引/交換する方法の3つとしている

価値尺度 価値保蔵手段 交換(支払)手段

単利(元金についてのみ利子)・複利(元金と利息の合計に利子) 

名目金利と実質金利 期待インフレ率 実質金利=名目金利ー期待インフレ率

金利の期間構造 イールドカーブ 順イールド 逆イールド

1990年代に入り 公定歩合に代わりコールレートが政策金利化

2016年2月からマイナス金利(日銀当座預金の政策金利残高に対して)が導入された

当座預金残高ー(基礎残高+マクロ加算残高)=政策残高

基礎残高には付利 加算残高は金利ゼロ 政策残高にマイナス金利適用

M1=現金通貨+預金通貨(要求払い預金)

M2=現金通貨+国内銀行(除くゆうちょ銀行)の全預金

固定金利と変動金利

72の法則

直接的金融と間接的金融

サブプライムローン問題の表面化 2007年8月 → リーマン・ブラザース証券の破たん 2009年9月

金融商品(安全性 収益性 流動性)の三大リスク 信用リスク 価格変動リスク 流動性リスク(換金性のこと)

リスクとの付き合い方 ①リスクの理解 ②リスクの分散 ③リスクの縮小

リターン=予想される平均収益率(期待平均収益率)

リスク=分散値あるいは標準偏差(分散値の平方根)

銀行の三大機能 金融仲介機能 信用創造機能 資金決済機能

銀行法に基づく銀行の固有業務 預金 為替 貸出 このほか外貨預金 国際業務 当座貸越

6ケ月以内に2回不渡り 銀行との取引停止

証券会社の四大業務 ブローカー ディーリング アンダーライティング セリング

インベストメントバンク 資本市場で株式や公社債の引き受けを行うことが主業務 モルガンスタンレー ゴールドマンサックスなど

ノンバンク(消費者向けと事業者向けとある)

安全資産の特徴 流動性が高い 預金保険制度など預金者保護の仕組みがある 要求払い預金と定期性預金に大別できる 2002年4月からペイオフ解禁(2002年まで政府が全額保護していた)

債券の主なリスク 信用リスク 価格変動リスク 流動性リスク

日銀が直接コントロールできるお金=マネタリ―ベース 現金通貨+日銀当座預金

NISA 2014年に新設 20歳以上の人が利用可能な非課税制度 5年間の配当金収益分配金、5年以内の売却譲渡益が毎年120万類型600万まで非課税 2016年から20歳未満の子供一人当たり年間80万が5年間非課税になるジュニアNISAがスタート

株式の3つの魅力 配当金(インカムゲイン) 値上がり益(キャピタルゲイン) 株主優待

株主の権利 出資額に応じて企業に対する持ち分 株主総会に出席し議決を行う議決権 企業が価獲得した利益に対し分配を請求する権利

投資指標 配当利回り 株価収益率PER 株価純資産倍率PBR EPS(1株当たり利益)

ROE=売上高利益率×総資本回転率×財務レバレッジ

自己資本利益率=当期利益÷自己資本

投資信託 ユニット型(クローズ型) オープン型(追加購入型)

     パッシブ運用(インデックス投信) アクティブ運用

投資信託のリスク 信用リスク 価格変動リスク 為替リスク

ドルコスト平均法

資本コスト=他人資本コスト+自己資本コスト

加重平均資本コストWACC

他人資本コスト=利息ー節税効果

自己資本コスト=無リスク資産コスト+リスクプレミアム

経済的付加価値=税引き後営業利益ー資本コスト

内部金融(内部留保 減価償却) 外部金融(増資 借入 社債発行)

増資の方法 株主割当 第三者割当 公募発行

銀行貸出の方法 手形貸付(利息先取りであり印紙税負担などから減少) 証書貸付(担保 保証) 当座貸越

        コミットメントライン 予備的銀行融資枠 コミットする金額に対応して手数料取得

        企業のCP発行では 万一の資金不足に備えて銀行はバックアップラインを設定する

        シンジケートローン 協調融資 組成した幹事行は手数料取得

1988年BIS1 2004年BIS2 2010年BIS3

1988年から国際業務を行う銀行は8% 国内業務業は4%

BIS3により2019年には自己資本+資本保全バッファーで10.5%以上(普通株式だけで4.5%以上)

証券市場論(前期) 財務管理論(前期) 

 

 


三井住友信託銀行M企画部『金融マーケットのしくみ』NHK出版, 2017

2018-02-16 14:52:43 | Area Studies

副題が60歳までに知っておきたい とある。これは泣かせるフレーズだ。

貯蓄は未来の自分への送金 p.8 送金の際に通が金融商品であり、金融市場の影響をうけるとある。なかなか導入がじょうずだ。

長期金融市場で取引されている金融商品は主に証券、つまり株式や公社債です。・・・これらから派生したデリバテブの市場も近年拡大しています。

短期金融市場は、参加者が金融機関に限定されているインターバンク市場と、金融機関以外でも参加できるオープン市場があり、短期金融取引から派生したデリバテブの市場もあります。

ファンダメンタル分析 テクニカル分析 計量分析

金利とは資金を貸し借りする際の価格のことです。

単利とは、運用開始時の元本にのみ利息が発生し、その都度利息が支払われる仕組みです。

複利とは 運用で得た利息を元本に追加し元利合計額を新たな元本とみなして、利息がつくしくみです。

政策金利について 2013年4月の量的質的金融緩和導入以前は無担保コール翌日物金利が政策金利だった。

2016年9月に短期金利長期金利の2つの誘導目標が設定された。

実質金利=名目金利ーインフレ率

TIBOR(タイボー)東京銀行間預金市場出し手レート Tokyo interbank offered rate

LIBOR(ライボー)ロンドン銀行間市場預金市場出し手レート  London interbank offered rate

TIBOR LIBORは融資の基準金利となっている

準備預金制度 日銀の当座預金は準備預金とも呼ばれる 日銀は1991年以来準備率を変更していない

普通預金や当座預金など要求払い預金は 決済手段として使われるため預金通貨ともよばれる

日銀ネット

現金と日銀当座預金の合計はマネタリーベースとよばれる

民間の銀行はマネタリーベースをもとに信用創造を行う・・・ただし準備預金制度により日銀は信用創造を制御している

金利が自由化された現在 公定歩合は政策金利としての役割を終えている 規制金利の時代は預金金利などが公定歩合に連動して動いていた

金融政策決定会合で 金融政策の基本方針である金融調節方針決定

金融政策の実行部隊である金融市場局 公開市場操作(オペレーション)

資金供給オペ 短期金利低下を狙う

資金吸収オペ 短期金利上昇を狙う

日本では物価の安定が目的とされている しかし米国では雇用の安定も並列される目的 英国や豪州でも雇用の安定や成長があげられている

非伝統的金融政策の中身

1999年4月 フォワードガイダンス 時間軸政策

量的緩和

質的緩和 日本では2010年10月からCP社債ETF REITなど

マイナス金利政策 短期金利をゼロ%より下へ

長短金利操作 2016年9月から

発行市場(プライマリ―市場)

流通市場(セカンダリー市場)

債券 種類が多く取引も複雑 そのため取引の多くは店頭取引で

債券の価格は、日本証券業協会が公表する公社債店頭売買参考値や、日本店頭証券がBB国債価格を、参考となる実勢価格として15時時点のものを公表している。

債券利回りと債券価格は逆相関の関係

日本の長期金利の指標は新発10年国債利回り

債券利回り=(年当たり利息+{(額面価格ー債券価格)/残存価格)})/債券価格

日本では国債発行額が大幅に増えているにもかかわらず (企業の事業意欲低下もあり)国内の貯蓄がこれを支えた。しかし今後状況に変化がないとはいえない。

証券市場論(前期) 財務管理論(前期) 

