英国の人々が心から愛し、私たちも大好きなマーマレード

イギリスの朝食に欠かせないマーマレード。
そのマーマレードの主役のオレンジをはじめとする柑橘類は冬が旬。
これはイギリスも同じ。冬こそマーマレード作りの季節です。

この時期イギリスのいろいろなクッキングサイトでは必ずマーマレードのレシピを紹介しますが、どのレシピも「ベスト」、「パーフェクト」の文字が並びます。

大ベストセラー"Tender"の著者で人気のフードライター・ナイジェル・スレーダーは、彼がオブザーバーを勤める"The Gardian"に自身のマーマレードのレシピを紹介していますが、「私はマーマレードを食べるよりも作るほうが好きもしれないと思うときがしばしばある」というほどマーマレード作りに熱心です。

イギリスには優れたマーマレードを表彰する団体 "The World’s Original Marmalade Awards"があり、毎年2000本以上の応募から、メーカーやホテルなどのプロフェッショナルやアマチュアなどのカテゴリー別に毎年3月頃に 表彰を行っています。
なんと、2011年にこの賞を当時のイギリスの環境大臣が受賞し、ニュースなどで大きく伝えられました。

この"The World’s Original Marmalade Awards"の本部はイギリス湖水地方に14世紀頃に建造された"Dalemain Mansion & HIstric Garden"と呼ばれる歴史的建造物にあり、この壮大なお屋敷と庭園を所有するHasell-McCosh家の婦人Jane Hasell-McCoshがこの団体の創始者です。

また、このお屋敷には16世紀頃から伝わるマーマレードのレシピがありこの古い作り方をMrs.Jane自ら再現しています。
Fortnum & Mason How to make Marmalade


さらに、このレシピをイギリスの著名なフードライターでこのAwardの審査員でもあるDan Lepardが"The Gardian"でDalemain's three-fruit marmaladeとして少しアレンジして紹介してます。

話が長くなりましたが、今年のクイーン・ハーベストのマーマレードはこのイギリスのクラシックなレシピを参考に、味わい深い風味豊かなチャンク（ざく切り）タイプのマーマレードに作り上げました。



そのポイントは以下のとおり。

①オレンジとレモンあるいはレモンとユズのように複数の柑橘類を合わせることで、深い味わいが生まれました。
②は半割りにしてジュースを絞り、残った皮はそのまま1日ほど低温で煮込んで柔らかくし、チャンキーな（ざく切りの）歯ごたえのある食感を生み出しました。
③皮はジュースと砂糖のみを加え高温でしっかりと煮込み、ゼリーの効いた硬めで食べ応えのある色鮮やかなマーマレードになりました。