サブタイトルは、「モノマネとニセモノの拝金主義者たち」とある。
題名からすると、中国人に対してかなりな酷評、悪口を書いた本のようであるし、
十把一絡げ的なレッテル貼りのような気もして、普通はこういう本は、
遠慮するのだが、いつもの視点とは違った見方もしたいと思って読むことにした。
ところが・・・
著者名を見ずに読み始めるのはいつものことで、
最初は男性の著者だと思っていた。
文体というか、口調というか、男性的なものを感じて、
自然とそう分類していたのだが、途中で「日本小姐」という文字を見て、
あわてて著者名を確認した(あっ女性じゃん!)
それで、不思議なことに、悪口が悪口に感じられなくなった。
そう、変な話だけど、男性の場合、観念が先にあって、
その観念に都合のいい事実ばかりが見えてくる。
そんなところがあるような気がする。
悪口を書く目的での視点で見てしまう。
一方、女性の場合は、先にもろもろの事実があって、
それの結果として、観念が見えてくる。
そんなところがあるように僕には感じられる。
観念まで至らなくても、事実は事実だ。
ただ、実際の性別と、ものの見方の男女差とは、一致しなくてもいいのだけれど・・・
で、著者は女性と分かってから、
それからはすっと入ってくる文章になった。
著者は、僕とほぼ同世代。短大を卒業後、北京に語学留学して以来の中国、中国人との付き合いの中で得た、知識、体験、そしてその観念なのだから
著者のいうDNAに染みついたものかどうかは分からないけれど、
それは確かなものだと思う。
というか、日本人が外国人としての中国人を外から見ていってるレッテル貼りなのではなく、
中国人とともに生活し、仕事し、中国人の考えに触れての内部からの判断だと思う。彼女自身も、あとがきで「中国に感謝をしなくてはならない」立場なのだけれども、あえて今の中国をみいていると、これでいいのかと苦言を呈しなくてはおれなくなる・・・というようなことを書いておられる。
実際、読後に、「中国への扉、サーチナ」http://searchina.ne.jp/
というサイトをみつけたんだけれども、
そこで語られる、中国人の自国民(つまり中国人)の評価、自戒も、同じことが書いてあるような気がする。勿論、自尊傲慢の意見もあるのだけれど・・・
で、
自己主張か強い
「ありがとう」、「すみません」はほとんど言わない
衛生観念がない(というか日本人とは違う)
金銭感覚、セッカチ、政治不信…等々
(と、単語だけ並べても意味はないけれども…)
あれ!
本を読んでいくうちに、
人物像が、イメージされて来た。
実際、中国人(日本に生まれ定住している人は除く)とは付き合ったことがないけれど・・・
そういう人、知っている?
誰?
何を隠そう、カミさんである。
ああ、そうか、カミさんの精神原理、
勿論、家内は日本人だけれども、
性格は、中国人と同じかぁ~
と思い知った。
それなら、どういう人で、どういうものの見方をする人かがよく分かる。
日本人が、中国人に抱く、偏見の意味もよく分かる。
中国人が日本人をどう見るかも分かる。
家庭内の生育環境というのもある。
怒られて、自己主張することで、生きてきたのかどうか
そういうことも性格形成にはあるのではないか
国民性ということも、そういうことなのではないか
周りのルールと
自分の対処を学んで大きくなる。
個人の性格、家の性格、社会の性格
どこまでが、自分の責任なんだろう
僕らは、自分の性格をどこまで自分で選べるのだろうか
そんなことを考えながら本を読んだ。
そうか、
「中国人とは愛を語れない!」
僕は、妻とは「愛を語れない」?
というか、すでに僕の方が「愛を語」るような年齢、風貌ではなくなっているのだけれど・・・(鏡を見ると笑えてくる)
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