 

菊池正俊『外国人投資家の儲け方と発想法』日本実業出版社, 2017

2018-02-16 13:49:05 | Area Studies

この本の本当の表題は『No.1ステラジストが教える日本株を動かす外国人投資家の儲け方と発想法』。著者は1986年に東大農学部卒業後 大和証券 1991年に米国コーネル大学でMBA 大和総研 メリルリンチ日本証券をへてみずほ証券エクイティ調査部チーフ株式ストラジスト。外国人投資家について数多くの著作がある。著者によると
2014年10月のGPIF年金積立金管理運用独立法人の資産配分変更は、すでに日本株の目標比重である25%を達成しこれ以上の日本株買いは期待できない
日銀が2016年7月にETF購入額を年3.3兆円から6兆円にほぼ倍増させたことは(安倍政権発足以来の日本株購入額で日銀が外国人を上回り最大の買い手になることになり)株価指数に連動したパッシブ買い、株価のバリュエーションをゆがめており株式市場の社会主義化として外国人投資家の評判が悪い。2017年8月末のETF残高は15兆円。仮に5000億円ずつ売却しても30年かかる。出口がどうなるか注目されている
 2016年11月の米大統領選挙後 米国債利回りが上昇したとき 日本株を買う動きが戻った その後 トランプの政策の実現が遅れ 米国国債利回りが低下すると 日本株買いは再び減少
 2017年7-8月は決算がよかったにもかかわらず株主還元への失望もあって売り越し 9-10月は買い越し(米国国債利回りの反発 トランプ減税成立の見込み 衆院選での自民党勝利など)
 米国における FANG(フェイスブック アマゾン ネットフリックス グーグル) 中国のアリババやテンセント のような大型成長株があれば 日本株の評価につながる
 東証の売買シェアで外国人投資家は6-7割 個人投資家は約2割
 日本の株式(東証一部)は安定株=政策保有株主が50%程度とされている 外国人投資家の保有比率は約30%(2015~2016年度)
 基本的に時価総額の大きな業種に関心がある 英語での情報開示がない企業は嫌われる
 銀行株と不動産株は日本の内需を著す代表的業種だと思われているため アベノミクスの評価が下がると両業種とも売られる
 そのため時価総額が下がると 日本株無視につながる
 アップル 80兆円 アマゾン50兆円  → トヨタ自動車20兆円  三菱UFJ10兆円
 運用資産150兆円のGPIFの動向は注目のまと 2017年7月 ESGパッシブ指数を採用 ESGが高い評価が今後注目される
 事業会社の自社株買いは日銀のETFと並ぶ需給安定要因だが その売買シェアは1%に過ぎない
 外国人投資家の日本株売買には 4月に買い越し(1ー3月の海外株の強まりに対し出遅れの日本株への関心高まる 4月の業績発表 上方修正期待)、8-9月売り越しという強い季節性がある
 TOPIXよりは運用対象によりMSCIのACWI(all country world 日本を含む世界株 47ケ国 2495社 2018年1月現在;なお日本を含む先進国株はMSCI World 23ケ国1649社;日本を除く先進国株は MSCI KOKUSAI 22ケ国 1328社;新興国株はMSCI Emerging Markets 24ケ国 846社), EAFE,Japanなどがベンチマークになる(日経平均は使われていない) 多くの外国人投資家は低成長の日本株を構造的に(ベンチマークである指数における比重より)アンダーウェイトしており、景気や業績のよいときだけ中立に近づけるケースが多い 外国人投資家が実際につかっているのは米指数算出会社MSCIの様々な指数
 大量保有報告書制度 1990年に導入 保有率が5%をこえたとき 1%ポイント以上の変動があったとき 金融庁のEDINETで判明する・・・投資の本気度がわかる。米国の確定拠出年金制度401k 英国のISAなどが 米国のの運用会社の規模につながっている 加えて政府資金を裏付けとするSWF
 世界にヘッジファンドは1万以上ある マネジメントフィーは1.3-1.4%  パーフォマンスフィーは16.9%-18.0%で約2割(2016年―2017年上期) ほとんどは英米にオフィス
 ミリ秒単位の高速でさや抜きを繰り返す取引をHFTと呼ぶ
 米国で約定株数の5割 欧州で4割
 日本では2010年1月に東証で アローヘッドが稼働したことではやり始め 東証の売買に占めるコロケーション比率は注文件数で6-7割 約定件数で4-5割 
日本人が想像する以上にコーポレートガバナンスを求めている。株式持合い解消が遅いことに不満を抱いている。

 


植田和男『金融学が10時間で学べる』KADOKAWA, 2017

2018-02-16 07:32:35 | Area Studies

 

短時間で簡単に知識が得られるというのは安易と言えば安易だが、分かりやすい記述を旨にしているということであろうし、そもそも10時間かければたいていの本は読了する。

貨幣の価値は信頼に基づいており、金融に脆弱性の原因がここにある 

鋳造貨幣 法定貨幣 国の紙幣:法定の不換紙幣

インフレは貨幣の信頼を低下させる

ハイエクの貨幣発行自由論 民間の銀行に勝手に通貨を発行させその中の良いものが勝ち残ってゆく

グレシャムの法則 良貨が利用されず退蔵される現象

基軸通貨 現状では米ドル 自然発生的にきまる 第二次大戦前までにはイギリスのポンドだった

名目利子率=実質利子率+期待インフレ率

生産性(期待利潤率)が高いあほど 時間選好率が高いほど 利子率は上昇する。このように決まる利子率の水準を自然利子率とよぶ

自然利子率は長期的に実質利子率に収斂する

実質利子率(米国債金利ーインフレ率)はこの20年間(1998-2016) 長期的に低下傾向にあり現在はゼロの近い

その原因については 技術革新の枯渇により投資の生産性・利潤率の低下 各国の強力な金融緩和政策 新興国の貯蓄超過 所得分配の不平等 などが原因とされることがあるが、原因を特定されるには至っていない。

資金の融通の仕方には 貸付(デット) 出資(エクイティ)の区別がある

借金はレバレッジ(その逆数が自己資本比率)の水準を上げる レバレッジの水準は財務リスクを変化させる

直接金融 黒字主体 赤字主体 間接金融 金融仲介機関 相対取引 市場取引

リスク分散 発行市場 公募 私募 流通市場

決済機能 要求払い預金 当座預金 日銀券+日銀当座預金=ハイパワードマネー(ベースマネー)

定期預金など貯蓄性預金

預金準備 法定預金準備+超過準備

信用創造

審査 モニタリング(借り手の行動の監視)

システミックリスク  波及して多くの銀行の機能があやうくなる

事前的対応の典型として自己資本比率規制 BIS1規制 レバレッジを12.5倍以下(1/0.08)とする

事後的対応 としての預金保険と中央銀行の最後の貸し手機能

      公的資金で預金者 債券保有者を救うこと ベイルアウト

      預金者の銀行監視機能が低下すること モラルハザード 

機会曲線 複数資産を組み合わせて ある平均収益率を実現するときリスク(標準偏差)を最小にする組合せの集合

     (縦軸に平均収益率 横軸に標準偏差 分散投資効果で左側に凸になる。)

     効率的フロンティア ある平均収益率を達成しようとするときに実現可能な最も低いリスク

     投資家のリスク・リターン選好(UU曲線)と機会曲線の接点 最適ポートフォリオを示す

割引現在価値

金利の期間構造 純粋期待仮説

市場分断仮説(特定期間選好仮説)

