最後は、いつもちょっとせつない。

皆さんこんばんは、うたうたい秦千香子です。
レコーディングの合間に、友達に手伝ってもらって引越しをしました。
(みんなほんまにありがとう!感謝。)
4年間も住んでた部屋にさよならするのって、
ほんとたくさんのものにさよならしてくることでもあって、
ゴミ袋の量に自分でびっくりしてしまった。
さよならしなきゃいけないのになんとなくさよならできなかったものがたくさんあったんだなって。
うち昔からそうやったなぁ、病的なくらい色んなものが捨てられなくてお母さんによく怒られてたっけ。
などなど思いながらせっせと荷物を運び出して、
今日は最後の拭き掃除をした。
ありがとうって気持ちをこめて。
床がぴかぴかして、こんなにこの部屋明るかったんだっけ、と思った。
掃除が終わって、がらんとした部屋を眺めながら、
この部屋であった色んなことを思い出してみた。
流したつらい涙や、不安に震えた夜や、食べてたごはんや、書いた曲や歌詞や、誰かと笑いあったことや喧嘩した事や、恋したことや失恋したことや、
なんか、耳を澄ましたらかすかにこだましてくるみたいだった。
電気のブレーカーを落として部屋を出て、お隣に住んでる大家さんにご挨拶。
次に入居する人はもう決まってるんだそう。
バイクが大好きな男の人らしいわよ、と、大家さんが言った。
初めての東京暮らしに期待と不安が入り混じってた私に、
入居してから不便なことはないかとか、
水曜日はあそこのスーパーのポイントが5倍だからお得よとか、
いつも細やかに気を遣って声をかけてくれて、
会うたびに自分が「生活してる」実感をくれる、
優しい大家さんでした。
最後に、
ありがとうございました、お世話になりました、と頭を下げると、
体に気をつけてね、こちらこそありがとう、と、
花粉症の大家さんはこすりすぎてウサギみたいに真っ赤になった目で笑った。
東京での暮らしはこれからも続いていくし、
同じ町の中での引越しだからそんなに毎日が変わるわけではないけど、
部屋のドアを閉める瞬間、
なんだか少しきゅんとして泣いてしまいそうになりました。
なぜなんだろう。
部屋はまだあまり片付いてないけど早速また歌詞を書いています。
気分転換というにはかなりヘヴィな作業だったけど、
改めてあまりにたくさんのありがとうと大切にしなきゃいけない事に気づけたお引越しでした。
さて、またがんばります。
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