【閲覧注意】 カメムシを回してみた。

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さて、今年はカメムシの当たり年という噂もちらほら。
数年前に大量発生した時は全国的に雪が多く、スノボに行けばゲレンデがふかふかで楽しかったけれども、宿に戻ると布団や枕がカメムシだらけだった、なんてこともありました。

今年はその年を彷彿とさせるカメムシの多さ。
身体が平たいので小さな隙間からも平気で侵入してきます。




先日、一人で車を運転していた時のことです。
交差点の右折レーンにて、右折待ちの列に加わっていました。
そこへ突如、後方からけたたましい（少なくとも、僕はそう感じました）羽音が。

虫です！

音からすると蜂っぽいので僕は少なからず戦慄を覚えました。
羽音はすぐに消えましたが、肝心の虫が見当たりません。
出来れば信号が変わる前に居場所と虫の種類だけでも把握しておきたい。

やがて赤信号の下に右折可の矢印が点灯し、先頭の車からゆっくりと右折を始めます。

その時のことでした、僕がヤツの姿を目にしたのは。
思わず倒置法を使ってしまいましたが、ハンドルの中心部やや右下、クラクションのあるあたりにしっかりと掴まっている不敵な輩。

角ばっていて、薄茶色で、平べったい。
出来れば将棋の駒であって欲しいと願いましたが、真実はいつだって残酷なもの。

目を凝らすまでもなく、そこにいるのは他でもないカメムシでした。


これはカメムシではありませんが。

「はじめまして、マイ・ディアー」なんて笑顔で挨拶を交わすわけもなく、前方の車から次々と前に進んでいく流れに乗らざるを得ない僕。
羽音の正体が蜂ではなかったため身の安全が確保されたのは救いでしたが、それでも下手に刺激して顔のあたりを飛び回られたり、得意の臭い匂いを放たれたりするのは御免蒙りたい。

このままハンドルを切らずに直進したいところでしたが、よりによってここは右折レーン。
否が応でもハンドルを右に切らねばなりません。

僕はカメムシの挙動に絶えず目を配りながら、静かに静かにハンドルを回します。
こんなに静かにハンドルを回している人間が他にいたでしょうか？

ハンドルはゆっくりと時計回りに回転し、カメムシもそれに合わせて静かに回っていきます。

怖い～！！

４０を過ぎてカメムシ回してるヤツなんているかよ！？

大体何なんだ「静かにカメムシを回す」って？
そんなフレーズ自体、人類初の使用例では？

前代未聞、強力招来です。
自嘲の中にちょっとした優越感が芽生えたりして。

漱石やシェークスピアに肩を並べながら僕は無事に右折を終え、すぐさま路上停車してカメムシを追い払ったのでした。

カメムシは寒さを逃れるために家や車の中に忍び込むみたいですよ。
最近すっかり寒くなってきましたから、皆様もご注意くださいね。



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