流動性プレミアム仮説 

ファイナンス理論的にはアクティブ運用を正当化は簡単でない・・・将来の株価変動を長期にわたって正しく予想することはできない

ただしアクティブ運用をする人がゼロだと、市場は効率的でなくなる

カバー取引 企業からドルを買い取った銀行が、ドル変動リスクを回避するためにドルを売却すること
 
オプション価格の一般式 ブラック・ショールズの式と呼ばれる
 
市場の在り方 オークション方式とマーケットメイカー方式
       オークション方式では証券会社はブローカー業務を行っている
       自らの勘定で売買することをディーリング業務とよぶ
       店頭取引ではマーケットメイキングが行われている
 
レポ 買戻し(売戻し)条件付き売却(購入) 短期金融市場取引の半分程度はレポ市場経由となっている
 
投げ売りをファイアーセールと呼ぶ
 
非伝統的金融緩和政策
 
時間軸政策(フォワードガイダンス) ある条件が満たされるまで・・・政策の継続を約束することでプラスの効果を期待
 
量的緩和政策QE
 
QE1 金融不安の鎮静化を目的とする 最後の貸し手機能ともいえる
QE2 資産価格を上げ総需要刺激を狙う量的緩和政策

量的緩和にもかかわらず 物価は上昇しなかった 貨幣の中立性命題(貨幣量がふえれば物価は比例してあがる)が成立しない

失業率の低下にもかかわらずインフレ率が上がらない 期待インフレ率が低位で安定 フィリップ曲線の形がフラットになっている

インフレ率は高まらないのに失業率が低下する

金本位制

ブレトンウッズ体制 間接的な金本位制 1オンス35ドル SDR(特別引き出権)の導入

1970年代前半に崩壊

為替相場決定の学説

購買力平価仮説 内外物価格差を打ち消すように為替レートが決まる 長期では有効

内外資産の収益率格差・・・むしろ予想変化率が決めているとも

外貨を持っている国の通貨が通貨高になるとする safehaven仮説

国際金融のトリレンマ 以下の3つを同時にすべてを享受できない

固定された為替レート 自由な国際的資本移動 自律的な金融政策の発動

バーゼルⅢ 2019年3月完全実施

普通株式などの対リスク資産比率を2%から4.5%に引き上げ

平時で2.5%の資本保全バッファー(ストレス時は配当役員報酬に回せる)

好況時に規制資本を増加させるカウンタ―シクリカルバッファー

大手金融機関向け上乗せ規制

従来の8%から最大で15.5%に引き上げ。

CoCo債(偶発転換社債 銀行が苦境におちいったとき 利払の停止 元本削減 株式への転換などが可能でバーゼルⅢの自己資本に組み入れ可能)の導入 銀行破たん時に債券保有者に預金保険をこえて預金保護者保護に必要になる金額を負担させる

 

 


田淵直也『ファイナンス理論全史』ダイヤモンド社, 2017

2018-02-16 00:20:16 | Area Studies

著者は1963年生まれ。一橋大学経済学部卒業後 日本長期信用銀行。長銀の英国法人でデリバテブポートフォリオの管理責任者。その後 UFJ投信を経て現在は金融コンサルタントとして著述も多い。まず記述が分かりやすいというのが第一印象。この本の使い方だが、全編を丁寧に読むより、気になるところで著者の説明を参考にする・・・辞書代わりというのがいいかもしれない。

モメンタム効果 モメンタムは相場の勢いを意味する言葉で、モメンタム効果とは、相場がいったん上昇または下落のトレンドに乗ると、それがしばらく続く可能性が高いことを表す。だから、上がった株を買い、下がった株を売ることでリターンを得やすくする。(この説明は明解。)

トレンドフォロー 順張りという手法では モメンタム効果をねらっている。

(真壁氏はモメンタム戦略を「株価が勢いよく上昇している局面で、さらに買いを入れて、その勢いを増すことによって収益機会を探る戦略である。真壁昭夫『最強のファイナンス理論』講談社, 2003年, 171と説明する。そしてこうした現象が生じるのは、株価にとって良い情報にとって当初過少反応した投資家が、事実が明確になると一斉に行動にでるため、急速に上昇すると説明する。当初過少反応であるのは、投資家は既に持っている情報からそれを一時的と判断する傾向がある。アンカーリング効果。)

(ここでトレンド追随型と呼ばれる CTA(商品投資顧問)と呼ばれる海外ヘッジファンドの売買を考える。CTAは、相場が上昇トレンドに入れば買い、下落トレンドに入れば売りに転ずる 売りは3段階にわかれる。

 最初はリスク許容量が減っただけ 持ち高を減らす。つぎは上昇トレンドが終わったとの判断で、買い持ち高をゼロに近いつける。最後は下落トレンドに転換したと判断して、持ち高を売りに傾ける。・・・このような機械的な売りがあることで、個人投資家が下値で拾おうとしても、相場の下落が続き成功しない。下落基調が長引くことにもなる。)

 つぎにモメンタムとは逆のアノマリー。相場は上昇すると次は下がりやすくなり、下落すると次は上がりやすくなる。これはリターンリバーサル効果と呼ばれている。そしてコントラリアン 逆張りは トレンドフォローの逆で リターンリバーサル効果を狙うものである

(真壁氏より 市場でよく使われる投資手法である逆張り投資は、通常の投資戦略に比べて非常に収益性が高いと言われている。逆張り投資とは、・・・相場の流れやモメンタム(勢い)と反対の投資を行う戦略である。・・・この逆張り戦略が成り立つための一つの条件は、株価が売られ過ぎて上昇したりしても、いずれ、あるべき水準に回帰する傾向があることだ。真壁昭夫『最強のファイナンス理論』講談社, 2003年, 163  これは平均回帰のアノマリーと呼ばれる現象 逆張り戦略はコントラリアン あるいは リターンリバーサルともよばれる。真壁氏はこの現象の説明として、同じ傾向が続きやすいと考えるための過剰反応仮説と、リスクに対する過大評価という2つの仮説を説明している。)

マンデルブロは現実の市場価格の変動は必ずしも正規分布になるとは限らず、安定分布になると主張した それはレビィ安定分布と呼ばれることがある 今では べき分布という言い方が使われる パレート分布ともいう・・・その後の研究によると マンデルブロの研究が必ずしも全面的に正しいというわけでもない 肝心なことは 異常な事態が起きる確率が平均から遠さかってもなかなか下がらない という性質

市場では正規分布で想定されるよりも極端な出来事 すなわち急激な価格変動がおきやすい これをファットテールと呼ぶ

問題はどのくらい異常事態が起こり得るかは結局わからない・・・どの程度まで異常事態を考慮すべきかという問題に立ち戻る

実務上は計算できないは解決策にならないので

オプション価格を計算するブラックショールズモデルの場合 正規分布の横の広がりを決めるボラテリティの値を、通常のオプションの値段を計算するときより大きくして つじつまを合わせている

ファットテールを ファイナンス理論やリスク管理にどう取り込むかについて 有力な考え方に ボラテリティ・クラスタリングがある ボラテリティの低い時期と高い時期に分けてみると それぞれの時期には正規分布から決定的に逸脱するわけではない

こうした考え方を使えば従来の理論や計算技法の大枠を大きく変更しないまま ファットテールの要素を取り込むことができる

ではボラテリティがどこまで大きくなるか ここで過去がどうだったかに頼る限界がある。あるいはどうしても将来のこと正確に予想できないという問題に突き当たる。

行動ファイナンスが本当に教えてくれるのは、人は本来投資には向いていないということである。(池上 経済学は実験ができない学問ですが、やはり実験をしてこそ科学ではないかと考える流派が経済学でもあって、それが行動経済学です・・・・池上・佐藤 希望の資本論 朝日新聞出版 2015年 p.20)

リスク管理の担当者や責任者は、正規分布の仮定に安住することが許されない。しかしだからといって正規分布がまったくの無意味であるということにもならない。

理論を絶対視することはナンセンスである。一方で、それを無視することも得策ではない。理論からは多くのことを学ぶことができる。

 

 

 

 


商工中金の不正融資事件(2017) 

2018-01-12 21:44:01 | Area Studies

2017年10月25日に中小企業庁に対して商工中金から、危機対応業務をめぐる不正融資問題調査結果が提出された。2017年4月の独立第三者委員会による調査報告書を不十分とみた経済産業省が全件調査を指示した結果、商工中金から提出されたもの。

不正に関与したのは全100営業店中97店(営業店全体の9割超)。関与した職員は444人(全職員の1割強 営業関連職員の3分の1)。4609口座で不正があった(うち危機対応融資対象外が3255。調査対象は22万口座)。不正は組織ぐるみとされる。経済産業省などでは5月に続き業務改善命令を出す方針。この結果から、商工中金は組織を挙げて不正融資をしていたと判断される。背景には商工中金では、危機対応業務で融資を伸ばそうとのノルマがあり、各営業店で経営実態が悪化していない企業の財務書類を改ざんして融資条件を満たすことが横行していたとされる。しかしこのことは危機対応融資の趣旨をゆがめ、民間金融と競合する行為。ではなぜそこまでして融資を拡大しようとしたのか(2017年3月末の融資残高は9兆3568億円 職員数3886人 国内100店舗 国外4店舗)。どうもノルマが各支店責任者のコンプライアンスをゆるめ、現場レベルでは財務書類の改ざんが日常化していた疑いがある(日経経済教室2017年10月25日鹿野嘉昭氏)。少なくともノルマ設定は商工中金本部が絡み、商工中金という組織そのものが民業補完という立場を忘れ規模拡大に走った構図は明らかだ。虚偽文書を提出させる意図が本部になくても、現場ではノルマに押されて虚偽の報告で融資を拡大することが常態化していたと思われる。このような組織を放置した経営topの責任は重いのではないか? 現経営陣の総退陣(現在の社長の足達健祐氏は2016年6月就任で経済産業省出身 元経産次官 副社長は2人で一人は財務省出身 2013年6月から社長であった杉山秀二社長も元経産次官だった・・・歴代社長がこのような官僚出身者のポストだったことも問題)、コンプラの立て直しは不可欠。しかし今後、民間の経営者が入って、組織の拡大を図るとすれば、それも求められる改革とは違う。商工中金の立場は民業補完のはず。これから必要なのは、アグレッシブな経営ではなく、コンプラを重視し、規模をむしろ思い切って縮小することだろう。なお、中小企業庁には危機対応融資予算を立案し、商工中金に予算消化を求め、問題の原因を作った責任が指摘されている。中小企業庁の担当者の言動を精査し、不当な圧力をかけている場合は摘発される必要があるだろう。

取引先の財務書類を書き替え業績の悪化を装わせて危機対応融資(災害などで一時的に業績が悪化した企業が対象 2008年の2016年9月末残高3兆700億円 全体の融資に占める比率32%について不正を確認。2017年4月25日 対象口座の1割(12.6% 2万8000件)についての第三者委員会調査結果を公表:35支店 816件 業績悪化を装うために 企業の売上高を引き下げる純利益 粗利益などを下げるなどの不正があった 関与者99人 現在の不正かかわる融資残高は約200億円(2017年3月末段階) 

なおサンプル全体に対する不正比率は2.9%であるので不正は一部ともいえる。

経済産業大臣による業務改善命令・・・2017年5月9日 

主務官庁である経済産業省に代わり金融庁の立ち入り検査が2017年5月24日午前着手された(検査チーム14人 今回の不正は多くの人員が関与 オープンに不正をしていた異例のケース 組織的不正と判断される可能性)。

2017年6月6日明らかになったところでは日本政策金融公庫は2016年11月分より商工中金への利子補給停止(利払費用を国が支援してきた 調査後再発防止策策定を待って利子補給再開の予定 商工中金は利子優遇継続)

  その後、残り(未調査)の19万件2000件を調査について 弁護士・公認会計士など700人超の体制で9月末までに調査を完了する工程表作成 この工程表と再発防止策(ノルマの廃止、社内メール保存期間延長など)を2017年6月9日に経済産業省・財務省・金融庁に提出 

営業店のノルマ営業 意図的に危機対応融資を膨らませることで組織の存在意義をアピールしたとの指摘がある。長年不正を繰り返してきた組織的犯罪を指摘する声がある。なお6月9日の記者会見で社長の足立健佑社長は辞任しないとした。今後 危機対応融資制度の見直しへ進む模様(危機時に限る制度に変える。民間金融機関の関与促す)。このほかトップが経済産業省からくることで、内部統制や企業風土に問題があったとの指摘もある。不正により国費が無駄になったとの指摘、公的金融そのものの見直しの必要性を指摘する議論もある。問題がどこまで拡大するか、関係者の処分がどのように厳格におこなれるか(歴代トップへの責任追及など追及が過去にさかのぼるか)も注目される。内部の運営では、生え抜きの役員が重要な意思決定を行い、経営トップがいる取締役会が形式的な報告の場になっていた疑いがある。トップが業務に精通していないのか、あるいは現場がトップを無視しているのか。ガバナンスに重大な問題があることは明らかだ。

次に主務官庁の中小企業庁は、危機対応融資の事業規模を商工中金の言いなりに予算審査していた可能性がある。そして商工中金は自らの存在意義を確保するため、数字を作ることに走ったとみられる。他方、地銀は商工中金の危機対応融資で結果として、地銀のビジネスチャンスを奪った。ただ本来の危機対応融資について、果たして地銀にやる気があるかはなお疑わしいとされる。つまり商工中金の不正融資は、批判されるべきだが、危機対応融資そのものをすべては否定できないし、商工中金がおこなっているミドルリスク業務に対して、地銀は十分取り組んでいるとはいえない。地銀は優良企業向けの単純融資からなかなか抜け出ていないので、なお商工中金に存在意義があるとされる。

2018年1月11日にまとめられた経済産業省の有識者会議報告(座長川村雄介氏)は、今後4年の改革期間を置いて、民営化につき4年後に改めて判断する内容(会議では完全民営化論が強かったが)になった。民営化まで独立した第三者委員会が改革の進捗を点検する。危機対応融資は大幅に縮小。今後は担保や保証に頼った融資から、事業再生や事業承継など中小企業の支援に注力する。再発防止のため取締役の過半を社外とするなど、経営監視を強める。経済産業省ー中小企業庁は、危機の時に民間や国の信用保証制度だけでは不十分と訴えた。しかし本当のポイントはアベノミクスでは、日銀の金融緩和と並んで、公的マネーを膨らませる政策(官民ファンド 産業革新機構 海外交通都市開発事業推進機構JOIN 海外需要開拓支援機構:クールジャパン機構 大学直営ベンチャーキャピタル 地域経済活性化支援機構 民間資金等活用事業推進機構 海外通信放送郵便事業支援機構JICT など17機関)がとられている。そのなかで生じた商工中金(政府系金融機関の一つ 政府系金融機関にはほかに日本政策金融公庫 日本政策投資銀行 国際協力銀行 沖縄振興開発金融公庫)の不正融資は、この公的マネー拡大政策のほころびの露呈と思われることである。


ロシア語 Russian

2018-01-03 11:43:00 | Area Studies

ロシア語あいさつチュートリアル

ロシア語会話フレーズ

ロシア語 あいさつ  How to greet in Russian

ロシア語 あいさつ(2)  Learn how to introduce yourself in Russian

ロシア語 ありがとう   Thank you and your welcome in Russian

Russian in 30 minutes

How to start conversation in Russian 

Get started with Russian like a Boss

Learn Russian alphabet in 10 minutes


資源安 その原因と影響について

2017-12-30 16:10:40 | Area Studies

 

 2016年 サウジの姿勢転換により始まった減産は、ようやくアメリカのシェール生産の抑制、相場の安定をもたらすようになり、2017年11月末 OPEC総会(OPECそしてロシアなど非加盟国)は協調減産の再延長で合意した(2018年3月末を9ケ月延長 2018年12月末まで)。ただ減産による原油価格上昇はまたシェールの増産をもたらす矛盾がある。 中国インドなど新興国の需要の増加が相場を押し上げるとの楽観的な見方、景気拡大で原油需要が上振れするとされる。このほか過剰在庫の解消が進んでいるとの観測(米国の寒波で在庫減少)、地政学リスクの懸念(イランの政治情勢)も、押し上げに働く。原油価格の上昇により在庫の評価益が出る石油元売り会社、油田の権益を保有する企業の資源事業、などの利益が押し上げられている(非鉄金属も上昇 いわゆる石油・商社・非鉄など資源株やプラント株が上昇)。

 しかし長期的にはEVへのシフト、自動運転の普及やシェア経済の進展が石油需要の頭を抑えるとの議論がある。実は先進国の石油需要は2005年頃すでにピークに達し減少過程にはいっている。新興国の需要もいずれピークアウトするとされる。専門家の間では2020-2030年の間にこのピーくアウトが訪れるとされている。他面、トラックのEV化はむつかしく 航空機はなおジェット燃料が必要。

シェールの増産続き減産効果相殺(2017年2-3月現在)

  2016年11月末にOPEC総会で減産合意が成立。2017年1月に入り加盟国は減産の履行に努めているが(減産はイラクなどが減産割り当ての一部しか履行しないためサウジなど湾岸協力会議に負担・・・サウジが減産割り当て超えて減産することで達成されている側面・・・原油価格下落による設備投資減少の側面もある)、シェールオイルの増産が続いているため(背景にはシェールオイル生産コストが技術革新により大幅にダウンしている問題がある そのため原油価格があがるとあるいは今回の減産合意があるとシェールが増産され、上値が抑えられる トランプ政権の下で国内原油パウプラインの建設が進むとも また 加盟しているもののリビア ナイジェリア イランは増産 合意に参加していない 米国 カナダ ブラジルは増産)、この減産の効果が削減されている(2017年2月現在)原油相場はバレル45ドルから55ドル前後のまで急上昇した(2016年11月末から12月上旬 北海ブレンド原油)あと一服している。NYのWTI先物は50ドルを割るようになっている(2017年3月上旬)。産油国では原油価格の低迷を受けて、より付加価値の高い石油製品にシフトするうごきがある。

  トランプ政権のもとで米国は原油輸出に積極的(2015年12月に解禁。2017年10月ー12月の米原油輸出量は日量150万バレルベースで前年同期の3倍の水準)。この動きはOPEC主導の減産による価格安定効果を削ぐ側面がある。

中長期的には新興国需要のサイクルがある。先進国需要は減少してゆくとされる(省エネ 脱炭素化 高齢化)。たとえばEVの増加は石油消費の削減につながる。(インド 中国など)新興国の成長回復(新興国では依然としてガソリン車 軽油車の普及が進む)は資源化価格回復にもつながる。それは資源に依存する新興国の景気回復にもつながる。反面 資源価格の下落は資源に依存する新興国(ブラジル ロシア 南アフリカなど)の成長を抑える。

極めて似た状況にあるのが天然ガス。シェールガスにより天然ガスの生産が増えた。他方で価格の安い石炭との競合がある。需要が追い付かないため、供給がだぶつき気味とされる。中国の景気減速(中国やインドでも環境負荷が石炭より小さいガス火力が好まれる傾向がある)、米国が2016年から輸出国に転じつつあることもあり(オーストラリア産は転売禁止がついていて、転売がきかないが米国産は転売できる 日本にとって米国産はアジア産に比べ、パナマ運河を通すなど輸送費が高いデメリットあり)、LNGへの投資が停滞しているとされる(2016年はかなり縮小)。

原油価格再び急落 40ドル割れ(2016年8月末)

生産量を落とさないことでシェア維持を図っているとされるサウジ。しかし欧州ではロシア、イラクにおされている。インドではイラン、イラク。中国ではロシアに。つまり地理的に輸送コストがひくいとこと。またロシア産原油は中東産に比べて軽質でガソリンや軽油を生成しやすいとのこと。

原油価格ン変動はヘッジファンドの影響とも(2008年原油高+ドル安 201415年原油急落+ドル高) シェールオイルの採算分岐点が下がり べ米国の原油生産がなあk中減らなかった 2009-2013年 2014年以降 OPECはシェア優先に転じ 原油価格も下がり続けた。2016年7月 3ケ月ぶりに40ドル割れ(世界的余剰感) 原油価格は16年1月(30ドル割れ)ら6月上旬(49㌦)まで上昇後再び下がり始める(8月末 40ドル割れ)

ピークオイル論(枯渇→高価格)は破たんしている。大きなサイクル 自動車の燃料としての需要 新興国での増加 先進国での技術開発による減少

これまでの商品相場peakは2008年9月のリーマンショック直前である。2000年代前半と比較して約3倍の水準まで急騰した。そしてリーマンショックで暴落し2009年初め底値をみている。
その後、ドル安、欧州債務不安、新興国需要などを背景に再び2011年初めにむけて急騰した。この急騰は、長期的な傾向とも見られたが、実際は新興国需要の変調により「資源安」とよばれる状況が生じている。素材安については中国景気減速の影響が指摘されている。銅、鋼材、ニッケル、亜鉛などもともと中国需要比率が高いところが大きな影響を受けている。中国では2008年以降 設備増強で生産能力が高まったあと。インフラ投資が一巡して設備過剰(鉄鋼、アルミ、圧延コイルなど)が深刻化している面もある。中国で株式市場に比べて規制の弱い商品市場に投機資金が集まり、売りを仕掛けている面もある(銅、アルミなど)。

2015年 資源安 産出国から消費国(貿易収支改善)に所得移転。商社:資源ビジネスで損失。資源メジャーも業績悪化。

7月20日 NY原油先物 一時50ドル割れ 3ケ月半ぶりの安値 金も続落 19日夜時間外で5年5ケ月ぶりの安値
7月24日 CRB指数が6年4ケ月ぶりの安値、
8月13日 NY市場で原油先物市場が大幅に反落(2011-2014前半まで100-110ドルで安定が2014年後半に急落) WTI が一時1バレル41ドル台 6年5ケ月ぶりの安値 シェールガスオイルの高生産(2000年代末から 2015年6月ころから減産にはいるとも)+OPECの減産見送り(2014年11月・・・サウジが減産せず シェア維持 生産能力と価格競争力強いサウジ 高コスト石油の退出を促す戦略)+中国景気の減速  銅の価格は6年ぶりの安値圏 金も5年5ケ月ぶりの安値水準 

米国で原油輸出解禁の方向が決まった(2015年12月15日 米議会与野党が輸出禁止措置撤廃法案提出で合意した。禁止措置は1975年第一次石油危機のあと エネルギ―不足対策としてとられrたもので 規制緩和は40年ぶり)→世界に米原油があふれるおそれ(シェールの減産が予想されたようにおきない 優良鉱区への投資が拡大 50ドルでも利益でるとのこと 損益分岐点は下がり一部では40ドルでも利益出るように変化 ヘッジ売り)。日量200万バレル。中東産よりコスト高い。平均コストハ1バレル40-80ドル。中東は10ドル切る場合も。直近原油価格は30ドル台まで低下(2015年11月 一時40ドル割り込む 2015年12月7日NYで37ドル台 8日には36ドル台 7年ぶりの安値 2014年半ばは100ドル前後から急落)。イラン 米欧との核疑惑による経済制裁で原油輸出制限されていたイランが復帰する可能性。日量100万バレル。

2016年1月に入ると原油価格は1月12日米国WTIが一時30ドル割れ 12年ぶりの安値 その後20ドル台)。国内 石油元売りには再編圧力。出光興産+昭和シェル石油 首位のJXHD(2016・3予最終赤字2000億円 前期も2772億円赤字 2期連続の大幅赤字)と東燃ゼネラル石油(3位)。→5月13日46ドル前後は6ケ月ぶりの高値 底入れか? サウジは依然としてシェア重視 5月26日には一時50ドル回復 背景:シェールの減産 中国の景気刺激策50ドルになれば米国シェールの多くも採算とれる(技術開発と優良鉱区の開発進む)

産油国財政の悪化。サウジも2015年にGDP比22%の財政赤字に陥り、5年内で準備資産喪失とも。ロシア、メキシコ、マレーシアなど産油国は軒並み通貨が下げ。産油国通貨に売り圧力。

今後核協議の合意により2016年にもシーア派のイランの石油が復帰すると(イランとサウジが争う構え)。このほかカナダ、ロシア、イラン、ブラジルが増産基調。

 シェールガス(生産コスト40-50ドル シェールオイル:硫黄が少ない軽質油 米国内製油所は重質油処理施設が多く在庫がたまりやすい)に対抗してサウジが減産に踏み切らなかった(スイングプロデューサー 供給調整者の役割を果たさなかった 逆にこれを演じると市場シェアを失うリスクがある 減産しても減産効果は限定的で市場シェアを失うだけ)。高コストの油田の操業停止―供給過剰の抑制をねらった。しかしサウジの意図に反して、掘削技術の改善もありシェールの増産基調が変わらなかった(稼働するリグ数は2014年後半から2015年半ばで半減。中小の不採算油田は稼働停止に追い込まれたが、技術革新により生産は減らず増産基調は変わらなかった 急速なコスト削減が生じているとのこと 超深海油田やオイルサンドより低コスト)。
 OPEC加盟国はシェアを優先して高水準の生産を継続。増産に歯止めかからない。商品安:米利上げをにらんで投資資金の引き上げも背景。

世界の石油需要2019年に日量9700万バレルが上限(日本のガソリン消費のピークは2004年 人口減少と省資源化で需要減は避けられない)? 先進国でエネルギー効率改善進む。電気自動車、代替燃料の普及。

なお石油の生成には有機物が長い年月をかけて変化したとする有機起源説と、無機物から作られたとする無機起源説があり、前者の考えでは有限。他方、後者の考えでは地球の深部にできて無限に存在することになる。他方、前者の考え方は石油が枯渇するピークオイル説につながるとのこと。ピークオイル説は産油国の思惑がかさなっているとの指摘がある。採掘技術の変化により非在来型の石油が現在は急増。ピークオイル論、無機起源説への関心も低下しているとのこと(日経2016/06/12)。

 鉄鉱石の国際相場は1トン40ドル台(2015年3月末)まで下落したが、これは2011年につけた最高値の3分の1以下である。原料安は、資源生産にかかわるメーカーの採算悪化、資源を使用するメーカーの採算改善を招いている。背景には相場が下がってもなんらかの理由で生産コストがさがり、供給が減少しないということがある。たとえば、ドル高が進行して資源生産国の通貨が安くなると、ドルベースの生産コストは減少する。供給が減らなければ、相場は下がり続けることになる。鉱山の生産・輸送では機材の大型化・自動化が進み人件費抑制が進んでいる。こうした状況では生産量を増やすことで、生産コストを下げることも大手は可能である。つまり相場が下落しても、シェアを維持拡大して、採算を維持することができる。そこで、資源安が続くことになる。


鉄の生産では、オーストラリアやブラジルで大手が生産量を増やして生産コストを下げる戦略をとり、それが価格の下げにつながっているとされる。2015年時点で世界全体の鉄鋼の生産能力(23億トン)のうち7億トン超(3割まあまり)が過剰(過剰の6割 4億3000万トンが中国 生産量は2015年までの10年で4億トンから8億トンに倍増 海外に安値で販売 4000万トンが1億トン超まで 生産能力削減の一方で設備新設 4大メーカーは2015/7-9軒並み赤字 宝山 馬鞍山 河北 全体で1億トン増える  韓国のポスコも大赤字 タイでは鉄鋼大手SSIが破たん インドのタタも苦境 日本の粗鋼生産量は1億トン強)。インドなど新興国は高関税で対抗。鉄鉱石価格などが2016年に入り反発。

アメリカでは新車の販売が刺激されている。

こうした資源安は、日本については国内物価の安定につながっている。2015年2月27日発表の1月のCPI(消費者物価指数)、消費増税分と生鮮食料品除いたその数値は前年同月比0.2%上昇であった。㋄1日発表の3月のCPI 生鮮食料品除いたものは前年同月比2.2%上昇だが、2014年4月の消費増税の影響を除いたものは0.2%上昇であった。さらに4月のCPI消費者物価上昇率 生鮮食料品除いたものは前年同月比0.3%増まで下がり、消費増税の影響除くと横ばいになった。原油安の物価押し下げ圧力が働いているとされるが、政府が期待する物価上昇はこの時点では起きていない。他方で今後の物価上昇を予測するものが増えていた。4月2日発表された、3月の生活意識に関するアンケート調査によれば1年後の物価見通しは、家計の平均は4.8%上昇 企業の平均は1.4%の上昇である。

しかしその後の変調は中国経済の減速がよりはっきりしてきたことが大きいように見える。資源価格が一段と下落する。中国では2014年後半からの株価の急騰が2015年6月下旬をpeakに変調、暴落する。一説には株価が下がると、投資家は商品相場にも手を出しているので、商品を売り商品相場が下がったともされる。しかし商品相場下落はこの中国の株価下落に先立って先行して生じ、株価下落で強められた。日本では㋆7日 物価上昇連動国債利回りからはじいた市場の予想物価上昇率 今後10年間の平均で0.99% 前日から0.07ポイント下がり 1%を割り込んだ 中国では自動車保有台数の増加(2013年で1億台超)からガソリン需要はなお旺盛。しかしガソリンとともに生産される軽油が景気減速によりあまりこれを輸出に回している。事情は日本の石油会社も同じで軽油の余剰感が内外で高まり、軽油価格が6月から10月にかけ急落したとのこと。5月のLNGの平均輸入価格は2009年12月以来5年半ぶりに100万BTUあたり10ドルを下回る(8.9ドル 過去peakは2012年㋆の18.2ドル)。金も5年半ぶりの安値。中国の公共投資の遅れ、住宅市況低迷を反映して中国株より先に商品が崩れたとのこと。 原油安からシェールガス減産の見込み(6月以降)。6月 レアメタルが11年ぶり(モリブデン ルテニウム) 6年ぶり(インジウム) 5年ぶり(タングステン)などのや安値

原油安・資源安は原発事故に伴うエネルギー輸入の増加、円安による貿易赤字の縮小に役立ち国内物価を抑えている 消費者企業ともにに恩恵大きい 原油は2014年6月から15年1月までで6割下がる。その後㋄にかけて上昇後 再び下落した 相場には投機マネーが入り変動幅大きくなっている。この状況に2014年夏以降 エネルギー価格の値下がりによってエネルギーを含んだ物価は、物価の基調を示さなくなった・・・と日銀は主張しているらしい。2016年度前半ごろまでに2%物価上昇率達成が黒田日銀の公約。円安による輸入物価上昇。株高による企業業績押し上げ、株高による資産効果、賃上げによる消費拡大…が物価の押し上げに寄与する。そのためには原油相場のゆるやかな上昇を期待。・・・・ところがギリシャ問題の再燃や、中国の景気悪化の進行で、この筋書きが崩れそうだ。原油安(日量200-250万バレルの余剰)はここまでは景気の押し上げに役立っていた。しかし物価目標達成にはマイナスとなっている。もう一つの懸念は中国株の暴落に示される、中国経済の減速の影響。

期近が期先に比べ安い。コンタンゴ(順さや)。高いときはバックワーデーション(逆さや)。需給がゆるむとコンタンゴ。引き締まると逆さや(バックーワーデーション)、になりやすい。

コンタンゴcontango 先物で期先を売り 期近では買い この値段の違いは保管コストcost of carry, 金利などで説明されます

内需縮小(人口減 エコカーの普及)と原油安。石油元売り業界は一挙に集約へ。1)出光興産(2位)と昭和シェル石油(5位)が合併で基本合意。7兆6276億円。2)JXH(1位)と東燃ゼネ(3位)が経営統合で合意(2015年12月 メドは2017年4月)。売上高で14兆3345億円 トヨタ27兆3334億円に次ぐ売上高(2014年度実績)。背景:製油所・給油所など設備過剰の解消。生産・物流の合理化で収益力改善。

2017/12/30(2017/3/10)

 

 


ドイツ、メルケル首相 連立協議が難航 2017年12月

2017-12-28 13:39:42 | Area Studies

2017年9月に連邦議会選挙でメルケル首相の与党キリスト教民主・社会同盟CDU/CSU そしドイツ社会民主党SPDは大きく議席をへらし,極右政党が第三党に躍進した(総議席709 CDU/CSU246  SPD153  ドイツの為の選択肢AfD92  FDP80 左派党69  緑の党67 無所属2)。これを受けて両者は大連立を解消。CDU/CSUは、緑の党(2030年までにデイーゼル車・ガソリン車の販売禁止を主張)、自由民主党FDP(財政規律重視)と連立協議をすすめたがこれが11月19日決裂。その後SPDと連立協議を続けている(首相選出要件は連邦議会下院の過半数の支持→連立協議不成立の場合再選挙の可能性→ドイツ・EUの政治的空白が心配されている)。しかし両党の政策の違いから難航が指摘されている。

難民政策をめぐって緑の党やSPDは受入に寛容、CDU/CSUは年20万の上限(上限をつけた受入)を主張している。欧州の統合では、FDPは慎重(マクロン仏大統領は共通予算や財務相の創設を提言 南欧の失敗のつけをドイツが負担するユーロ圏共通予算に頑強に抵抗 小さな政府を志向)、緑の党やSPDは積極的。AfDは反ユーロ。AfDは経済成長の遅れが目立ち、移民受け入れ政策への反発の強い旧東ドイツで支持をふやしている。

経常収支黒字世界1 財政収支黒字 失業率は東西ドイツ統一後最低水準(2017年8月3.6%はユーロ19ケ国中最低 2017年の実質経済成長率は1.9%程度 2017年10月時点見通し)。しかし国民はメルケル(南欧に財政規律押し付け 移民は上限をつけて受入)を支持しなかった。

2017-12-28


悪化する韓国の対中関係

2017-12-16 21:07:41 | Area Studies

中国による韓国いじめが続いている。これはやはり力の弱い属国とみているからか。しかし韓国は中国とけんかしても勝ち目はない。この場合、韓国は中国に服従するべきではないだろうか。

中国から韓国への旅行商品の販売が全面的に中断を指示したとのニュースが流れた(2017年3月2日)。ロッテがTHHADの配備先として自社のゴルフ場を提供する契約を韓国国防省と結んだあと、ロッテのウェッブサイトはサイバー攻撃をかけられた(3月1日夜)。2月16日夜韓国の海洋警察が違法操業していた中国漁船をとりましまっていたところ、中国漁船が集結して抵抗したため900発以上の機関銃を発射してこれらを散開させる事件が起きている。1月末には中国軍機2機が最初は韓国の続いて日本の防空識別圏に侵入した。このとき日本では自衛隊がスクランブル発進したが、韓国は発進できなかったとされている。この軍機の行動は、日韓の防空能力を確かめる目的だったとの指摘がある(1月31日)。なおAIIBアジアインフラ銀行の副総裁ポストを失ったのも関係があるとされる(公式には副総裁洪起沢氏は就任4ケ月で自己都合で6ケ月の休職を申し出て、その後連絡をとらず銀行から解任され、その結果、ポストはフランスに回ったとのこと。しかし中国が韓国を嫌った結果との噂は絶えない)。2016年12月前後には韓流ドラマなど韓国系コンテンツから中国メディアから姿をほとんど消したとつたえられた(2016年7月8日の米韓合意後すぐに韓国系芸能人の中国メデアから追放の噂が流れた。その動きが現実化したことになる)。これはちょうどの日本製アニメ「君の名は」の中国での上映開始と重なっている。また同じ12月には吉林省で、宗教活動をしていた韓国人30人ほどに帰国命令が出されている。中国が韓国をいじめるのはTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)配備受入にたいするもの(しかし韓国は9月3日の核実験を受けてTHAADの追加配備を決めた)。しかし北朝鮮の脅威を感じる韓国に、中国は決して暖かくない。おそらく中国から見ておもしろくないのは、中国を仮想敵国とする米軍に守られながら、中国にも媚びを売る韓国の姿勢ではないだろうか。一体、韓国は中国の味方なのか敵なのか?

たとえば後述する中韓通貨交換協定(2009年)で、中国は日本に代わって韓国の後ろ盾になってやったのでなかったか?さらに中韓FTAの締結(2015年)は中国として韓国に与えたアドバンテージなのに韓国は、韓国は中国に恩を仇(あだ)で返したのではないか?韓国は信用できないのではないか?

中国は文大統領の訪中に合わせ、2017年11月から一部地域について韓国行き団体旅行販売再開。しかしその後、再び順次禁止。最終的に韓国への団体旅行を2018年1月以降、全面的に禁止したとされる。THAADの用地を提供したロッテは許されざる存在になったまま。中国で展開していたロッテマートはその多くが消防法を理由に営業中止に追い込まれたままとされる。

 嫌韓活動について 国民の間に根強い嫌韓

 関係修復に納得しない中国国内世論

北朝鮮問題による緊張激化や、中国人旅行客が激減や、対中国ビジネスの押し下げ(現代自動車など韓国系自動車の中国での販売は低迷 17年8月には部品メーカーへの代金支払いが中国政府の意向でストップされ、中国5工場のうち4つが一時操業停止に陥っている。)は韓国にとって打撃のはず。米国からはFTAの再交渉を迫られている。国内では労組が賃上げを求めて毎年ストを打つ問題が構造化している。大変奇妙だが、半導体需要など(スマホ、データセンタ―向け半導体メモリー好調のサムソン電子、SKハイニックス 白物家電が好調のLG電子)を背景に韓国株(ポスコは中国政府の供給抑制政策の結果 世界の鉄鋼価格上昇の恩恵受ける このほか抗がん剤で製薬大手セルトリオンが浮上)は上昇基調を続けた。

韓国としては北朝鮮によるミサイル攻撃に備えての措置だが、中国は反対してきたことを無視されたという思いがある。指摘されている問題はレーダーシステム(AN/TPY-2)が導入されることで、中国からのミサイルの発射も筒抜けになる。それを中国は嫌っているとされる。他方で中国はレーダーシステムを無力化させるため、複数弾頭ミサイルMTRVや極超高速ミサイルHGVなど技術開発を急いでいるとされる。2017年10月 中韓通貨交換協定(2009年開始 3年更新)が延長されたが、中国国内の世論に配慮して、延長の事実の公表が控えらえたとされる。韓国メーカーは中国向けの減少を補うべく インド 東南アジアなどに輸出を伸ばした模様でそのことが株価にも表れた。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、よくわからないのは北朝鮮に弱腰で融和的であることだ。北のミサイルがソウルにも向けられているのに、備えはTHAADだけで、まるで朝鮮半島の危機は自分のことではないかのようだ。背景には2018年2月に予定される平昌冬季五輪・パラリンピック(2018年2月9日から25日)を平穏にスタートさせたいとの思いがあるようだ。しかしどう考えても、このオリンピックは危険含み。隣国は北朝鮮で指導者はミサイルを打つのが大好き。そもそも中止せずに実施して大丈夫と言い切れるだろうか?

THAAD問題。問題は韓国が米国の傘のもとにあること。中国にすればそこがまず気にいらない。私の乱暴な解決策は、韓国がいっそのこと、米国との同盟関係を解消し、中国に頭を下げ、中国に服従し中国の傘の下に入ってはどうかということ。たとえば中国人民軍に御願いして韓国に駐留してもらえれば、北朝鮮も韓国に攻め込めることもなくなり朝鮮半島は平和になり、韓国には中国人旅行客が再びあふれるのではないだろうか。

2017-12-16(2017-03-05)

 

 


Case Study: Amazon ネットとリアル アマゾンエフェクト

2017-11-20 16:42:42 | Area Studies

ネットを通じた取引が拡大するとともにリアル消費が落ち込む傾向がみられる。百貨店や家電大型専門店などの売り上げの減少がみられる。→ Amazon effect (Forbes 2017/02/28) 2017年の年末商戦でオンラインが販売チャネルで初めて首位に立った(NRFの調査)。なお伊藤洋一さんは物価上昇を抑える効果に注目している(2017/08/03)

顧客にすれば、駐車スペース確保の心配もいらない。店舗に行く時間と労力を節約できる。アンカーテナントの百貨店の閉鎖で各地でデッドモールが出現しているとも。実店舗の閉鎖になれば、雇用が失われるとの指摘があるが、ネット通販が拡大する勢いは止まらない。

アマゾンドットコム ネット通販事業のほか実店舗も拡張(書店 2017年からはコンビニの運営 2017年6月生鮮スーパーホールフーズマーケットを1.5兆円で買収 460ケ所の店舗 倉庫として重要)。実はネット通販の赤字をクラウドが補う形。さらにクラウド事業(2014年にスマートスピーカーエコー発売 市場シェア7割 このエコーを通じ声で注文が可能になった)も伸ばしている。2017年7-9月の売上は437億ドル(約5兆円)

対抗上 ウオルマートなどもウェブ上の通販を強化(日本でもセブンアイHDとアスクルがネット通販で提携)。アマゾンの攻勢の前にウオルマートはグーグルと組んでネット通販で反撃にでたとされる(2017年9月)。グーグルのネット通販サービスにグーグルエクスプレスにウオルマートが出品。AIスピーカーグーグルグーグルホームやスマホで商品発注可能に。2018年5月にインドでネット通販最大手フリップカートを160億ドル(1兆7000億円)で買収した。これはインドのM&Aの過去最高額。インドのネット市場えでフィリップカート40%に対し、アマゾンは31%。新規発行の20億ドルをふくめ77%を取得。株の主たる売り主にソフトバンクビジョンファンドがある。ウオルマートは米国でもネット専業のアパレルブランドなどを買収している。10月15日シアーズが破産している。video

書籍では取次を通さず出版社との直接取引を増やす構え。これに対して取次の日販の反発が伝えられた(2017年5月ー6月)。しかしおそらく法的には取次を通さねばならないという根拠はないだろう。書籍については電子書籍から紙の書籍に戻る動きや、居心地ののよい書店が支持されているとの指摘もある。

日本国内では楽天を抑えつつある(アマゾン拡大の陰に隠れつつ存在感薄れつつある。楽天はそのカードによる囲い込みしているが武器になるのがポイント付与。この負担が利益を圧迫しているとされる。また楽天は2016年秋にフリマアプリフリルを運営するファブリックを買収。しかしメルカリに知名度規模とも劣るフリルを伸ばすために多額の広告宣伝費を投入しているとのこと。)アマゾンは自社で倉庫を持ち直販を増やす。楽天はあくまで仮想商店街に過ぎない。2016年のアマゾンの売上は1兆円を超えたが 楽天は4000億に届かないのですでに勝負はついている(17年4月 生鮮食品の宅配サービス アマゾンフレッシュ開始 17年9月 アマゾンは法人向け通販アマゾンビジネスも始めた→競合するアスクルの株価急落)。

中国では アリババ・エフェクトという(アリババはネット通販の6割シェア 3割シェアで迫るのは京東集団=テンセント シェア自転車もテンセントのモバイク、アリババのオッフォofoの2強体制 自働車アプリでは2015年に2つの系統が合併し「滴滴出行」が出現し独占体制になる。)。ネット通販の売上の6割(スマホ決済 宅配サービスが支える。シェアビジネスを生み出している。)は実店舗の売り上げの振り替えだとされる。老舗百貨店が閉店すると周囲の店も閉鎖。瞬く間にシャッター街出現。中国のネット通販市場の規模は約70兆円で約69兆円のアメリカを上回っている。

2016年 個人の消費が全体で0.4%増。その間にネット消費は7.9%増。(2016年についての日本経済新聞社アンケート調査)

2016年についての通商産業省国内小売業販売額139兆8770億円 前年比0.6%減少

2016年についての個人向け電子商取引15兆円超え(通商産業省調査) 物販全体の5%超(=5.4%  日本) 米国は7% 中国は約15%とされる

 2016年15兆1000億円(2015年は13兆7700億円) 10年比で約2倍 即日配送など 商品の梱包・配送に与える影響も問題になっている。

  ネット通販の拡大 利便性の追及 即日配送 → 物流に負担(⇔物流への投資)

  富士経済の数値は7兆6096億円 うち2兆5585億円はスマホ経由

 ネット上 個人間売買 メルカリ

 生鮮食品分野へのネット消費拡大 ネット消費1兆円越

アマゾンドットコム オフィスデポなど影響を受ける銘柄の指数 デスバイアマゾン アマゾンエフェクト アマゾン恐怖症

  アマゾンジャパン 2016年度売上 初めて1兆円超え 1兆1474億円 15年度比17.5%増

ザランド(独ネットファッション)

スタートツウデイ(衣料品専門) ゾゾタウン

メルカリ(国内フリマアプリ最大手 フリマアプリ最大手)

Cチャンネル すまほ向け動画配信サイト運営 有名人が商品紹介

2017年4月 アマゾンがアマゾンフレッシュサービス開始   

2017年4月 イケアジャパンがネット販売を本格展開 家具のネット販売はニトリなどでも展開

2017年6月 アマゾンが高級スーパー フールフーズマート買収(1兆5000億円) →クローガー(米スーパー) JCペニーやメーシーズ(米百貨店)等が苦しい ライトエイド(ドラッグストア) DSW(靴の販売)  フットロッカー(スポーツ用品) ビタミンショップ(サプリメント販売)

      ウオルマートはネット通販にも力入れる テスコ(英小売) カルフール(仏小売)

2017年7月6日 セブン&アイとアスクルが業務提携

 アマゾン 配送センター建設 動画コンテンツ作成など先行投資も多い

2017年9月19日 米トイザラスが米破産法11条の適用を申請 倒産

2017年春 家電量販のラジオシャンクが2度目の経営破たん 2011年には米書店チェーン ボーダーズが破たん

 小売店舗の閉鎖 → ショッピングモール 苦境へ 空き店舗増える デッドモール ネット販売の増加と商店に苦境

2017年9月20日 アマゾンジャパンが法人向け通販開始(米国では2015年4月開始) → アスクル 大塚商会 カウネットなど打撃受ける?

 アマゾンの強み 膨大な商品数 反面 法人向けの細かな対応 どこまででできるか。

2017-10-27 upload

2017-11-20 revised

企業戦略